Recent Search
    Create an account to secretly follow the author.
    Sign Up, Sign In

    mitotte_kazu

    @mitotte_kazu

    自機ルガオスとエタバン相手のヴィエラとかよそよその話とかNPCよその話とか置いとく場所。
    リアクションとても嬉しいですありがとうございます

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 82

    mitotte_kazu

    ☆quiet follow

    前に上げた抱擁と繋がる気もするけど個別で楽しめる(といいなあ)🦍と🐇の短い小話

    #ディンエラ

    包容 特に大した事ではない事象を思い出したり、連日周囲に振り回されてしまうと自覚しない内に疲労が蓄積してしまうようだった。自覚していない内の蓄積というのがたちが悪いもので、少し腰を下ろしぼんやりと休むことにする。
    「何してんの?」
     突然姿を現したヴィエラに驚くこともなくちょっと休憩を、と返した。ルガディンの返答にふぅんと呟き、その隣にちょこんと腰掛けて彼女は悪戯っぽく笑う。
    「確かに疲れた顔してる」
     頬杖をついてにんまり笑った彼女にバレるぐらい顔に出てしまっていたようだ。つられて苦笑する。

    「おっぱい揉む?」
     休憩を終えて2人で気分転換にダンジョンを回っていた時に不意に彼女が言った。動揺のあまり帰還させてしまったフェアリーを再度召喚しながら、急に何事かと尋ねる。
    「疲れた時にはおっぱいが効くと聞いたのを思い出して」
     ふにふにと自身の胸を押し上げるように触れながら、彼女がしれっと答えた。どう答えたものか、と閉眼して少し考え込んでいると嫌いだった?と首を傾げられる。 
    「……嫌いじゃないが……」
     返ってくるであろう言葉に予想が付きつつ答えると、案の定楽しそうな彼女にむっつり、と返された。だろうな、と苦笑しつつとりあえずダンジョン内でする会話ではないだろうと諭し、歩みを進める。
     ダンジョンから脱出し、宝箱から得たものを換金などしている内に日が落ち暗くなっていた。とりあえず休むか、と宿屋に足を向けると彼女もてくてくとついてくる。何か用事があるのだろうかと思いつつ、客室まで向かう。客室の扉を閉め、ベッドに倒れ込もうとすると腰をつつかれた。
     振り返ると見慣れたヴィエラが立っており、理解も追いつかないまま一呼吸置いて何事かと尋ねる。
    「さっきの答え聞いてないなって」
     さっきの答え?と首を傾げ、ダンジョンでの質問を思い出す。どうする?と露わになった豊満な胸元を軽く叩く彼女にお構いなく、と手を差し出して答えた。えぇ〜、と間延びしたどこか残念そうな声で彼女が唇を尖らせる。
    「減るもんじゃないからいいのに」
    「そういうもんじゃないだろう」
     反射的に返したルガディンが溜息を吐いてベッドに腰を下ろした。危機感がないというか、こういうところがあるのだ。それでも心配して気遣ってくれる優しさは伝わって来るので礼を述べようと顔を上げる。

     その瞬間腕を広げいつもの笑みを浮かべた彼女が視界一杯に広がった。驚いて目を見開いてなにもできない内にぼふりと胸に顔を埋める形で彼女に抱き締められていた。息苦しいぐらいの力で抱き締めていた腕の力が少し緩み、労わるようにぽんぽんと後頭部を撫でてくる。顔を覆う胸の感触や温度に数回瞬きしてから小さく礼を述べるとどういたしまして、と楽しそうに返された。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    mitotte_kazu

    PASTヴァレンティオンを満喫している🦍と🐇の短いお話
    贈呈 毎年恒例になりつつある、海都でのヴァレンティオンの催事場巡りに今回も付き合っていた。ヴィエラに付き添っていただけの当初に比べて多少慣れてきたルガディンも、露天を覗き見比べる余裕が出来てくる。
    「これは今年の新作か」
    「そう〜!去年から定番になったこっちも美味しいよ!」
     少しわかってきたと思っていたが、やはり彼女の知識量などには勝てない。真剣な顔で次の店の品定めをする彼女の手から、戦利品の入った紙袋を苦笑しながら受け取った。ありがと、と身軽になった身体で手早く会計をすませる彼女を遠巻きに眺めていた。
    「ここの好き」
     何軒目かを巡っていた時に彼女が呟いた店のチョコレートや包装に見覚えがあった。以前貰ったものだな、と何気なしに視界に入った価格を二度見して、目を剥いてしまう。横に書かれた説明を流し見て、ブランド物のククルビーンを手間暇かけて加工してウルダハで販売している有名店だとようやく把握できた。通りで高価で美味いはずだと1人納得している横で、また真剣な表情で陳列されている商品を吟味している彼女が頷いた。これとこれください、と慣れている彼女の指がチョコレートの上を滑っていく。彼女が選んだ商品が丁寧に包まれていくのを眺めながら、パッケージまで可愛いな、などと思った。
    805

