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    94・💙🐺
    大体、これくらい書いたら力尽きる…。
     川orz

    狩人×狼三題噺のお題メーカー
     官ナギは「花」 「リンゴ」 「真の恩返し」を使って創作するんだ!! ジャンルは 「ラブコメ」だよ! 頑張ってね!



     【あらすじ】
     悪い狼の辻ずきんは、なんとかカンタロウの住んでいる丸太小屋から逃げ出すことに成功しました。



    「はぁ…。
    嫌、別にひどい目にはあってはいなかったか…」
     思い出すと狩人のカンタロウは辻ずきんの事をとても大切にしてくれました。
     『辻ずきんさん! カステラのおかわりはいかがですか?!!』
     『辻ずきんさん! 土っぽい匂いがするであります!! お風呂を沸かしたのでどうぞでありまあああああ!!!!』
     『辻ずきんさん!! いけません!! お風呂から出たら体を震わして雫を落とさないで下さい!! 本官がタオルで拭いて差し上げまあああああす!!』
     カンタロウの丸太小屋に居た時は、全然お腹も空かなかったし、温かいお風呂で体はキレイになったし、何かにつけてカンタロウが辻ずきんの世話を焼いてくれたのでなかなか快適に過ごせていました。
     
     それに、お風呂の時にカンタロウに、辻ずきんは狼だとバレてしまいましたが、カンタロウは辻ずきんの事を『悪い狼』だとはちっとも思っていないようでした。
     
     「…いや。やっぱりあの大声は騒音だ。お陰で耳がおかしくなった」
     獣の耳を押さえて緊張を解すように揉み混みました。
     
     辻ずきんが一挙手一投足する度にカンタロウが何かにつけて構ってきました。
     
     ですが今は、静かすぎて逆に耳鳴りがするくらいです。
     それが何だか寂しくて…。立派な三角耳もふさふさの尻尾もしゅんと下を向いている事に辻ずきんは気付きません。
     「チッ…」
     カンタロウとの生活を忘れ去ろうと、辻ずきんは森の中へ帰って行きました。



     数日後。辻ずきんが森の中を歩いていると、開けた花畑でお花を摘んでいる丸ずきんに会いました。
     「丸!!」
     大喜びで尻尾を振って丸ずきんことアルマジロのジョンの元へと駆け出す辻ずきん。
     「ヌリヌリヌン!!」
     辻ずきんに気付いたジョンは小さくて可愛いお手々をふりふりして応えました。
     「オヌヌヌヌリ、ヌリヌリヌン」
     「ああ。久しぶりだな、丸」
     ジョンは最近、森の中で辻ずきんを見かけなかったのでどうしていたのだろうと心配していました。ジョンが自分を気に掛けていてくれたのが嬉しくて辻ずきんは今までの事を話しました。
     
     「───そうして俺はやっとの事でカンタロウの家から脱出してきたんだ!!」
     それもこれも、丸に会うため!!
     辻ずきんが話終えると、ジョンは神妙な顔をしていました。
     「な、なんだ。どうした、丸…」
     「ヌリヌリヌン、ヌンヌヌヌヌンヌ、ヌヌヌヌヌヌヌ?」
     「はぁ? お礼? 何でだ?!」
     「お世話になったら、お礼をしなくちゃいけないよ」
     「誰があんな奴の世話になんか!! アイツが勝手にしただけだ!!」
     「ヌー…」
     
     
     
     ジョンは辻ずきんに教えてあげたいのです。
     「ヌリヌリヌン、ヌンヌオヌヌヌヌヌヌ!!」
     「丸の家に?」
     ジョンからお家にご招待されて、辻ずきんの尻尾がピンと上を向きます。
     「」「」「」
     
     
     
     
     真っ赤なリンゴがキッチンにありました。ジョンはドラルクの作るアップルパイが大好きです。このリンゴはきっとアップルパイを作るためにドラルクが用意したに違いありません。アップルパイの味を思い出し、つぅーとヨダレが垂れそうです。
     「どうした? 丸」
     リンゴを見たまま動かなくなったジョンに辻ずきんが声をかけます。ジョンは驚いて、
     「ヌァー!!」
     と悲鳴を上げ、
     「なんだァ?!!」
     辻ずきんまで驚いてしまいました。



     「」「」「」
     
     
     
     「あれ、ジョン。ここにあったリンゴを知らない?」
     つまみ食いをしてしまったら、
     『ヌヌヌイ』
     としらばっくれますが、今回は辻ずきんの成長に一役買ったのでジョンは正直にドラルクの問いに答えました。
     「ヌリヌリヌンヌ、ヌヌヌヌヌ!!」
     「ギリギリさんに?! あのリンゴをあげちゃったのかい?!!」
     「ヌッ?!」
     ドラルクが大きな声を出すので、ジョンのまぁるい背中には『不安』の二文字がのし掛かりました。もしかして、何か悪いことをしてしまったのかも…。
     「」「」「」
     「あのリンゴを一齧りするとどんな屈強な人間でも一瞬にして眠りに落ちてしまうんだ!!
     そしてそれは、愛する人の口付けでしか解除出来な」
     「ヌアァァーーーーー!!!!」
     ジョンは丸くなって高速で、辻ずきんの居る森へと向かって行きました。
     「ジョォォォン?!!」
     
     
     
     
     
     「」「」「」「」「」
     「」「」「」「」「」
     
     
     
     「」「」「」「」「」
     「」「」「」「」
     「ありがとうございまあああああす!!!!」
     
     シャリッ
     
     瑞々しい音を立て、リンゴが一口齧られました。





     「丸!! コイツが目を覚まさない!!」
     「ヌリヌリヌン!! ヌヌンヌヌイ!!」
     ジョンが辻ずきんに謝ります。
     「ああ。遅かったか…」
     やっとジョンに追い付いたドラルクが眠り続けるカンタロウとジョンに縋る辻ずきんを見て事態を把握しました。
     「おい。これは一体どう言う事だ?!!」
     辻ずきんはジョンを胸に抱えドラルクを睨みます。
     「ヒッ! 視線が怖い!!」

