ふるーつ求めて三千里 そのふるーつはとてもきらきらかがやいていました。
かがやくふるーつをたべるとみんなみるみるげんきになりました。
あるけなかったいぬさんも、びょうきでねたきりだったねこさんもみんなおどれるくらいげんきになりました。
みんなうれしくてなんにちもおまつりさわぎでした。
おとこのこは――――――――
「こ、これだぁ……!」
はっとなって慌てて手で口を塞ぐ。キョロキョロと辺りを見回すが、幸い近くに人はおらず少年、トド松はほっと息をつく。
三番目の兄に教えられ訪れた学園の図書館は人もあまり居らず、しんとしている。少し暗い雰囲気に怯えながらもトド松は本に視線を戻す。
トド松はページをいったりきたりさせながらまろい手で可愛いらしいノートに本の内容を書き写していく。最後のページに描かれたものを指でそっとなぞる。
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