あるのんかふぇ異能力松 第二次成長期をむかえると身体が大きくなると共にその者に秘められた能力も開花する。
個人によってその成長スピードも能力も異なるが、この世界では全ての者が須く能力を開花させていく。
現在、認められている能力は…。
ぱたん、と本を閉じ窓の外を眺める。
青く澄んだ空に浮かぶ真っ白い雲がまるで取り残されたぼくみたいだな、と思えて自然と涙がこぼれそうになる。
耳をすませなくても聞こえてくる喧騒の中には、己の能力を自慢する声や他者の能力について好き勝手な事を申す声も混じっている。
目からこぼれそうな涙を少し余らせた袖で拭い、本を片手に席をたつ。ぎぎぎっと椅子からたつ低い音がまるでぼくの心が軋んでいる音に聞こえた。
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