騎士天昔々、天使に恋した人間がおりました。
人間は愛を囁き、天使は人間と共にいきることを選びました。
その事を知った神様は怒り狂い、天使と人間との言葉を通じなくしました。
焚き火のゆらめきにあわせるような、優しい音と声。
天使である僕は彼がなんと言っているかはわからない。
だけど、どこかあたたかく感じる音楽を聴くのが好きで、野宿の度に歌をおねだりしていたら、いつの間にかそれが恒例となった。
雲のようなクッションに顔を埋めながら天使に伝わる昔話をなぞる。
天使の僕が思うのもあれだけど、神様はドジだなと彼の背中をちらりとみる。
言葉が通じないからこそ理解したいと、理解してもらいたいと想いを伝えようと手を伸ばすのに。
神様は本当にドジだなぁ。