リフレイン番外編ビームが友人と恋人を店に招くと聞いて、店主のペッダイヤはオープン前の仕込みに励んでいた。
聞くところによると、友人は英国からの留学生で絶世の美女。恋人は以前店に訪れた事もある、大変頼りになるハンサムな大学教授だという。
意中の相手が大学教授と聞いたときは度肝を抜いたが、息子さながらに育てたビームは今や一人前の男になり、アルバイトとしも立派に店とペッダイヤを支えているのだ。
恋人が出来たと嬉々と報告してきた時のビームの顔を思い出して、自然と木ベラを持つ手にも力が入る。
秘伝のスパイスを振り、火加減を調節して殊更丁寧にかき混ぜてから今度は別のスパイスを。
ビームを愛し、ビームが愛する者を最大限もてなしてやりたい。その一心で黙々とペッダイヤは調理を進めた。
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