    related works

    mitotte_kazu

    PASTヴァレンティオンを満喫している🦍と🐇の短いお話
    贈呈 毎年恒例になりつつある、海都でのヴァレンティオンの催事場巡りに今回も付き合っていた。ヴィエラに付き添っていただけの当初に比べて多少慣れてきたルガディンも、露天を覗き見比べる余裕が出来てくる。
    「これは今年の新作か」
    「そう〜!去年から定番になったこっちも美味しいよ!」
     少しわかってきたと思っていたが、やはり彼女の知識量などには勝てない。真剣な顔で次の店の品定めをする彼女の手から、戦利品の入った紙袋を苦笑しながら受け取った。ありがと、と身軽になった身体で手早く会計をすませる彼女を遠巻きに眺めていた。
    「ここの好き」
     何軒目かを巡っていた時に彼女が呟いた店のチョコレートや包装に見覚えがあった。以前貰ったものだな、と何気なしに視界に入った価格を二度見して、目を剥いてしまう。横に書かれた説明を流し見て、ブランド物のククルビーンを手間暇かけて加工してウルダハで販売している有名店だとようやく把握できた。通りで高価で美味いはずだと1人納得している横で、また真剣な表情で陳列されている商品を吟味している彼女が頷いた。これとこれください、と慣れている彼女の指がチョコレートの上を滑っていく。彼女が選んだ商品が丁寧に包まれていくのを眺めながら、パッケージまで可愛いな、などと思った。
    805

    mitotte_kazu

    PASTバレンタインなのでチョコ渡す🐇さんとチョコ食べる🦍の短い話
    片割 この海の街にもイベントの余波が来ているようで、浮ついた雰囲気が漂っていた。幸せそうな人を見るのは嫌いではないが、この空気の中独り歩くルガディンはどこか居た堪れなさを感じていた。
    それでもイベントのおかげで普段ならあまり手を出さないようなチョコレートが並んでいる店頭を眺めるのは楽しいものだった。買ったところで勿体なくて食べられないのは目に見えているし、貧相な自身の舌はどれを食べても美味しく感じるのだろう。折角だからと思いつつ平凡な板チョコレートを手に取る。と、掌からチョコレートが消えた。目線を掌から上げるとルガディンから取り上げたチョコレートを興味深そうに眺めるヴィエラがいた。

    「買うの?」
     握ったチョコレートをひらひら翳しながらヴィエラが首を傾げた。まぁ、とルガディンが頷くとふぅんと数回頷いた彼女がそれを棚に戻す。買うと言ってるのに、と棚のチョコレートに伸ばされた彼の手をヴィエラの手が掴んだ。ルガディンが何なんだと困惑している間に人気の少ない通りまで引っ張り出される。されるがままだったルガディンの離された掌にちょこんと小箱が載せられた。どこか見覚えのあるデザインの小箱をしばらく眺めてから、目の前のヴィエラに視線を向ける。にんまりと意味深に笑った彼女が覚えてる?と首を傾げた。ルガディンが数回頷いて開けても良いか了承を得ると、勿論、と微笑まれた。
    903

    recommended works

    mitotte_kazu

    PASTバレンタインなのでチョコ渡す🐇さんとチョコ食べる🦍の短い話
    片割 この海の街にもイベントの余波が来ているようで、浮ついた雰囲気が漂っていた。幸せそうな人を見るのは嫌いではないが、この空気の中独り歩くルガディンはどこか居た堪れなさを感じていた。
    それでもイベントのおかげで普段ならあまり手を出さないようなチョコレートが並んでいる店頭を眺めるのは楽しいものだった。買ったところで勿体なくて食べられないのは目に見えているし、貧相な自身の舌はどれを食べても美味しく感じるのだろう。折角だからと思いつつ平凡な板チョコレートを手に取る。と、掌からチョコレートが消えた。目線を掌から上げるとルガディンから取り上げたチョコレートを興味深そうに眺めるヴィエラがいた。

    「買うの?」
     握ったチョコレートをひらひら翳しながらヴィエラが首を傾げた。まぁ、とルガディンが頷くとふぅんと数回頷いた彼女がそれを棚に戻す。買うと言ってるのに、と棚のチョコレートに伸ばされた彼の手をヴィエラの手が掴んだ。ルガディンが何なんだと困惑している間に人気の少ない通りまで引っ張り出される。されるがままだったルガディンの離された掌にちょこんと小箱が載せられた。どこか見覚えのあるデザインの小箱をしばらく眺めてから、目の前のヴィエラに視線を向ける。にんまりと意味深に笑った彼女が覚えてる?と首を傾げた。ルガディンが数回頷いて開けても良いか了承を得ると、勿論、と微笑まれた。
    903