纏う香りは貴方の匂いに「ジェイド。これを」
「…急に呼び出したかと思えば…何です、これ?」
「コロンです」
「コロン…?」
VIPルームに呼び出されたジェイドは、自分の手の中にある小瓶を不思議そうに見た。
アズールから渡されたそれは、どうやらコロンだそうだ。
「僕のがなくなったついでに、お前のも頼んだんです。これも身だしなみのひとつ。お前用に調香してもらった特別製です。使いなさい」
「お気持ちはありがたいのですが…フロイドが苦手かもしれないので」
「…ルークさんの件ですか?あれはただ匂いが強かったか合わなかっただけでしょう。実際、僕だってコロンを付けていますが、フロイドに臭いとは言われたことがありませんよ」
「…確かに」
「折角頼んだし、物は試しです。使ってみなさい」
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