聡実という人物は、狂児が知るこの世の何よりもどれよりも綺麗の粋を集めたような人であった。
白磁の肌に、完璧に配置されたそれぞれのパーツ
けぶるような睫毛にも隠しきらない濁らない冴えるような瞳、薄い赤い唇、体つきだって・・・いやいや、こんな事言うと容姿だけかいな、と言われそうだけれどそうやない
そんなパーフェクト容姿に加えて
透明感のある歌声も
落ち着いたテンションで話す声も、綺麗としか言えないし
その声で、自己の主張をするメンタルも最が高すぎるやん
だから思うのだ
天が与えすぎるから駄目なんやん、と。
ぴかぴかきらきらし過ぎるからこんな荒くれもんに目ぇつけられてしまうやんかぁ、なんて。
自分の掌を見れば血と土煙に濡れて
どうひいき目に見てもばっちい。
そのばっちい手なのに、あの子に触れようとする心は止められなくて
否、ばっちい手だからこそ、ばっちい己だからこそ、綺麗なモノに心を惹かれてしまうのかもしれないけれど
どちらにしても
「そろそろ、潮時やなぁ」
友情ごっこ
青春ごっこ
きらきら光る人に
ぴかぴかに光る日々
だけれどいつかは醒めなければならないのなら
「もうすぐ春やしなぁ」
「