乳首当てゲーム「沢北、チクビ当てゲームするピョン」
俺の自室に来るなり深津さんが、突拍子も無い事を言い出した。
「え!? どうしたんスかいきなり」
驚く俺の言葉を最後まで聞かず、深津さんはもう一度先程と同じ言葉を重ねた。
あーこの人、何がなんでもする気だなこれは。
深津さんはベッドに座る俺の隣に腰掛け、ジッとこちらを見ている。いやいやいや、マジでやんの?
「先行は沢北からでいいピョン」
「俺に拒否権ないんスか!? マジ?」
「勝てたらご褒美あるピョン」
え? ご褒美? ご褒美くれんの…? 珍しいな、深津さんの方からご褒美なんて。ご褒美という深津からの魔法の言葉で、沢北はやる気になった。
「深津さんがそこまで言うなら、やりましょ!」
正直、沢北は深津の言うチクビ当てゲームなるものがイマイチよく分かっていなかった。沢北なりに解釈して、恐らく相手の胸の突起物をツンと押せばいいのだろうと、自身の両手人差し指を立てて、深津のチクビに狙いを定める。
「いきますよ?」
沢北は深津に一声かけてから、人差し指でツン、と深津の胸の二箇所を押した。しかし深津の反応は触る前と何も変わらない。いい線いっている気がしたのだが、どうやら外した様だ。
「ハズレ、交代ピョン」
「え~? 案外難しいね、コレ」
沢北はそう言いながら、やり方への言及が無かったので、間違って無かったんだと少しホッとした。
今度は深津が両手人差し指を立てて、沢北の突起物に狙いを定める。ツンと沢北の胸の二箇所を押すが、深津の指は突起から少しズレた横に着地した。
「んーハズレ、次俺ッスね」
沢北は、先程の箇所より一cmほど右に狙いを定め、ツンと胸を押した。ふっ、と深津の口から小さく吐息が漏れたのを、沢北は聞き逃さなかった。
「…ハズレピョン」
「待って、今当たりませんでした?」
沢北はもう一度同じところを押した。深津の眉が僅かに動く。ほら、絶対当たってる。
「深津さーん?」
沢北は伏し目がちな深津と目線を合わせながら名前を呼んだ。今度は親指で先程と同じところを強めにツンッと押す。
「沢北、お前の番は終わったピョン、次交代ピョッッ」
「ぜ――ったい当たってる!」
明らかに深津さんのリアクションがさっきと違う。間違いない。確信した沢北は、深津の肩を両手で押してベットに押し倒した。深津の胸に両手を沿わせ、今度は親指の腹でくりくりと小さく円を描く。
「ん…」
深津の吐息が漏れ出た。ほら、やっぱり当たってるじゃん。必死に逃れようとしてる。かわいいな、自分から言い出したくせに。
「当たったからご褒美くださいよ、深津さん」
深津の耳元でそう呟いた沢北は、深津の返事も聞かずジャージを下のTシャツごとめくる。あらわになった深津の胸の蕾を親指の腹で転がしたり摘む。
「っ、やめろピョ…んっ!」
「なんか今日感度良くないっスか? …実は期待してたとか」
フーッと蕾に息を吹きかけると深津の身体がピクッと跳ねる。調子に乗った沢北はもう止められない。深津の薄ピンクの蕾を口に含み、舌で転がす。
「んんっ…!」
深津は声を抑えようと口元を左手で覆った。右手で沢北の肩を押し返そうとするが、力が入らない。行き場の無い深津の右手が、シーツに力無く倒れる。
ちゅっ、と沢北が吸う度に身体はビクビクと跳ねた。口を離すと、吸われた左の蕾は薄ピンクからじわじわと紅く熟れている。
「ご褒美ご馳走様です」
そう言って離れていく沢北のジャージの首元を深津は引き寄せた。とろんと蕩けた瞳で沢北をじっと見つめる。
「どうしたんですか?」
にやけそうな口元を正しつつ、沢北は少し意地悪に深津に問う。
「はやく」
いつもより切羽詰まっている様子が、より一層沢北を煽る。調子に乗っておねだりをせがむと拒否されそうだから、ここは素直にいただこう。
「デザートも貰えるなんて、嬉しいッス」
沢北は、指先を深津の胸からゆっくり滑らせ、ジャージパンツのゴムに手をかけた。