新緑の棺人の心って庭のようなもので、感情とか記憶とか、そういったものが花になって咲いてるんだと思います。たまに様子を見に行かなくちゃすぐ荒れ放題になるところもそう。隣り合わせにしちゃいけない植物同士は離したり、逆に相性のいい植物同士もあったり、勿論剪定もしないといけないと思うんですよ。まあ、剪定は自動的に忘れていくことに近いのかなとも思うんですけど。でも時折思うんです。私の庭は、豪華に飾り付けるために花があるわけじゃなくて、たった一輪の花のための庭だったんだなって。
朝の5時だった。目が覚めたときにはすでにベッドに腰掛け、窓の外を見つめていた彼女に何をしているのかと聞けば、こちらを見ずにただ色々考えていて、と話しだしたのだった。
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