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    suno_kabeuchi

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    suno_kabeuchi

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    i7SS 100本ノック 30本目
    天と龍之介と桃のパフェ

    ##i7_SS

    すずみの愛情 真っ先に目についたのは可愛らしくミントが乗った、丸々と肥え太ったつやつやの桃。その下に敷き詰められたクリームにはまるで花弁のようにスライスされた桃が飾られ、中層には桃のシャーベットとサイコロカットされた果肉がぎっしり詰められている。そして下層のコーンフレークにはチョコレートソースが絡んでいて、たとえそれだけになったとしても口を飽きさせない工夫が凝らされていた。
     ででん。そんな効果音を幻聴するほど見事な桃のパフェだった。
     持ってきてくれた龍之介を見れば、「ロケでたくさん桃をいただいちゃったから」とニコニコ顔だった。それだけが理由でこんな立派な桃のパフェが出てくるなど、一体誰が想像できようか。少なくとも天は想像できなかった。あるにしても、暫くは食卓に桃が並ぶくらいだ。
    「最近の天は疲れてるみたいだったから、元気になって欲しくてさ」
    「龍……」
     やわく笑む龍之介のすべてに胸がじんとあたたかくなる。大きい。大きすぎる。十龍之介という男を構成するすべてがあまりにも大きすぎる。これが沖縄の海の育成力なのだろうか。否、龍之介を愛し、育んできたすべてのものの結果なのだろう。
    「ありがとう、龍。すごく嬉しい」
    「どういたしまして。そうやって天が笑ってくれるのが俺は嬉しいな」
     そう言って心底嬉しそうに微笑む男に天はそっと目を細めた。あまりにも眩しかった。
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    suno_kabeuchi

    TRAININGtwst夢/イデア・シュラウド
    集中している間に髪と戯れられてるはなし
    待てができるいいこなので ゆらゆらとゆらめくサファイアブルーを見つめること数十分。幸いにしてプログラム生成に集中しているイデア先輩に気取られることもなく、私はじっくりとっくり拝ませてもらっている。
     ほう、と何度目かもわからない感嘆の息が漏れる。昼だろうが夜だろうが、常に薄暗いイデア先輩の部屋ではそのサファイアブルーが陽の下のそれよりも鮮やかに映る。彩度の高いそれは驚くほど瞼に焼き付いては目を伏せてもその名残で閉じた視界に青が散る。
     足首まである長いそれはいざ座ると殆どが背凭れと痩躯の間に隠れてしまうけれど、一筋二筋と零れ落ちるそれもある。カーペットに座っていたけれど、そろりそろりと近づいて音もなくそれに手を伸ばす。燃えているだけあって毛先こそ掴めはしないが、もう少し上の方であれば実体がある。指に絡ませてみれば鮮やかな青に照らされて私の肌が青褪めたように光を受ける。視線だけイデア先輩に向ける。足元にいる私に気づいた様子もなくブツブツと早口で何か捲し立てながらキーボードを叩いている。それに小さく笑みを零して指に絡ませたそれに唇を添える。殆ど何も感じないけれど、ほんのりと温かい気がした。
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