Recent Search
    Sign in to register your favorite tags
    Sign Up, Sign In

    tghgkun

    @tghgkun

    お互いに支え合う兄弟みたいな関係が性癖なのかもしれない

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 15

    tghgkun

    ☆quiet follow

    贖罪の前設定のやつ
    修学旅行の話

    短いし尻切れとんぼで読み返しもしてない

    束縛ラプソディ薄暗い部屋の中アッシュは啜り泣くルークの背中を摩り続けていた。
    普段ならばもう泣くなと止めているところだが、今回ばかりはアッシュもルークを止める気にはなれない。
    こいつは、あれほど楽しみにしていたと言うのに。

    「うぅ…どうして…!どうしてだよ…!」
    「ルーク…」

    傍に落ちているのは修学旅行のしおり。中身はぐしゃぐしゃに破られているが表紙は無事で、弟がどんな思いで地面に叩きつけたのかを物語っている。
    クラス会が終わり、帰宅してすぐ母から告げられたのは、やはり修学旅行には行かせられないという旨の内容だった。
    それを受けて弾かれるように弟の部屋に向かえば、聞こえたのは紙を一枚一枚破る音。
    ルークが、表情が抜け落ちたような顔でしおりを引き裂いていた。







    母は昔から保護過剰で、小学の頃も学校行事には殆ど行かせてもらえず、それは無論六学年時の修学旅行も同様であった。
    その時のルークの落ち込み様は凄まじかったが、だからこそ今回は何ヶ月も前から母上を説得し続けていたのだ。断られても断られても説得し続け、妥協に妥協を重ねて漸く一月ほど前に許可をもらえたのだった。
    勿論、アッシュも協力した。二人で練って勝ち取った修学旅行。だというのに、前日に、これは。

    「……ぁ」

    佇むアッシュに気が付いたのか、ルークは手を止めてこちらを向く。破いていたものを気まずそうに自分の背後に隠すと、無理をして引き攣ったような笑みを浮かべた。
    「おかえり。遅かったな——アッシュ」

    「…今からでも遅くない、母上をもう一度説得するぞ。まだ時間はある。急げば旅行の準備の時間だって」
    「無えよ。——ごめん、無いんだよアッシュ。もう母上が学校に連絡させたんだってさ。キャンセルも、させたって」

    代々政治家をしている自分の家が大きな権力を持っていることは重々承知している。
    学校が、例え前日だろうと突然の親の欲求を反対も疑問も持たずに呑んでしまうことも知っている。
    そもそも親の承認がなければ、自分達中学生は行くことができないのだ。
    ——父に相談したところで、そんなものに行く暇があるなら勉学に勤しめと言われるのがオチだろう。そもそも今日も帰らず、どうせ連絡も取れないはずだ。

    「ごめんなあ、アッシュ。一緒に説得するために色々考えてくれたのにさ。今日のクラス会だって修学旅行の話だったんだろ」
    「気にするな。——母上、過保護だ過保護だとは思っていたが…」
    「仕方、ねぇよ。親父があれだしさ。…さっき母上と旅行について話したときも、顔を青くして倒れそうだったんだ。それを見たら恨み言一つも言えなくなっちまった」
    「…仕方無いなんて言うんじゃねえ」

    痛くなるほど、拳を握る。
    弟はここまでずっとヘタクソな笑みを浮かべたまま喋っていて、それがアッシュの神経を抗いようもなく逆撫でする。

    「…アッシュ?」
    「お前の、お前の本当に言いたいことはそんなことじゃ無いだろう」
    「…だけど」
    「構わん、何のためにわざわざお前の部屋に来たと思ってる。——母上に言えなかったんだろう?恨み言が」
    「っ」

    ルークの表情がみるみるうちに崩れ、目に大粒の涙が浮かんだ。
    それを溢すまいと必死に耐えていたようだったが、一つ、また一つと決壊していく。
    アッシュはそこで漸くルークに近寄ると、そっとルークの背を摩った。