     スナァ…

     
     「」「」「」「」「」
     「このリンゴを食べた者は永遠に眠り続けてしまう。
     効果を無くすには、愛する人の口付けが必要なんだ」
     
     「ちんっ!!」
     「ワァ…」
     「そ、そうなんだ…」
     ヒナイチ、ロナルド、サテツの三人は『口付け』と聞いて顔を赤く染めました。
     「なぁに、それぇ~。とってもロマンチックじゃない♪」
     シーニャおばあさまはキャーと歓声をあげ、
     「おお! スクープの予感!!」
     カメ谷はカメラを構えました。
     「」「」「」「」「」
     
     「ふざけるな! 俺はコイツなんか愛していない!!」
     
     
     
     普段でしたらロナルドは元来の人の良さから『なら、俺が』と進み出るのですが、ロナルドはお菓子の家の魔女のドラルクが好きだったので名乗り出る事は出来ませんでした。
     だってファーストキスは、
     したいと思っていたからです。
     「」「」「」「」「」
     「」「」「」「」「」
     
     
     
     
     
     
     「」「」「」「」「」「」
     
     口付け? 口付けって言うからには、口と口を合わせれば良いんだろう? 何の事はない。
     
     
     えいやっ! と、辻ずきんはカンタロウに口付けました。これでカンタロウは目を───。
     覚ましませんでした。
     
     
     
     「おい、クソザコ砂!! どう言うことだ?! く、口付けたのに目を覚まさんぞ!!」
     「」「」「」「」「」
     
     
     
     「」「」「」「」
     
     
     眠っているカンタロウの上の歯と下の歯はピッタリと合わさっていて隙間がありません。
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     ぱかりと口を開ける間抜けヅラを見て腹が立った。
     それでもカンタロウが意識を戻さなければリンゴを薦めたジョンが悲しむ。
     
     ぶちゅ。
     
     上下の歯の隙間を抜けて舌先を侵入させる。
     
     舌先を合わせるとぞわりと
     背中が粟立った。
     
     純情な感情を持つロナルドは、向こうから聞こえる喘ぎ声と水音にエッチな動画を再生しているようでチンチンが痛くなりました。
     
     
     
     「ごへっ!! ゲホッ! ゴホッ!!」
     大きく咳き込みカンタロウの体が震える。目を覚ましたのだからさっさと離れてしまいたかったが、その拍子に頭でも打ち付けられたらまた面倒な事になりそうだ。辻ずきんは仕方なくカンタロウが落ち着くまで重たい体を支えていた。
     「は…はぁ…」
     
     「これは皆さんお揃いで。何事でありますか?」
     「カンちゃ~ん! 良かったぁ~!! 体、何ともない?」
     「体は…、はい。平気であります…。本官、なんだかとても良い夢を見ていた様な…」
     「おい。目が覚めたならさっさと退け」
     「うわあぁぁっ!! 辻ずきんさん!! 今まで何処に行っていたのでありますか?! 本官、お家に帰ったら辻ずきんさんの姿が見えないのでとてもとても心配しておりました!!」
     「ああっ!! うるさい! うるさいっ!!」
     「うおぉぉぉぉ?!! 本官はっ! 何故、辻田さんに抱かれているでありますかぁぁぁぁぁ?!!」
     
     
     「そう…なのでありますか…」

     
     
     「ああ、そうだ。俺はお前の命を」
     『危険に晒した悪い狼なんだから、もう会わない方が良いな』
     と続く辻ずきんの言葉を遮り、カンタロウは
     
     万感
     
     の思いで声を張り上げます。
     
     
     「辻ずきんさん!! ありがとうございます!! 辻ずきんさんは本官の命の恩人でありまあああああす!!」
     「いや、別に…そんな…」
     辻ずきんにしてみれば、自分がしてしまった事の尻拭いをしただけです。そんなに喜ばれる筋合いは無いと思っています。
     
     辻ずきんの手を握ったまま、カンタロウはウオオオーーー!!!! と、暴走特急のまま突っ走ります。 
     「命の恩人には命を以て恩返しするのが常套!! 辻ずきんさんの衣食住!! 全て本官が面倒を見ます!! 辻ずきんさん!! 本官と一緒に暮らしましょう!!」
     「は?」
     
     
     
     「」「」「」「」「」「」
     「」
     もうここで正体をバラしても構わない。多勢に無勢でこちらに勝ち目は無さそうだが、何とか奴らを切り裂いて逃げてやる!!
     
     
     「」「」「」「」「」
     「『悪い狼、狩人の命を救う!!』明日のトップ記事はこれだァ!!」
     パシャパシャとカメラのフラッシュがたかれます。
     「目っ! 目があぁぁ!!」
     カメラ、何てものを知らないナギリは、突然の強い光に目が眩んでしまいました。
     「」「」「」「」「」
     「お祝いだな!! ドラルク! 」
     「」「」「」
     「」「」「」「」
     
     
     「違っ…!! 俺は!!」
     「ヌリヌリヌン!!」
     「丸!!」
     「オヌヌヌヌ!!」
     「んがっ!!」
     
     
     おめでとう。おめでとう。
     七人の傍観者たち(正しくは、六人と一玉)がカンタロウと辻ずきんを祝福します。

     「何でこうなるんだあぁぁぁぁ!!!!」
     「辻ずきんさん!! 一緒に幸せになりましょうっ!!!!」
     
     二人の絶叫が森中に響き渡りました。


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