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    @sir0_r0

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    CPは主にngss

    他は🎲🔨⚙️/ナツキ/🐯/gk周辺がいずれ増えるかもしれない

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    しっぷ

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    雨に降られた🔨を🎲が迎えに行く話。
    ちょっと小説版ネタあり。

    Which one is more loving*
    「嘘やん」
     本日発売のラーメン情報誌を購入し、いい休日の始まりだと気分良く書店を出ようと自動ドアを通過した神々廻は眼前に広がる光景に呆然と立ち尽くした。
     雨が降っている。
     しかもかなり激しく。
     エントランスには同じように思わぬ雨で足止めを食らっている客が何組もおり、彼らに混じってぼんやりと雨の景色を眺める。今日の天気予報は雨だっただろうか。降り方からして恐らくにわか雨か。少し待てば止むだろうか。この書店にはカフェが併設されているのが不幸中の幸いだ。家でゆっくり読み込むつもりだったが、たまには優雅にコーヒーを飲みながらというのも悪くはないと思い直して踵を返す。
    「神々廻」
     ひどい雨音にもかき消されることなく耳に入ってきた声に足を止め、ゆっくりと振り返れば笑顔で手を振る南雲が立っていた。
    「迎えに来たよ」
     閉じた傘の雫を払いながらこちらに歩いて来る姿を上から下まで眺めた神々廻は呆れたように大きなため息を吐き出した。
    「お前アホやろ。いや…アホやろ」
     思わず同じ言葉を二度も繰り返してしまったが、それは仕方がない。何故なら南雲の足元…というよりもスウェットの膝から下の色が変わるほどに濡れているからだ。恐らく靴の中まで濡れているだろう。雨に降られたら帰る術がない世の中でも、ましてや子供でもあるまいし、何故わざわざこんなに濡れてまで迎えに来るのか?と様々な思考を巡らせる神々廻の眉間にはくっきりと皺が刻まれている。そもそも…
    「傘一本で迎えに来るって何なん?どう考えても入られへんやん」
     神々廻の言葉に不思議そうに首を傾げた南雲は、己が手にしている傘に視線を落とす。
    「くっつけば入れるよ」
     当然のように答える南雲へ向け、もう何度目か分からないため息を吐き出す。こういう時のこいつは頑固だと知っている神々廻は反論をやめた。代わりに見ていてずっと鬱陶しいと感じていた、雨風で顔に張り付いたであろう髪を指先で避けてやると擽ったそうに目を細める。
    「欲しい本は買えた?」
     神々廻が手にしているショップ袋を差して問い掛けると「おー」と素っ気ないながらもどこか嬉しそうな声色が返る。本屋に行くと聞いただけで何の本を買うかは聞いていないものの、その様子だけでおおよその見当は付いた。

     雨止んだね。会話の切れ目にそんな言葉が耳に入り二人はエントランスの先へ視線を向けた。いつの間にか雨は上がり薄らと日が差していて、雨宿りをしていた客達は次々に出て行く。
    「せっかくコーヒーでも飲んでこ思たのになァ」
    「え?行こうよ。僕も喉乾いちゃった」
    「アホか。そんなんで入ったら店に迷惑や」
     つい三度目が出てしまったが、特に気にもしていないようなので問題ないだろう。
    「じゃあそこのコーヒーショップでテイクアウトして帰ろ」
    「せやな。…おい傘振り回すな」
    「あ、虹だよ〜」
    「話を聞け!」
     
    (相合傘 濡れてる方が 惚れている──なんて言葉があるみたいだけど)
    (相合傘すら出来ない僕らに、どっちの方が惚れてるかを知る術はあるのかな?)


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    しっぷ

    DONE5648展後の🔨と⚙。okiさんから招集掛かるまでの、あったかもしれない・あったらいいなというお話。
    全然痛がらないので痛がってもらったり、一人で色々忙ししばさん。
    ※CP要素なし
    The apple of my eye*
     ピロンッ

     静かな室内に軽快な電子音が響いた。
     病室のベッドの上で何の面白みもない真っ白な天井を退屈そうに見上げていた神々廻は、その音に反応して勢いよく立ち上がった大佛へと視線を移す。
     ナイフ握ったまま立つのやめぇ。これから人刺しにでも行くんか。そんな言葉がつい喉元まで上がってきていたが、対象が「ちょっと待っててね」と小走りで病室を出て行ってしまったため発せられることはなかった。
     ベッド備え付けの簡易テーブルには剥きかけのりんごが二切れほどと、きちんと鞘に収められたフルーツナイフ。もしナイフを持ったまま出て行かれたら這ってでも止めなければならないところだったと安堵の息を吐き出す。
     いちいち失礼で、ぼーっとしていて何を考えているのか分からない部下の言動に振り回されるのは日常茶飯事だ。今だって「お見舞いといえばりんご」と言って剥いてくれたのはいいのだが剥きながら自分で食べていて四分の三は大佛の胃袋に収まったし、黙々とお菓子を食べていたかと思えば喉が渇いたと人の水を横取りする始末。一番厄介だったのは、病院に担ぎ込まれる際「おばけがいた」と青い顔で人の服を掴んだまま離さなかったことだ。処置の邪魔になるのはもちろんのこと、傷口に近い箇所を掴んで引っ張るものだから衣服が擦れ、その度に痛いからいい加減離せと叱ったのだった。
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