Recent Search
    Create an account to bookmark works.
    Sign Up, Sign In

    snmgargt

    @snmgargt

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 24

    snmgargt

    ☆quiet follow

    花散院ケイは桜の祝福を受けない
    ケイくんとサカエルちゃん、

    Tap to full screen (size:618x1132).Repost is prohibited
    🍌
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    snmgargt

    DONEクリスマスに一緒にケーキ食べる遥としゅとそれを眺めてるモモちゃんにたどり着くまでの話
    🐶 机の上に置かれた小さな箱を前に気がつき、遥はしばし固まった。シンプルなピンク色の包装紙に包まれ、リボンのついたそれは、昨晩までは確実に存在しなかった代物だ。鍵をかけて寝たはずだ。これは間違いない。だとすると、あの扉の鍵を勝手に開けて部屋まで侵入してきた人間がいる。誰か、など、考える必要はない。このシェアハウスで全員の部屋の鍵を当然のように手にしているのは、一人のクソガキしかいないのだから。すぐにでも捨ててやろうかと思った。しかし、厄介なことに送り主が送り主だ。速攻捨てようとするのを見据えて、自分にとって重要なものが入れられている可能性はゼロではない。なにせ堂々と人の私物を盗むような人間だ。忌々しそうに舌打ちをして、遥は雑な手つきでラッピングを外す。持ち上げた箱は随分と軽く、からりと音がする。何かと思い蓋を開けてみれば、四つ折りにされたメモ用紙だった。不審に思いながらも開いてみると、引き出しの二番目、という文字だけが書かれていた。引き出しの、二番目?恐る恐る視線を机の右下へと落とす。まさか開けたのか、ここを?勝手に?まぁそもそも人の部屋に勝手に忍び込むやつなのだから、今更な話であるけれども。いつになればプライバシーというものを覚えるんだ、あいつは。遥は苛立ちながら引き出しを開ける。やはりそこにも同じようにメモ用紙が入っていた。本棚の三番目。あぁ、馬鹿らしい。もう無視して、直接本人に聞き出した方が早い気がした。しかし簡単に口を割るような奴ではないのも明白だった。仕方なく遥は指定された箇所を巡る。おかげで次から次へと部屋の中を探索させられる羽目になった。あのクソガキ、一体どこまで人の部屋を物色してきたのか。ついに遥にとって聖域である、スターファイブのコレクションを並べてある棚にまで誘導されたときは、本気で頭が痛くなった。もうこれで最後にしてやる、あとは知らねえ。そう思い、大切に飾ってあったスターレッドのフィギュアに添えられたメモを開くと。
    4861

    recommended works