    「う、あ…おれたち今回、今回は行けるようにってがんばったのに…っ!おれ、がんばったのに…!!」
    「ああ」
    「なんで…!どうしてこんな急に!!いつもいつも、毎回毎回!皆と楽しめなくて!!」

    弟がわんわんと、まるで小学生のように大きな声で泣く。ある意味当然だろう、小学生の頃からの悲願だったのだから。
    踞って地面をどかどかと拳で殴り、どうしようもない怒りを、泣き声を殺す。
    泣き喚いて泣き喚いて、その中には普段なら弟から聞かないような苛烈な言葉もあった。
    普段から押さえていたであろう不満が、ちょっとした愚痴では解消されないようなストレスの数々が口から飛び出していく。

    「今回はティアと一緒の班で、回るのが本当に楽しみだったのに…!一緒に土産も選ぶって約束も、したんだ…!」
    「…ふん、班を一緒にするためにくじ引きの時男共で協力しやがって。バレてたんだぞ」
    「ぅ、へへ。さすがアッシュ、だな。バレてたのか」
    「お前が表情に出過ぎなんだよ」

    啜り泣きの中に笑うような吐息が混じる。ルークがやっと顔を上げたと思えば、その顔は泣き腫らして真っ赤だった。真っ赤な顔に、僅かだが笑みが浮かんでいる。
    今度は、ちゃんとした笑み。

    「...あーあ。高校の進路先がティアと違うから、何とか一個でも思い出作りたかったんだけどなあ。家に帰らないで三泊ってのも味わってみたかったし」

    口を尖らせ、戯けたような拗ねたような表情でルークが呟く。
    確かに、自分達は今まで一度も家以外で朝を迎えたことがなかった。
    いや、一度父の選挙運動に呼ばれて”使われた”際、移動が長かったために車の中で一緒に寝たのを覚えている。心配性極まる母も勿論着いて来ていたが、それでも車内で寝たのは特別感があって楽しかった。

    「…いや、俺は諦めねえぞ!次の修学旅行こそ絶対に行ってやる!」

    縮こまっていたルークが突然立ち上がると、カーペットを握りしめていた拳を天に振り上げた。
    その様子にアッシュは淡い笑みを浮かべる。

    「ああ。お前はそれくらい馬鹿な方が似合ってる。今回だってもう少しだったんだ、次こそお前ならやれる。今度は使用人にも根回しをして、修学旅行を勝ち取れ」
    「っへへ!アッシュ、ありが...待て、今俺のこと馬鹿っつったか!?」

    当たり前のことに引っ掛かり怒るルークを部屋にそのままに、アッシュは部屋から出て扉を後ろ手に閉める。






    アッシュは表情をいつものしかめ面に戻し、見慣れてしまった無駄に広大な家の虚空を複雑な感情で睨んだ。沸々と湧く怒りを押し殺す。
    「俺達はいつまでこんな...」
    吸い込むような無音の中、ギリ...と噛み締めた歯の音と、扉から離れていく足音だけが虚しく響いた。
































    本来なら、ルークが今度こそ修学旅行に行ってやる!と決意する前にアッシュが誘って二人で勝手に隣町へ一泊旅行させるつもりだったけれど、何が贖罪のシナリオに抵触するかわからないので端折った。
    政治家の父の名前と自分たちの見た目を存分に利用して、補導やホテル拒否を難なくかわしてお泊まりする二人。本当はもう一泊する予定だったけれど母が心配だとルークが言うため帰ってみれば、途端母に抱きしめられる赤毛。
    どっちが家出(旅行)の首謀者か聞かれてアッシュが名乗り出て、「ルークはお願いだからそんなことを考える子にならないで」と泣きつかれて「...うん」って言わざる得なくなる胸糞エンド予定だった。
    けど、何処まで抵触するかわかんなくてね!!!!!!!!!!!!!!!!
    本当ならルークに「高校生になったら今度こそ一緒に修学旅行行こうな!!約束だぜ!!」と言わせたかったんだけど、もしこの約束をしたらきっとアッシュは破らないな...と言う気分になってとても微妙なところで終わってしまう小説になりました。

    ちゃんちゃん
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    🙏😭😍💴
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works