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    えくれあ

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    えくれあ

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    ふる〜てぃ〜ずの甘酸っぱく…少し苦い。
    そんな秘密の果実を頬張ってみましょう。

    ふる〜てぃ〜ず“ぶどう”「姉さんお腹すいた〜!」
    「私も〜!」
    「ちょっと待ってってば。」

     お気に入りの手作りエプロンを着て台所に立つ1人の少女。その裾をくいくいと引っ張るのはふたつの小さな手。その瞳は一生懸命に手を動かす“姉さん”の手元をじぃっと見つめている。

    「今日のお夕飯なぁに?」
    「僕、ハンバーガーがいい。」
    「私はねぇ、スパゲッティ!」
    「あんた達ねぇ、姉さんがたった今、米を炒めだしたのを見なかったんか?ん?」

     キャッキャとはしゃぐ小さな2人を振り返るのは、長くふわっとした藤色の髪。そのアメジストはキツい印象を与えるが、灯る輝きは優しく、妹たちを愛おしそうに見つめていた。

    「今日は姉さん特製のオムライス。あと卵を乗せるだけだから、スプーンとか兄さん用意しておいてよ。」
    「はーい。」
    「兄さんご飯だよ〜。」
    「今日は何?」
    「ぶどう姉さん特製のオムライス!」
    「お、いいねぇ、美味しいやつ。」

     紫生良ぶどう。ポームムに通う2年生。兄妹が多く、家のことは何でもやる真ん中っ子。そして、

    「「「いただきます。」」」
    「召し上がれ〜。」
    「あ、そうだ!今日ね、学校から帰る時にね、姉さん見たよ。またパトロール?」
    「あー……そうそう。」
    「あの服、ぱんつ見えそうだね。」
    「めくれても良いやつはいてるっての。」
    「色気ねぇな。」
    「兄さん、グリンピースほしい?」
    「とても可愛い妹だなぁ。」

     国を、家族を護るふる〜てぃ〜ずだ。

    「ただいま〜。」
    「あ!母さん!」
    「おかえり〜。」
    「ぶどう姉さん特製のオムライス食べよう。」
    「意外と美味しいよ!」
    「意外とってなんだよ。」
    「ぶどうちゃんはお料理上手だもんねぇ。あ、またメレンゲクッキー作ってよ。母さんあれ、とっても好きよ。」
    「ほんと?じゃあ早く帰ってこれた時に作るね。」
    「嬉しいわぁ。」

     2年前に父親を無くしてから、7人を女手1つで育ててくれている母親をぶどうは尊敬している。その母の少しでも助けになればと家事はほとんどやるようにしている。実際母親も助かっているらしい。
     家計の為にと猛勉強した結果と家族構成から、ポームムには学費免除で通えているが、戦士として選ばれてからもいつ帰れるか分からないと乗り気ではなかったが、「正しいと思うことをしなさい。」と助言してくれた母親にはとても感謝していた。

    「ぶどう、無理しちゃダメよ。」
    「それは私のセリフ。母さんこそ、詰めすぎないようにね。」
    「優しい子ねぇ。」


    ーー大丈夫。家族は私が護るんだ。
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