ココナツ☀️フィーバー「そこの爽やかなお兄さ〜ん!寄ってらっしゃい見てらっしゃい!って、お〜やおやおやおやカー〜〜ヴェじゃぁあ〜りませんーのっ!お目にかかれて光栄で〜す〜わっ!見たところ夏の休暇ですの、ね?たまには息抜きをしないと素晴らし〜いお仕事にも影がかかるというモノ!そんなあなたが羽を伸ばすのにピ〜〜〜ッタリのものがあ〜⤴︎りまして〜よっ!!
刮目なさいませ!!海の家Sun good Maha Bay!!ここだ・け・の!!採れたて新鮮なココナッツ!!
ンフ、んふふふふ、な〜んと贅沢な事に、実からそのままジュースが飲めるタイプですのよ!リゾートのロマンと夢の象徴と言っても過言ではありませんわ〜ね?」
恋人とのバカンスで知り合いに会うなんて。しかも債権者。さっさと去りたいカーヴェ。
「やぁ、ドリー。君は本当に根っからの商人だね。お勧めしてくれたところ悪いが」
「ちょーっとお待ちなさいな!カーヴェ、あなたには毎度ご贔屓にしていただいておりますもの、日頃の感謝を込めて、なんと!今回に限り!まさかまさかの通常価格の50%オフ!!1杯40000モラ、実1つ30000モラで提供いたしますの!!この機会を逃すのは愚か者のすることですわ〜よ?いかがかしら〜⤴︎??」
「ふむ、実を一ついただこう。はいコレ、30000モラだ」
後ろからひょっこり出てきたアルハイゼン。
「アルハイゼン!?」
「まぁまぁまぁ!書記官様もいらっしゃったのですね〜?!お買い上げ誠に有難うございますわ!!さーっすが書記官様、お目が高いッ!」
「早く準備するといい」
「え〜え!今!すぐ!持ってまいりますわ!」
ドリーが店の裏に向かったその頃。
「なんであんな悪徳商人から買っちゃうんだ!絶対ぼったくりだぞ。ココナッツジュースの屋台なんてそこらじゅうにあるじゃないか」
「他の店は混んでいるし、彼女の店の商品の質は疑いようがないだろう」
「でも」
「相応の対価を払い、人混みを避けて高品質なものを楽しむ。当然のことだろう?まぁ、金があるからできることだが。」
「き、君ってやつは〜!!」
「あと普通に興味があった」
「それは仕方ないな」
カーヴェも好奇心には勝てない。学者だもの。だから追及はここまでにした。
「お待たせいたしました。”実1つ”ですの。」
「どうも」
「と・こ・ろ・で!その固〜いココナッツの殻、どうしたらいいか分からないでしょう?そこで!こちらの超!便利グッズ!カルクワレールはいかが〜?ココナッツはもちろんのこと、ナッツも割れる超優れモノ!サングマハベイ様監修のブランド製品!普段使いもバッチリなこちらの商品はなんと今だけ!」
「フン!!!!」
なんと指でストロー穴をこじ開けたアルハイゼン。
「さぁ、ジュースは君が飲むといい。俺は果肉を食べる」
「あ、ありがとう…?」
「ドリーも良い夏を!」
「それでは」
「アルハイゼンもちょっと飲むか?」
「飲んでみよう」
「美味いだろ?」
「そうだな」
「あー!もう全部飲んじゃったのかよ!」
「次は果肉を楽しもう。フン!!!!」
「おお!白くてぷるぷるだ!」
去っていく浮かれた2人を見て、色々な意味でクラクラ目眩を感じたドリーさんであった。
「…わたくしも天然のスポーツドリンクを飲んだ方が良さそうですわね」