それでも好きとは言わねぇんすね/シン大+メノ✽4 いつもと変わらない休憩所の天井、クッション性の少ないソファーでさえ心地よく眠れてしまうのに。
「珈琲が飲みたいなぁ」
ーピッ…ガタッガッ、ゴトン
「大きな独り言だなぁ、ほらよ受け取れ」
自販機から吐き出された缶を的確に投げてよこしてくる。健康的に灼けた肌に似つかわしく白い歯をチラリと見せ笑う。爽やかと付け加えたいところだがどこか含みがある微笑みに企みが見え隠れするから野球少年のそれとは程遠い。
「そんな気分じゃないんだよね」
ちゃっかりと受取り手に収まってる缶コーヒーだが飲みたい珈琲とは違う。
「おいおい、お前が飲みたいって言ったんだ…あぁ」
「これは缶コーヒーでしょ」
やっぱりここにいたとソテツとは別の厨房の方から来た声にメノウは反応し、その目尻がスッと下がる。
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