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    2話で足撃たれて、デの犠牲になってくれる人好きなんで掘り下げたかったんですけどなんか違うかも!!ま、いっか!!

    (誤字脱字許して)

    怪談話をしよう!「怪談話?」
    「ええ!季節的には夏ですし怪談話をするのが職員の間で流行ってまして!」
    所長は割と怪談話が好きなのかウキウキとデルウハに話しかけてきた。
    「デルウハ殿もなにか怖い話ありますか?」
    「そうだな…1つ話すか」
    「おおっ!デルウハ殿はなんだか身の毛もよだつような話をお持ちなようで楽しみです」

    デルウハは飯を食べながら所長に話を始めた。



    ※ ※ ※



    「隊長!デルウハ隊長!!」
    子犬のようにしっぽを振り慕ってくれる部下が1人いた。
    彼は、親を化け物に殺されて復讐したいという思いから軍に入ったらしい。
    だが、軍隊というところにはいまいち馴染めず上官からは酷くあたられ同じ階級の先輩からはいじめを受けていた。
    軍隊ならよくある話のこと。
    厳しい状況下で、誰かを蔑んだり、罵ったり、しなければやっていられない奴らが多数いる。
    この場合、全員何らかの被害が出ると判断した時は殺してきたのだが、特段任務には被害が出なさそうな、彼に対してのただの陰湿ないじめを何度か見ていた。
    ある日、路地裏で虐められているところをまた目撃したが、「まあ、人目につかないところで虐めるのならそこまで指揮は下がらないだろう」と思いこの場合は無視が1番!と思った。
    だが、真っ直ぐにコチラを見て、「こんなところでは死ねない。化け物にも、人間にも殺されてたまるか。死に場所は自分で選ぶ。」なんて目をされて直感的に「ああ……コイツは使える」と思った。
    悪癖だのなんだの言われるが、いない方が円滑に進むのであればやはり殺した方がいい。
    その殺しにおいても、やりすぎてしまったらボロが出る時がいずれあるだろう。
    俺を庇い、従順で、尊敬し、犠牲になって俺のために死んでくれる人が丁度欲しかった。

    「おい。そこで何してる」
    「見て分かりませんか?罰を与えてるんですよ」
    「罰……?」
    「ええ。コイツの目ムカつきませんか?化け物共を殺せるなら、俺らにだって従順になるていう目。まあ便利ですけど、その目が気に食わない。どこか俺を見下しているその目がなァ!」
    ドガッと強く鈍い音が響く。
    思いっきり腹を蹴られ嘔吐している。
    こんなにも蹴られたら明日出動できる人数が減る。
    「そこら辺にしておけ。あとは俺が言って置く」
    「ハァ…まあ隊長の命ですから聞きますけど、本当にそいつムカつきますよ。デルウハ隊長もどうかお気をつけて」
    何故こいつは少し上から目線なのだろうか口引き裂いて殺すぞと思ったが、今はいい。
    早く持ち場に戻れと手で追い払った。
    「ありがとうございます……」
    「あー……。その、なんだ。救護室行くか?」
    「いえ、結構です。デルウハ隊長の手を煩わせることはありません。見た目に反してそこまで悪くありませんし、すぐに持ち場にもどります。」
    「そうか」
    「……あの」
    「なんだ」
    「どうして今回は助けてくださったのですか」
    何度か無視した事がバレておりどうしたものかと少し考える。
    「そうだな、今回初めてお前の目を見た」
    「目……ですか」
    「あぁ、アイツらは気に食わないだのなんだの言っていたが、俺はいいと思うぞ。お前のその全員殺してやるって目。軍人には少ならからず必要だろ」
    「…………。」
    彼は黙った。
    この男にどこまで素性がバレているのか分からないからだ。
    だがしかし彼も彼で、この目をいいと言ってくれる人がいることに驚いていた。
    そういえば聞いたことがある。敏腕な指揮官がいるという噂を、この人の指示に従えば1匹でも多くのイペリットを殺せるのではないのかと思った。
    「無理を……承知でお願いしたい事がございます」
    「ほう」
    「貴方の隊に入れていただけませんか?」
    「それは俺にメリットがあるのか」
    「今の所は、無いと思います」
    「今の所は?」
    「はい。雑用でも部屋の掃除でも何でもやらせて頂きます。ですので…デルウハ隊長のその腕をお貸し頂きたいのです。俺に、1匹でも多くのイペリットを殺す技術と知識を教えて欲しいのです!」
    真っ直ぐと、こちらの目を見てそう言った。
    どの道助けたのだから、借りを返せ的な事で、隊に入れそこから徐々に手懐けていく予定だった。こんなにも好感度がすぐに上がり、使えるようになるとはコチラからも願ったり叶ったりだった。
    思わず少し笑みがこぼれそうになる。
    「何でもと、言ったな」
    「はい。なんでもやらせていただきます。ですのでどうか俺を……!」
    「ああ、いいぞ。申請はこちらから出しておく」
    「え!ほ、本当ですか!?ありがとうございます!!」
    「俺の名はまあ知っていると思うがデルウハだ。よろしく。」
    そう手を差し出した。彼は強くデルウハの手を握りしめた。



