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    kazuneko_611

    @kazuneko_611

    どうにもならない子達の行き場……になる予定

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    kazuneko_611

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    ネコメと晶と黒曜
    これは書き切りたい……

    ネコメと晶と黒曜電話がなる。

    着信音に叩き起された晶はサイドボードの時計を睨んだ
    針は午前2時半を指していた。
    こんな時間に電話をかけてきた馬鹿野郎は誰かと携帯の画面を確認すると、そこには昔馴染みで仕事仲間そして、晶の想い人でもある黒曜の名前があった。
    黒曜がこんな時間に電話をかけてくるのはとても珍しく晶の中で、少しの期待と大きな不安がぶわっと吹き出した。
    急いで電話に出ると…


    「黒曜?どうs『あきらぁ』

    「…うわ、べろべろじゃん、珍しーね」

    『〜…酔ってる…』

    「ふはっ、知ってるよ」

    焦って損した、とも思ったが何も無いのが1番だ。
    それに、いつもと同じ低い声なのに酔ったせいで喋り方が柔らかい。そのアンバランスさが堪らなく愛おしいと晶は液晶画面越しに笑を零した。


    「誰かと飲んでんの?」

    『おう…』

    「へ〜誰と飲んでんの?」

    『………』

    「黒曜?」

    急に黒曜の返答が無くなったかと思えば、
    黒曜は急にビデオ通話に変えてきた。
    普段なら全くしないけど、今回はかなり気持ちよく酔ってるらしい。液晶画面に写る黒曜の顔は、いつもの姿からは想像できないほどに、へにゃへにゃしていた。

    (あんなゴツい見た目の男をここまで可愛くしてしまうなんて、お酒の力は偉大だなぁ…)

    見る感じ黒曜はソファの上にうつ伏せで寝っ転がっていて片腕にクッションを抱えていた。

    (えぇ、、クッション抱えるとか可愛すぎる…)

    そんな黒曜のいる部屋に晶は少し見覚えがあった。
    黒曜の部屋ではない。
    黒曜の部屋と負けずとも劣らない質素な部屋に
    晶も何回か上がったことがあった。

    ここは恐らくネコメの家だろう。
    そう頭が理解した途端、さっきみたいに優しく黒曜に話しかける事なんて出来なかった。
    オレは黒曜の恋人じゃない。
    だから、オレに黒曜を拘束する権利はない。
    ないけれども、、
    さっきまでのふわふわした暖かい感情に暗雲がかかって、腹の中でぐるぐると渦を巻く。

    「黒曜、ネコメと呑んでんの?」

    そう聞くと黒曜は少し間を空けて
    『おう』と答えた

    そして顔の下にあったクッションに片方の頬をうずめ
    画面から目を逸らしながらぼそっと言った

    『…お前も来るか?』

    いつもより自信がない感じというか、気まずそうな声の黒曜は両足を交互にパタン、パタンと揺らしていた。その様子はまるで好きな人の返信を待っている少女のようだ。と晶は思った

    かわいい、オレに来て欲しいの?黒曜

    そんな感情に蓋をして

    「こんな時間に誰が行くかよ、今日はもう寝るよ」

    と言う。
    なるべく冷たく言わないよう努力はした。
    黒曜にとってこの感情は八つ当たりでしかない。だけど、お前とネコメが楽しそうにしてる空間になんて居たくない。
    画面の向こうの黒曜が少し寂しそうに目尻を下げたのを見て罪悪感が湧いたがこればっかりは無理だった。
    じゃ、楽しめよ〜
    なんて言って電話を切ろうとしたらボスっと音と共に画面が真っ黒になった。
    たぶん黒曜が寝っ転がっていたソファにスマホが落ちたのだろう。
    え、まさか寝落ちした?
    この数秒で?
    これだから酔っぱらいは…
    何も見えなくなった画面を見てため息をこぼす
    せめて「おやすみ〜」とかいいながら笑う黒曜の顔を見たかった…
    すると、微かにすーすー…と言う音が聞これてくる
    遠くから聞こえるその寝息が愛しくて
    晶はしばらく電話を切れなかった――




    黒曜の寝息につられて晶もうとうとし始めた時
    聞きたくなかった声が画面の向こうから聞こえてきた


    『こくよー起きてる?』

    『んぅ…おう』

    『寝てたじゃん』

    『寝てねぇよ』

    『うそーん』

    『晶に電話したけど今日はもう寝るって』

    『だから言ったじゃーん晶は来ないと思うって
    そんなにオニーチャンに来て欲しかったの?』

    『うっせ、んなわけねぇだろ』

    声が聞こえた時は即切ろうと考えていたが
    ネコメと黒曜だけの会話ってのが気に食わないけど
    黒曜が普段は話さないような事が聞ける気がして
    晶は電話を切るのをやめた。
    念の為自分のカメラはオフにしておいて、声もミュートにしておく。

    『ホント黒曜は晶のことが好きダネ』

    『うるせぇって言ってんだろ』

    『じゃあ、ちゃんと否定してよ』

    少し低い声でネコメが言ったあと
    ギジリ…とソファの軋む音がした。
    とても不快な音だと思った
    でも、やっぱり電話はきれなかった

    『ねぇ、黒曜』

    『なっ、…』

    『俺と晶どっちが好き?』

    「ッ!……」
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