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    kimitsu_bll

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    kimitsu_bll

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    未来設定レオナギ。
    日本在住。
    別れ話してますが復縁します。ハピエンです。
    どうぞよろしくお願いしますm(_ _)m

    #腐ルーロック
    rotatedLubeLock
    #玲凪
    reonagi

    別れるけどすぐ復縁するれおなぎ(過去作再掲)レオと別れた。

    原因は、くだらないことだ。
    一週間くらい前のこと。夕飯を、さあ食べようかというタイミングでレオは、「俺に何か言う事ねぇの?」と切り出してきた。お箸を持ったまま、しばらく考えてみたけれど、心当たりはまるっきりなかった。むっつりして何もしゃべらなくなっちゃったレオに、そんなことより早くご飯食べよって言ったんだ。

    「そんなことってなんだよ!?浮気しておいて!」
    「浮気なんてしてないよ。レオしか好きじゃないよ」
    「嘘だ!じゃあなんでこんな手紙持ち歩いてるんだよ!」

    レオは突然、ビタン!とテーブルを叩く。ぶりの味噌煮のすぐ近くだったから、ぶりが大きく揺れてまわりにタレが散ってしまった。レオの手の下から現れたのは、薄ピンクのかわいい封筒だった。初めて見る代物だった。

    「なにそれ」
    「しらばっくれるのか?お前の上着のポケットから出てきたんだぞ?」

    レオは手紙を乱暴に開き、読み上げ始めた。

    「凪さん。先日は素敵な時間をありがとうございました。今まで生きた中で、一番素敵な夜になりました。また、また、」

    「レオ?」

    レオは、涙で顔をグシャグシャにして、なにもしゃべらなくなってしまった。

    「やっぱり女の方がいいんじゃないか?」

    レオは雑に手で目を擦った。赤くなっちゃう。近くにあった布を渡そうとしたら、ますます顔を顰められた。あ、これ台拭きだ。おれはさり気なくブリの周りを拭いた。

    「俺のことなんかどうでもいいんだろ」
    「どうしてそんなこと言うの。俺はレオ以外興味ないよ」
    「もしお前に将来子供ができたら、さらってお前そっくりに育てて、御影家の跡取りにしてやる」
    「俺はお前と一生いるから、そんな将来がくることはないね。お前が犯罪者にならなくてよかった」
    「…寝る」
    「うん。お腹すいたら温めてから食べてね」

    寝室に向かうレオを見送ってから、俺は一人で夕飯を済ませた。レオの分はタッパーに入れて、冷蔵庫にしまった。

    次の朝、レオの姿はなかった。テーブルにの上には『疲れた。別れる』という旨の置き手紙が残されていた。タッパーはきれいに洗ってあった。



    終わっちゃったのか。高校から始まって、今はプロ、プロー、プロ4,5年目?長いような、短いような。でもこのときはまだ、そのうち帰ってくるだろう、チーム同じなわけだから職場で毎日会えるし、と高をくくっていた。

    その後一週間、レオは帰ってこなかったし、俺のことを徹底的に避け続けた。レオの方が先に音を上げると思っていたのに、俺の体調不良が先に現れてしまった。食欲がわかないからご飯が食べられない。眠れない。何も楽しくない。早く仲直りしたいのに、レオに無視され続けていて、取り付く島もない。なんか吐き気もするかも。レオに話したいことがたくさんあるよ。

    そんなある日、練習場を出たところで女の子に声をかけられた。紫色の髪、元気な笑顔、すごく、可愛い子。



    部屋に帰る。テレビをつけると、ちょうど21時スタートのバラエティ番組が始まるところだった。今日もレオは帰っていないし、帰ってきた形跡もない。
    俺はスケジュール共有アプリでレオの予定を確認してから、一本、電話を入れる。2コール待たずに、相手は出てくれた。

    「こんばんは。電話出てくれてありがとう。電話番号?手紙に書いてあったから。うん、俺にとっても最高の夜だったよ。ハットトリック決めたからね。その日のご飯は格別に美味しかった。君もお祝いしてくれたんだね。俺と一緒に過ごしたい?でも、おれには恋人がいるんだよ。君とどうこうなることはないよ。ずっと言ってるけど。そうだね、御影選手。大好きなんだよ。一生好きだよ。バラす?うーん、いいよ。言っても。遅かれ早かれ、自分たちで発表することだし。それからね、そんなくだらないことで俺を脅迫できると思ってるんだとしたら、大間違いだよ。そんなちっぽけなことで、俺の、レオのキャリアに傷がつくことはないよ。うん、応援してくれて本当にありがとう。これは最初で最後だよ。君にも素適な運命の人が現れることを願っているよ」

    部屋にテレビの音だけが流れている。納得してくれただろうか。電話の向こうで泣く彼女に心が傷まないではなかったけれど。
    彼女が出待ちのときに渡してくれたプレゼントは、すごくいい匂いのするバスボムのセットだった。大きい駅とかによくあるお店のやつだ。たぶん高校生なんだと思う。少ないお小遣い、もしくはバイトのお金で買ってくれて、わざわざ会いに来てくれたんだろう。元々人付き合いが苦手な俺は、好意にどう返していいのか、最適解がわかっていない。きっと他のみんなは、ああいう子を泣かすことなく、いなすことができるのだろうな。大人気なかったかもしれない。俺は一度伸びをして、気合を入れる。よし。

    「あ、あー。すごい!良い入浴剤もらちゃったな!一人でお風呂入るのもったいないなー!レオがいてくれたら、一緒に入れたのになー!」

    言ってから、スマホを見つめる。震えだすスマホ。レオのフルネームが表示される。

    「凪?今な、たまたま、たまったまだけど、家の近くにいるんだ。…寄って行っていいか?」

    盗聴器に気づいてるって、気づいていないのかな。気づいてること、気づかないふりしてるのかな。

    「うん、寒いから、早く来てね」

    今日はたくさん、レオと話をしよう。俺はワクワクしながらお風呂の支度に取り掛かった。

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