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    kazuneko_611

    @kazuneko_611

    どうにもならない子達の行き場……になる予定

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    kazuneko_611

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    フラッシュバック

    知らない顔客のいなくなったホールは静かで寂しくどこか不気味な感じがする。まだこのキッチンの方が人の気配を感じられて安心する。もっとも隣の大男は相変わらず存在感が強すぎるが…

    「あー…何で俺たちがキッチンもやんなきゃいけないんすかね〜」

    「うるせぇさっさと手ぇ動かせ」

    「へぇへぇ、てか、にーさんグラス拭くの上手っ」

    「あ?こんなもんだろ」

    俺が一個拭き終えるころには4個目に手を伸ばしていた
    そのクセグラスには汚れ1つもない
    さらっとこうゆうことできちゃうからこの人はもぉ〜…
    料理も美味かったし、歌だって普通に上手だった。そういや絵も上手いってアニキが昔言ってた気がする…
    俺は黒曜の弱点となるものをひとつも知らない。
    強いてゆうなら不器用で鈍感なところだろうか、弱点と言うより欠点に近い気がするけど

    「止まってんぞ、手」

    「ぅえ、?あ、やべっ、」


    パリン――――

    急に声を掛けられてうっかりグラスを落としてしまう。
    怒られるか……?

    「あっちゃぁ〜すんませ………にーさん?」

    「っ……………………はぁ……は、ァ」

    しかめっ面で怒られると思っていた。
    しかし目の前の黒曜の顔はどんどん青白くなっていて
    呼吸が不規則になって過呼吸になりつつある。
    黒曜の両手は首に残る大きな傷跡を強く抑えていた。

    「え、ちょ大丈夫すか、?」

    黒曜は首を押えたままずるずると床に座り込む
    呼吸はどんどん浅く荒くなり、額には汗が滲んでいた。

    「はぁ、うっ…はぁ、ッハ、ぁ、、はぁはぁはぁはぁ」

    「あ、え…に、にーさん、、首……痛いんすか?気持ち悪いとか…あ、み、水とか…」

    「う、ぁ、、ぃ、ゃ、、いゃ…だぁ…ぁ、あ、ゔッ、おぇ…」

    「え、吐きっ!?ちょ、ホントどうしたんすか!?」

    「「黒曜…!!!」」

    キッチンの向こうから聞きなれた声が響いた。

    「ぁ、アニ、キ、晶…、に、にーさんが…!!」

    「黒曜大丈夫か?」

    「ありゃ〜今回はグラスの音かぁ〜、」

    晶は当然のように黒曜の横にしゃがみこみ、背中に手を回し優しく抱き寄せて、耳元で何か語りかけている。涙の膜をはった目を伏せなが黒曜は晶の肩に擦り寄っている。
    兄貴は黒曜を晶に任せてその他のことをテキパキと進める。
    その光景見て頭がかァっと熱くなる

    (あ〜…クッソ…こんなこと考えてる場合じゃねーのに、2人が羨ましくてたまんね……)

    「おーい大牙ー、ほーきとちりとり!持ってきて!」

    「、、っ!わ、わかった!!」

    遠くから兄貴の声が聞こえてきて、自分が嫉妬の感情1色だったことに気づき、走って掃除用具入れに行く。
    兄貴がサラリと片付けた、小さく砕けたガラスたちを専用のゴミ箱へと持って行く。その間も心に広がる赤黒いもやが消えなかった。

    キッチンに戻るとそこに3人はいなかった

    「あぁ大牙2人は黒曜連れて事務室に行ったよ」

    と優しい口調で教えてくれた。オレは礼を伝えてすぐに走って事務室へ向かう。
    事務室のドアを開けようとした時中から2人の話し声が聞こえてきた

    「最近は回数も減ってたし平気だと思ってたんだけどなぁ」

    「ん〜どうなんだろうね、」

    「てか、あれって治るもんなの?」

    「さぁ、でも前よりマシになってはいると思うヨ」

    「まぁ、前ならすぐに寝付けなかったけど今はもう寝てるしな」

    「改善とは言えないけどいい方向に進んではいるんじゃない?」

    「そう思うことにしとく」

    ふとドアノブに伸ばしかけたままの自分の右手を見た。
    震えていた。
    それがどんな感情から来るものなのかは正直わからなかった。

    スターレスに入ってチームWの1人として、黒曜になる前のにーさんを知っている人間として、彼を理解しているつもりだった。それなのに
    俺の知らない話
    俺の知らない顔

    ドアの向こうで晶とアニキが俺を嘲笑っているように感じた

    「「だれにもあげないよ」」
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