※業務でお偉方と腹の探り合いの会合で飲酒したドちゃを迎えに行く備品ロナのお話
希美さんからの緊急連絡(子供ケータイ)『助けてロナルドさん』に急いで駆け付ければ、そこに居たのはべろべろになった30代後半公務員が居た。
「はぁ~~~~???」
公共交通機関は無理
タクシーは匂いで酔うから却下
部下に抱っこおんぶされるのは嫌
散々嫌々をした後でこの酔っ払いは言ったらしい
「こういう時の『備品』でしょ」・・・と
備品(意):業務上の必要なものとして備え付けてある物(タイトル)
背中に軽すぎるうえに、洗濯板ですかねぇ?とがつがつ骨が当たる身体を背負って、夜道を変える。
暴走族も飲み会の酔っ払いも引き上げたような道の静寂で、背負った酔っ払いの声だけが静寂に響く
「フフフ。君が『備品』だって!おクソ野郎共とのおクソにもならない『お話合い』だって、してみるものだねぇ。だって君はこれで私の物だと認めさせることができたからね。ファ~~~~私最高!」
「ウルセエ!夜だし静かにしてろって。ついでに言えばお前じゃなくて「吸血鬼対策課」の備品なんだっつの」
「正しくは「吸血鬼対策課ドラルク隊」の備品ですぅ~~~。さてドラルク隊のトップは誰だね?」
「・・・・・」
「沈黙は金とは、頭がいい子だね。だけれどその沈黙こそが答えであり正解だよ。」
「くそったれ」
「ふふ。言葉が汚いなぁ。ロナルド君。エイエイ!お仕置きだ」
首に絡んでいた細い腕に力がこめられると喉仏を圧迫して俺の反論を許さないソレ。
本当に性質が悪い。
悪い大人
「君がどう思おうと、君が人間と一緒に居たいと願う限り、君は私の備品だということを肝に銘じておくがいいよ。ああ、私は優しい所有者だから安心してくれたまえ。いつでも側に置いておいて、君がひとかけもしないように手入れだってしてあげよう。君が望むように使って、君の畏怖欲すらも満たしてあげるからね。」
悪い大人は片腕はまだのどぼとけを圧迫したまま、慰撫するように片手だけを俺の頬を沿わせるという悪行を重ね「そして私が居なくなる時には、一緒の棺に入れてあげよう。今度こそ・・ね?」耳元で睦言のように囁いた・
本当に
心底
悪い大人