数年ぶりに、どうしても竜の一族直系として出席をせざるを得ないパーティに出てみれば刺さる好奇の視線と、その視線から守るように私の側を片時も離れない父に打ちのめされた
―私だって好きでこんな風に生まれたんじゃない!―
―私は、竜の一族の末席になんて加わりたくなかったのに―
選べなかった生まれ
―御父様は、ずっと私を守るおつもりですか?―
―私は、ずっと守らなければいけない子供なのですねー
父を私の一生の道連れにしてしまう恐ろしさ
だから
だから
月のきれいな夜に、使い魔のジョンだけを連れて抜け出したのだ。
―私が居なくなれば、すべて上手くいきますかー
まあ
それでも私は私でしかなく
とかく死に易い身体は東京にほど近い(新幹線一駅分である)シンヨコで
砂になったわけだが
ぬーぬーと私の塵に縋りつき、塵の一つも風に吹かせてなるものかと守ってくれるジョンにも、いっそ「もういいよ・・・」って言ってしまおうと思った時
『どうした?』
真っ赤な衣装に、月明かりをはじく銀の髪に真っ青なスカイブルーの瞳の男が、ジョンに手を刺し伸ばした
『ん?ご主人様とはぐれちまったのか?』
片膝をつくようにしゃがんでジョンに話しかける若い男に、ジョンは警戒心もあらわにしたけれど
『そっか。一人は怖いよな。よし、俺がお前のご主人様を探してやるよ』
そういって一匹(+塵)を抱きかかえた
『その、砂は必要なのか?』
「にゅん」
『そっか、じゃあ大事に持って帰ろうな』そういってジョンがマントに来るんでしっかりと握りしめている私を、落とさないようにと触れた掌は人間の温度だった。
※略
「おかえり」
今日の業務を終えて、カメ谷のインタビューを何とかかわしつつ、事務所に帰れば一秒で吸血鬼と相対とか佐〇のご飯じゃねーんだぞ。
「だれだ!?てか出てけ!!」
反射的に叫びながら聖なるハエ叩きもどきの退治グッズで叩けば
一瞬にして崩れる身体に、どこかで見た塵が「待って、とりあえず理由とかを聞いて」と喋りながらもナスナスと人型に戻ってくるのいとキモし。
※みたいな感じで、ドちゃと同居するロナ君
その後は煽って煽られて
怒って泣いて笑っての日々なので略!!!!
『お前って何しても復活するよな』
『畏怖いかい若造』
『畏怖くはねぇ。まあその弱さなら悪いこともそうそう出来ねえしな。とはいえ
お前は楽しければ吸血鬼の弱点も克服するし、死なねえのに、こうやって『人間』ともダチになれるのは強えな、とは思うけどな』
『・・・・若造が素直過ぎて惚れちゃいそう』
『茶化すんじゃねーよ』
『そっちこそ普通に流すんじゃない!』
『・・・・・・ちょっとタイム』
『幾らでもどうぞ』
『10年ぐらいは気が付かないふりがしたい』
『幾らでもっていったけど限度があるだろうが!』
『だってお前俺が好きなの!?』
『・・・・・・・・耳の穴かっぽじって聞けよ。』
みたいなやり取りしてほしい
で色々あって一回別離するんだけれど、そのあとに正式に竜の御曹司としてロナ君の前に「迎えに来た」ってバラの花束持ったドちゃんがいてほしいし
「俺がこんなに花貰ってどうするんだよ。ほらこんないいバラだったらさぞ美味しいだろ」ってバラの花束から一本をドラちゃんに差し出すロ君は居てほしい
(バラの花束を受け取って一本返すのがプロポーズOKの意味とかあった・・・筈)