野球しようぜ!「世一!ベースボールするぞ!」
「誰だあのバカに日本の国民的アニメを見せたのは」
俺か
オフシーズンで暇をもてあそぶ皇帝の一過性のブームかと思われたがなぜかそんなことはなく。
まさか数ヶ月後野球をするために東京ドームに立つなど、この時の俺は1ミリも思っていなかった。
「両チーム選手入場です!」
「先頭のカイザー選手、旗を持って元気に入場です」
「敵味方みんな縦1列で入ってくるんすね」
「あーカイザー選手、WBCの動画見たんですかねニヤリと挨拶しましたね」
「だとしても誰に挨拶したんでしょうか?選手全員後ろにいますけどね」
「カイザー選手、今日の意気込みをお願いします」
「今日は俺のレーザービームを炸裂させます」
「ニッポンの野球カッコイイ名場面集動画でも見ましたかね?」
走る千切をみたカイザー
「おい、おい、世一、ニッポンは何をしてる?あいつをはやくスカウトしろ、第2のシュウトウになるぞ」
「あいつはサッカー選手なんだよ」
「は?俺のチームに来い、最強の野球チームを作ろう」
「野球どハマりしてんじゃねーかサッカーやれよ」
「そもそも1チーム3人じゃ少ねーだろ!!満塁になったらどうすんだバカイザー!!」
「俺が出ます」
「御影選手が!?」
「潔の代打は俺だよ♪」
「蜂楽選手、向こうのピッチャーやってませんでしたか?」
「どういうこと?」
「日本サッカー協会から、日本人選手に怪我をさせたらマニアックな法律で逮捕しますとのお達しがきてますね」
「はぁ、マニアックな法律ですか」
「バスタードミュンヘンからはうちの選手に怪我をさせた場合膨大な違約金が発生するだろうと」
「ほう」
「これらを受けて今回は野球ボールではなくソフトボールに変更しました」
「企画をやめればよかったのでは?」
「御影選手、生放送です」
「というか潔選手が怪我した場合は?」
「ええ、リスクが大きすぎるので潔選手には屈強なボディーガードが2人つくことになりました」
「ほう」
「万が一ボールが飛んできてもボディーガードがキャッチします」
「あいつ引っ込めた方が良くね?」
「御影選手、生放送です」
「そんな犠牲払ってまでやりたい企画なんですかね」
「クッソ喰らえ」
「あーーーーっと!!カイザー選手、なんと投げられたボールを蹴りましたーーー!!これがカイザーインパクト!」
「カイザーインパクトだ!!!」
「ヒュウ!カイザーやっるぅ!!」
「蹴っちゃったの!!!!?」
「この角度、この方向、この向き、ドンピシャ!ここだよね、はじめましてニッポン」
「方向の話しかしてなかったな」
「はじめましてじゃねーだろ」
「痛…ッ」
「カイザーインパクトを受けた凪選手の足…あーーーっと倒れてしまいました」
「凪ーーーーー!!!!!」
「御影選手が飛び出していきましたねぇ」
「凪の足が!!!おい!!俺の宝物だぞ、救急車を呼べ!?」
「…れお、俺たちの夢…叶えてよね…」
「な、凪ーーーー!!!!」
「凪選手が怪我…ということは…まずいですね、マニアックな法律で逮捕されるということで」
「……俺もやった」
「カイザー選手脚やっばい色してませんか!?」
「カイザーーーーーーー!!!!!」
「この時点で我々マニアックな法律でしょっぴかれつつ莫大な違約金を抱えること確定!!!」
「アッもう逮捕!?中止ーーーー!!!!!!ここまでーーーッ!!!」