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    猫子(ねこ)

    @ndy_14cols

    14色の日常(プチ会話集)を投稿していきます。
    タイトルに◇◆がついているものは今より少し前の話(過去編)
    毎週水曜日更新

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    猫子(ねこ)

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    ◈14色の日常◈
    ◇何でも屋◆
    🐱🌃🌼👾❄️🥀🧶🔥👑🎀💎🌿💫🐶

    #14色の稀石

    雪音「全員集まったな」
    紫音「そのようだね。では始めようか」
    世和「始めるって何を?」
    梓白「こんな大々的に全員を呼んだんだ。きっとすごーいことでしょ?」
    紫音「今回はね、この組織の名前を決めようの会」
    朱優「名前ダサ」
    花葉「…てか、まだ名前決まってなかったんだ…」
    紫音「だってさぁ、君たちにも名前考えてーって言ったけど僕含め、誰もいいの思いついてないじゃん?」
    紺碧「まぁ、そうだけど…」
    樹「僕たちらしいのとなるとなかなか難しくて…」
    姫花「そーそー。みんな個性爆発しすぎててさ」
    梓白「それで?こうやってリーダー様直々にお呼び出しをされたわけだ?」
    雪音「ああ。皆の時間を奪ってしまうのは申し訳ないが、いい加減決めなくてはと思ってな」
    陽「うん、みんなで決めた方がきっと早く決まるだろうし」
    成星「これだけ人数いると逆に散らかりそうだけどな」
    京「どうやって決めるの?」
    梓紗「はいはい!僕ね!おもしろいもの見つけたの!」
    雪音「おもしろいもの?」
    梓紗「うん!僕たちね、街の人たちから“何でも屋”って呼ばれてるみたい!」
    紺碧「何でも屋…?なんで?」
    朱優「…依頼されたものは何でもこなすから、らしい。最近ネットに…主に都市伝説をまとめているサイトに多く書き込まれているようだ」
    姫花「あ、俺も見た。最近この辺で現れ始めている何でも屋って。俺たちの事だったのか」
    花葉「今見てみたら派生して何でも屋都市伝説なんてもんもあるじゃん」
    世和「なんだそれ?」
    花葉「何でも屋に関する都市伝説がピックアップされてる専用ページみたいな?死神がいるだとか天使がいるだとか美少女がいるだとか…なんか色々あるよ」
    紺碧「天使と死神は若干わからなくもないけど美少女…?」
    姫花「謎だよねー。ここ、女いないのに。あ、もしかしてここ、見えてないだけで女の幽霊がいるとか…?」
    樹「え…!?」
    花葉「お、おい…!なんだよそれやめろって…」
    姫花「あ、ごめん。こんなこと言ったらまた2人が寝れなくなっちゃう」
    花葉「もう遅せぇよ…」
    樹「…花葉くん、今日は一緒に寝ようか」
    花葉「うん…。!?な…んかお菓子が浮いてる…!」
    樹「え…!?やっぱりお化けは本当に…!?」
    梓紗「む、違うよ。これは僕が浮かせたの!お菓子食べたかったんだもん」
    花葉樹「ああ…なんだ…」
    姫花「2人、あずがなんか浮かせる度にビビってるよね」
    梓紗「ほんとほんと。僕のちゃーんとした能力なのにさ!いい加減慣れてほしいよね!」
    花葉樹「…すみません」
    姫花「てかさ、何でも屋って都市伝説扱いされてる時点で俺たちの存在自体若干ホラーじゃね?」
    花葉樹「あ…」
    花葉「お、俺たちオバケ扱いされてるってこと!?」
    樹「ぼ、僕たち何も悪いことしてないですよね!?」
    朱優「はぁ…無闇にこのビビり2人を煽るな。都市伝説と言っても全てがホラーや悪い話ではない」
    姫花「へー、そうなんだ」
    花依斗「何でも屋…随分と安直な名だ」
    梓白「いいんじゃない?こういうのはわかりやすい方が。この都市伝説、君のこと書かれてるのありそうじゃない?」
    花依斗「お前らしきものもあった」
    梓白「え?ほんと?どれ?」
    花依斗「…後で教えてやる」
    世和「何でも屋ってクソシンプルでなんか固くなくていいんじゃね?」
    朱優「やってることそのまんまだけどな」
    世和「それがいいんだろ?」
    雪音「…そうか。紫音、お前はどう思う?」
    紫音「僕は雪の望むままに。名前がどうであれ僕たちのすることは変わらないからね」
    雪音「ふ、たしかにそうだな」
    成星「しかし不思議だな」
    陽「どうしたの?」
    成星「世の中には“便利屋”というものが存在している。それ自体は珍しくないだろ。だけど俺たちはわざわざ“何でも屋”と呼ばれ便利屋とは区別されている」
    樹「うーん。言われてみればたしかに」
    姫花「さっき朱優もちょっと言ってたけどなんか俺たち、都市伝説扱いされてるっぽいよ?だから便利屋と区別されてるんじゃない?」
    京「何でも屋の都市伝説って怖い話?」
    朱優「…訪れた者だけが依頼することができる組織。訪れたことのある者たちが言う場所は口々に異なる場所であるため明確な所在地は確認されていない。しかし訪れることさえできればどんな依頼内容でも“何でも”こなしてくれる。…それがたとえ殺しや犯罪でも。報酬は依頼内容によって異なり、依頼次第では依頼者の命を対価とすることもある…とのことだ」
    花葉「なんか…若干ホラー混ざってるような…。けど、だいぶ話に尾ヒレついてんな…俺たち犯罪とか法に触れることには足突っ込んでないだろ」
    朱優「…ギリギリのラインは攻めてるときあるけどな」
