青い特権 けたたましく鳴り響く心臓は口からまろび出そうだし耳は火を噴きそうだし何なら全身が火達磨よろしく燃え盛りそうだった。燃えるのは頭だけで充分だってのに。その頭も毛先が色づいているのが視界の端に映って消えてなくなりたくなった。こんなに羞恥心を煽られることあります?
すっぽり拙者の身体に収まってしまっている君を見下ろす。ちらっと見える肌は驚くほど真っ赤なんだけど拙者も人のことを言えない有様なのわかってるから何も言えないっていうね。ブーメランを投げる趣味はないです。
こう、ノリと勢いと雰囲気で、あの、抱き合うことになったんですけど恥ずかしすぎて死にそう。嫌ではないんです、決して嫌ではないんですけど、あの、今までこういうことをしたことがないんでね。どうしたらいいかわからないよね。ハグだけなら身内で散々経験あるけど身内と他人を同じにするな定期。
腕の中の身体は本当に小さくて果たして同年代を疑ってしまうよね。確かに拙者は数値上は上背がある方だし体格差は出るにしてもヒョロガリ代表ぞ? 正直ここまで差が出るとは思ってなかったです助けろください。
互いにどうしたらいいかわからなくていたずらに時だけが過ぎる。やめ時すらわからないので本当にこのままどうしたらいいのかわからない。そりゃ恥ずかしくて逃げ出したいのは本当だけど、やめるのはちょっと勿体ないっていうか折角だからもうちょっとくらいとか思うに決まってるんですよ。こちとら思春期真っ盛りの男子高校生やぞ!