ノアイチ⑥(学パロ) どこにいても、どこに行っても、必ず何度でも君を見つけて伝えるよ。
——
「えー今日体育なんて聞いてないー!」
顔すらもへの字に曲げたように拗ねるノア。時間割を見間違えたわけではなく、先週急遽変わったものだから、拗ねるのも仕方ないが。
「上の空で先生の話聞いてなかったノアくんが悪いよー!」
図星を友人に突かれて口だけを曲げる。先週のいつ、その変更が言われたのかすら覚えていないということは、おそらく別の何かに集中していて聞き逃した、というのが簡単に推理できる。とは言っても、困ったものだ。体操着が無いから授業を受け損ねるのは、進路的にも今はまずい。
「俺ちょっと借りてくる」
タタタッ、と軽快に階段を降りていき、迷うことなく目的の教室に辿り着くと、ノアより年下の学生達が残り僅かな休憩時間を教室のドアの前で謳歌している。
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