    梓白「依頼の対価が依頼主の命…ってどこかの死神様のせいじゃない?誰とは言わないけど」
    紫音「ふふ、その死神様も何でも屋都市伝説のうちのひとつだよ?」
    紺碧「殺しもしてないしな。事実と嘘が混ざってる…」
    姫花「噂なんてどれもそんなもんでしょ」
    世和「でも俺たち都市伝説扱いされてんのか…」
    紫音「これはおもしろいね、僕たちの狙い通りだ」
    花依斗「どういうことだ?」
    紫音「こうやって巷でおもしろおかしく噂されるとみんな興味を持つでしょう?そしてここでちょっとしたクイズ。僕たちの元に実際に訪れることができる条件ってなんだっけ?」
    樹「強い思いを持っていたり、窮地に立たされている者…ですよね」
    紫音「よくできました。つまり、そういった人間たちは藁にもすがる思いで僕たちの元へ来る。そして“本当にいた!!”ってなるわけで。それがどんどん周囲の人間に広まっていく。だけど全員が会えるわけではない。これでおもしろい噂が飛び交うようになるわけだ」
    成星「そして実際に会おうという思いを持つ人間が増えて、その中でも特に強い思いを持っている人間がここに来て依頼をする…」
    紫音「その通り。切羽詰まった人間というのは時には呪いの類に手を出す者もいるくらいだからね。だからこういった都市伝説にもすがろうとする人間は少なからずいる。そして僕たちの大切なお客様が増える、ということ」
    京「うーん…あのさ」
    雪音「どうしたんだ?」
    京「俺たちのところに来れるってことはすごく困ってるってことだよね?」
    雪音「ああ、そうなるな」
    京「うーん…じゃあ俺たちの周りに困ってる人が沢山いるってこと?」
    梓白「そうだね。俺たちが忙しく働いている、ということはそういうことになる」
    京「うーん…そんなに…いるのか。近くにいても俺たちが気づけなきゃ助けられないね…」
    梓白「そうだね。だからこうして本当に困っている人間が来れるようにやっている。そんな彼らにとって俺たちは最後の希望でもある」
    雪音「そしてそんな人たちを助けて俺たちが暇になったらそれだけ世の中が平和ということだ」
    京「んーと、じゃあ俺たちが暇になればいいの?」
    雪音「まあ…平たく言えばそうだな」
    京「うーん、そっか。じゃあこれからも俺たちが暇になるように頑張ろ!」
    陽「ふふ、それはなんか…言葉がアレだけどそうだね」
    朱優「話が逸れているが結局組織の名前はどうするんだ?」
    雪音「俺はこのまま何でも屋でいいと思うがどうだろうか」
    梓白「そうだね。結局巷の皆さんはそう呼びたいわけでしょう?」
    紫音「どう呼ばれるかなんて結局大衆次第だからねぇ」
    姫花「超安直だけどね〜」
    世和「ま、わかりやすくていいんじゃね?」
    梓紗「ねぇねぇ、僕たち何でも屋だよ!ってみんなに言っていいの?」
    樹「いえ…それはやめた方がいいかと」
    梓紗「えーっ!なんで?」
    樹「…梓紗くんは口裂け女を信じますか?」
    梓紗「え、それって都市伝説でしょ?そんなのいないよ。僕見たことないもん」
    樹「そうですね、つまり…そういうことです」
    梓紗「うーん…言っても信じてもらえないってこと?」
    樹「はい、残念ながら」
    花依斗「そのうち名が知れれば都市伝説という曖昧な存在であるが故に名を騙る輩も出てくるだろうな」
    樹「そうですね。騙る彼らが何でも屋でないことも、僕たちが本当の何でも屋であることも証明できません」
    梓白「いや?俺たちが何でも屋であることは証明できるよ」
    成星「どういうことだ…?」
    紫音「何でも屋に依頼ができるのは“僕たちの元へ訪れることができた者”つまり…」
    朱優「何でも屋は自ら出向かない。…基本的にはな」
    紫音「そ。だから自分たちから僕たち何でも屋でーす。って安易に名乗る方が信憑性が薄れる」
    姫花「はいはい!じゃあさ、俺たちからは出向かないって言っても、たまに公表されてる便利屋向けの掲示板から依頼受けるときあるじゃん?そういうときってなんて名乗ればいいの?」
    雪音「それは俺たちも同様に便利屋と名乗るのが無難だろうな」
    成星「職質されたときも便利屋と答えればいいのか」
    雪音「そうだな」
    花葉「え、成星さん職質されたことあるの?」
    成星「…未成年だと思われた。誤解は解けたが」
    花葉「…マジか」
    京「うーん…俺たち、何でも屋なのに名乗れないのかぁ…都市伝説じゃなくてちゃんといるのに…」
    世和「そこがなーんか、複雑だよな〜…俺たち都市伝説扱いされるくらいすげーってことだろ?だったら俺たちちゃんといるんだぜって名乗りたくなるよな〜」
    花葉「でもここに来てくれた人はみんな何でも屋だってわかってくれるだろ。そういう人たちが何でも屋は本当に存在するって知ってくれんならいいんじゃね?それで噂通り何でもこなしてくれるって思ってもらえればさ。火のないところに煙は立たないって言うだろ?」
    姫花「へぇ、花葉たまにはいい事言うじゃん」
    花葉「たまにはってなんだよ…」
    紫音「ではこの名前でみんな異存はないようだよ。むしろみんなしっくりきてるんじゃない?」
    雪音「そうか。でら俺たちは“何でも屋”だ。これからもお前たちの力を貸してくれ」
    梓白「もちろんですよ。そのために俺たちはここにいるのだから」
    花依斗「ふん、たまにはまともなことも言うんだな」
    梓白「たまには?俺はいつもまともなこと言ってるけど?」
    花依斗「どの口が言ってやがる」
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