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    みやもと

    @1e8UANtebd93811

    文置き場

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    みやもと

    DONEリュパン/パートナーに救われる話
     数多の敵を斬り続けた所為で剣を握る手が震え痺れている。どうにか感覚を失わないようにと改めて強く握り直し、リュールは耐えるべく奥歯を噛み締めた。
    「……っ……」
     辺りにはまだ多くの異形兵が群れをなしている。警戒を怠らず神経を張りつめさせたままでいるが、果たしてこの集中がどこまで保つだろう。は、と耳をつく荒れた己の呼吸が煩く感じ、それを思考の端に追いやるようにひとつかぶりを振った。
    「かなり厳しい状況だね……」
     リュールを案じマルスが声をかけてくるが、ええ、と頷くのが精一杯だ。マルスの力を借りてもどこまで踏みとどまれるか、明るい見通しは立ちそうにもなかった。
     数に物を言わせた敵の攻勢。想定外の攻撃を受けながらも仲間たちと力を尽くし戦い続けたが、体勢が整わぬままでの攻撃と何よりあまりの敵の多さに押され次第に皆に疲労が色濃く見え始めていた。劣勢に追い込まれている状況をどうにか打破すべく、仲間たちの制止の言葉を振り切りリュールは一点突破を試みて自分の元へ敵を引き付けることに成功した。その間に仲間たちの安全を確保し、かつ反撃に転じるための体勢を整えてくれればとの考えからだ。
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