    隊に入れた時はよく動く奴。という第一印象だった。
    周りを見て次に何をすればいいのかを自分で判断し、行動し、今まで虐められていたところしか見ていなかったが、人とのコミュニケーションも勉強したのか努力し、上手く取り入って隊とも打ち解けて中々に使えるやつになっていた。
    次の作戦では虐めていたヤツら2人がいる隊と、合同作戦ということが知らされていた。
    彼の動きと成績が今までとは段違いに伸び、褒められることも増え、他の隊にもその噂は広まっていた。
    だからこそいじめっ子どもはよく思わないだろう。
    「……消すか」
    こいつといじめっ子を比較した場合、確実に使えるのはうちの隊の奴らで、違う隊の数人がいなくなろうとも支障はなかった。
    彼が備品整備をしているところに声をかける。
    「デルウハ隊長!なにか御用ですか?」
    「あぁ。ちょっとな。」
    近くの作戦時に使う天幕の中に呼び話をする。
    「あの時の2人をどう思う?」
    「どう…とは?」
    「いや、次の作戦でお前を虐めていた奴らとの合同作戦になった。そこで一応確認をしたくてな。」
    「あぁ、なるほど。特段問題ありません。確かにあれは今思えば酷いことをされたと思いますが、こうしてデルウハ隊長の元につき、今までとは比べ物にならない数のイペリットを殺せました。私はそれだけで十分です。」
    彼は苦笑いを浮かべていた。気にしていないというのは本当だとしても、心のどこかに強く根付いた感情はそうそう払拭できるものでは無い。
    この表情から、またあの時のようなことをされいつものポテンシャルを出せないのであればやることは1つだった。
    「そうか。手間を取らせたな。備品整理に戻ってくれ」
    「はっ!」
    彼は天幕を出て備品整理に戻っていった。
    いつがベストだろうか。
    殺るなら早い方がいい。
    明日は作戦の日だ。証拠も隠滅しやすいだろう。

    その晩。飯も食い終わり「さて」と重たい腰をあげた。





    22時00分
    男が運転席に座る。
    「こんなの明日やればいいだろ。デルウハ隊長も本当は仕事できないんじゃねーのかよ。車の不調ぐらい自分で直せよな」とぶつくさと言っている。

    22時02分
    ルームミラーに影が映る。
    なにか見間違えだろうと作業に戻る。

    22時05分
    また影が映る。
    今度は見間違えなどでは無い。
    ハッキリとそこに運転席に伸びる手が1つある。
    「誰だ!!」
    大きな声出し、後ろを振り返る。
    だがそこには誰もいなかった。

    22時06分
    ガチャンと音がした。
    やはり何かがいる。
    その得体の知れない「なにか」がいる恐怖に耐えられなくなり、外に出ようとする。
    だが、ドアは開かない。
    逃げれない。
    恐怖からパニックに陥る。

    22時07分
    何度も何度もドアをガチャガチャと押すが開かない。
    交互にルームミラーとドアを見る。
    ルームミラーには手が写っていたりいなかったりと、振り返る度に変わる。
    冷や汗が止まらない。
    瞬間。
    強く肩を掴まれ、呼吸を荒くしゆっくりと振り返る。
    「な、なんだ、なんなんだよ…!!」

    22時08分
    「さあ。きっと悪魔がイタズラでもしたんだろう」

    22時09分
    鈍い音が響く。

    22時10分
    車のライトが点灯し、急発進する。

    22時11分
    またしても鈍い音が響く。



    22時25分
    雪を踏みしめる音が、遠のいた。




    ※ ※ ※


    次の日急きょ作戦が変更になった。
    近くでイペリットが出たらしい。

    砲を構えて、いつも通り遠距離から攻撃をする。
    だが、その日は運が悪かった。
    近づいてくるイペリットを撃ち漏らし、接近戦になってしまった。

    こんな化け物と近距離戦は死を意味する。
    真っ先に隣の部下の足を撃った。
    「た、隊長…?」
    それはあの時拾ってきた虐められていた彼だった。
    「そんな、、そんな!!!酷いですよ!隊長!信じていたんです。隊長の事を誰よりも信じていたのに…!デルウハ隊長​─────」
    撃ったあとは振り返らず即座に逃げた。

    「ほら、前言ったろ?俺はたまたま部下より早く逃げれる状況だったってな」

    「あ、ああ……」

    所長は声も出ずにいた。
    出会ってすぐの時にイペリットとの近接戦においての裏話が、こんなにも怖いものだとは知らなかった。
    デルウハ殿が軍にいた頃、何回こんなような殺しをしてきたのだろうかと、考えるだけで血の気が引くような気がする。
    やはり、この人とは手を組んではいけなかったのではないかと、何度目かも分からない後悔がよぎる。
    そして、夏だからと下手に怪談話なぞするんじゃなかったとも思った。

    「肝が冷えたか?もっと効率よく使える男だったんだがな。勿体ないことをしたと今でも思う。まあ……怪談というか実話だかな」

    デルウハはパンを頬張りながらそう言った。





    殺している時の補足
    いじめていた奴は2人。
    予め明日の作戦で物資運搬をする1人には22時に車の整備を頼んだ。
    明日の物資運搬で使うが車が不調なことを伝え忘れていたから整備を頼みたい。
    飯を食い終わってから軽く確認だけでいいからと言っておいた。
    その後、車の後部座席に隠れていたデルウハに斧で惨殺される。

    そしてもう1人は、「いじめていた奴を車の前に呼びおせておくから、お前の好きにするといい」とそそのかしておく。
    そいつはニヤリと笑い「隊長もあの目が気に食わないんですね」と言う。
    案の定ノコノコとやってきたそいつはキョロキョロと周りを見たあと瞬間ライトの光で目が眩んだ瞬間轢き殺される。

    その後、死亡確認をとり証拠隠滅。
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