雪解けぱきん ぱきん
岩の間に広がる青と舞い散る桃色の風景。
じくじく痛む左足首は自身の熱で少し溶けている。
まさか自分の熱で溶けるとは思ってなかった。
山々の雪が溶け、そろそろ山奥で次の冬まで引きこもる時期にこんな温かいところにいるのは一重に桜がみてみたかったからだ。
今年の桜は咲くのが早く、この気温ならギリギリみれるかなとオススメされた場所に足を運んだ。
結果、桜にみとれてた僕はうっかり足を滑らせて岩場の合間に落っこちてしまい今に至る。
どうしたものかと空を見つめてもただただ時間が過ぎ行くだけ。
仕方無いので、身を守るために小さい雪だるまを召喚しては自分の周りに配置する。
日が差し込んできたこともあり、最初の頃に作ったのは半分くらい溶けている。
このまま誰にも発見されず、ここにいたら間違いなく僕は溶けてきえる。
「それは…やだな…」
つづく