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    猫子(ねこ)

    @ndy_14cols

    14色の日常(プチ会話集)を投稿していきます。
    タイトルに◇◆がついているものは今より少し前の話(過去編)
    毎週水曜日更新

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    猫子(ねこ)

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    ◈14色の日常◈
    ◇幹部が生まれたその後の話◆
    🐱👑

    #14色の稀石

    花依斗「夕凪」
    梓白「はいはい、どうしたの?」
    花依斗「…幹部の話だが」
    梓白「うん」
    花依斗「あれは本当に幹部を作るためだったのか?」
    梓白「…うん?君の質問の意図が分からないんだけど」
    花依斗「あれは本当に単に幹部を作るためのものだったのか、と聞いている」
    梓白「さっきと言ってること変わってないし。あとそれに関しては俺も分からない。…うーん、ここからはあくまでも俺の推測だけど。ある意味、雪からの助けてーっていうサインだったんじゃない?」
    花依斗「…どういうことだ?」
    梓白「だからさ、雪は自分一人で決めるのがしんどかったんでしょ?そりゃ俺たち組織のことだし。1歩間違えた決断をしたら取り返しのつかないことだって…あるかもしれない。そんなときに、お前が行くのはそっちじゃねえよって道を正してくれたり、同じ立場でもの見て、一緒に考えてくれる人がほしかった」
    花依斗「神崎…紫音じゃダメだったのか?」
    梓白「紫音はさ、雪のこと全肯定じゃん。仮に雪が間違ったことを考えていたとしても、紫音自身と意見が違ったとしても、それが雪の望みなら、と実現しようとする。雪自身、それではダメだと薄々思っていたんじゃないかな」
    花依斗「…それで俺たちも入れた、と」
    梓白「そ。紫音が幹部になるのはだれだってわかるでしょ。雪と同じく創立者の1人であるし、雪の近くにいれるんだから。それに加えて、あと数人、ほしかったってとこじゃない?俺たちみたいにさ、他人の意見に流されずズケズケと誰に対しても言える人を雪が求めていたってこと。いくらリーダーからの指示とはいえ、俺も君も、納得いかない案には乗らないでしょ?そういうとこ、買われたんじゃない?」
    花依斗「…では結果的にこれでよかったのか?」
    梓白「いいんじゃない?君が選ばれたことも、俺が選ばれたことも。実力としても申し分ないでしょ」
    花依斗「…」
    梓白「あ、今までのはぜーんぶあくまでも俺の推測だから。これが雪の真意かは知らないよ」
    花依斗「…ああ、分かっている」
    梓白「なーんか納得いってなさそうだなぁ。まだ何か?」
    花依斗「神崎は戦闘以外のこととなると精神的に弱い部分があるが、何でも屋全体とセレナイトのリーダーを兼任しているだろう。せめてそこをどうにかすべきではないか?本人はリーダーという立場に固執していない。むしろ、自分で他のやつの方が向いていると言うくらいだ」
    梓白「ふんふん、それは君がセレナイトのリーダーをやってやるよって話?」
    花依斗「…。夕凪、お前はどうなんだ?」
    梓白「嫌だね。俺は実力はトップでもポジションはナンバー2でいたいの。先頭立って歩くより、1歩引いたところで客観的に見れる人も大事だよ?それに…何でも屋も、セレナイトも、雪がリーダーだから上手くいっていると思うよ。特にセレナイトはね」
    花依斗「どういうことだ?」
    梓白「ふふ。仮に俺か君がリーダーやってごらん?俺たちの意見が割れたらバッチバチにやり合うと思うよ。セレナイトは一気に分断されて今のセレナイトの面影もなくなると思うよ。それだけじゃない。オブシディアンの絶対的なリーダー様ともバッチバチにやり合うことになるのも時間の問題じゃない?」
    花依斗「…ふ。かもな」
    梓白「そこを上手くやってるのが雪でしょ?俺たちみんなの声を聞いて、全員が納得いくような案をみんなで導く。そしてオブシディアンともやり合うことなく何でも屋全体で見てもピリピリしない。そんな天性の優しさとカリスマ性を兼ね備えた天使のような雪がしょもって落ち込んでしまったり、お手上げだーってなったら…」
    花依斗「俺とお前が神崎のケツを叩くと」
    梓白「ふふ、そういうこと。オブシディアンは絶対的なリーダーがいることでチームとして成り立っているけど、セレナイトは違う。リーダー様が優しい分、両サイドがしっかりしていればいいの。逆に絶対的なリーダーなんてものがいたら主に俺と君が反抗心剥き出しでリーダーとやり合ってたと思うよ」
    花依斗「ふん、だろうな。だがお前がしっかりしているだと?寝言は寝て言え」
    梓白「えぇ〜?俺は超真面目なしっかり者ですよ?」
    花依斗「そのだらしねぇ胸元で微塵も説得力ねぇよ」
    梓白「では言葉を変えよう。俺と君で役割を分担すればいい。俺がヨシヨシして、君がケツを叩く。幹部全員がクソ真面目とか何も面白くないでしょ」
    花依斗「ふん。セレナイトはいつも全員お前に引っ張られて収集つかねえことにだろうが」
    梓白「ふふ、それ、君も含めて、でしょ?みんなのノリがいいってことだよ。セレナイトはそういうのも許してくれる寛大なリーダー様でよかったね?…それに、雪を助ける方法はリーダーを変える以外にもあるよ」
    花依斗「…例えば?」
    梓白「雪の助けてっていうサインに俺たちが気づけばいい。雪はあまり言葉にはしないけど、今回のように何かしらの行動で俺たちに助けを求めることができるというのが今回わかったでしょ?それを俺や君、身近な人間が気づいて、手を差し伸べられればいい」
    花依斗「…簡単なことではなさそうだな」
    梓白「別にそんなに気負うこともないよ。何も発してない人間から察しろって言ってるわけじゃない」
    花依斗「…まぁ、やれることはやる」
    梓白「おや、随分気弱だね?いつもの君ならふん、そんな容易いこと、この俺にできないとでも?とかふんぞり返って言ってそうなのに。それに…ふふ、君みたいな優しいお兄ちゃんなら自然とできると思うよ」
    花依斗「…ふん」
    梓白「はい、こんな真面目な話はおしまーい。俺はそろそろお仕事に行ってきますよ」
    花依斗「…依頼の前に手間かけさせたな」
    梓白「気にしてないよ。俺、君とお話するの嫌いじゃないし。真面目な話でも、ふざけた話でも」
    花依斗「無理はするなよ」
    梓白「ふふ、死なない程度に頑張るよ。じゃ、またね」
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