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    mitotte_kazu

    @mitotte_kazu

    自機ルガオスとエタバン相手のヴィエラとかよそよその話とかNPCよその話とか置いとく場所。
    リアクションとても嬉しいですありがとうございます

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    mitotte_kazu

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    ナマコちゃんさん(@namakomesi ) が素敵な台詞をくださったのでそこから派生した短い🦍とユウくんのお話

    交流カズ!」
     ウルダハの喧騒の中で背後から名を呼ばれた。慣れたように人混みを上手くすり抜けたルガディン──ユウが元気か?と声をかけてくる。おかげさまでと頷いて答えるとそれは何よりと破顔された。お互いの近況など話してる内に、そうだ、と思い出したかのように手帳から小さなカードを取り出す。
    「この店知ってるか?」
     取り出したショップカードを差し出すと、大きく書かれた店名に彼は首を傾げた。初めて見るなと小さく呟かれ、よかったと頬を緩める。ゴブレットビュートで最近できた店だったのだが、紅茶とケーキが美味しくて紹介しようと貰って来た甲斐があった。
    「友達紹介で何割引、みたいなシステムらしくてな。しるこさんも気に入っていたから、ジャックさんと一緒にどうかと思って」
     地図や割引の説明が書かれた裏面を眺めていた彼に声をかけるとあぁ、と小さく頷かれた。
    「こここの間ジャックが気にしてた店だ。情報と紹介助かる」
     礼を述べた彼の人懐こい笑顔に、教えたくもなると1人頷いて応える。何かお礼でも、と顎に手を添え考え込んだ彼に、慌てて手を振った。そんなつもりじゃなかったと言うと、じゃあ、と意味深に笑いかけられる。
    「美味いベーカリーの情報で、どうだ?」
     等価交換だろうと浮かべられた悪どい笑みはウルダハの商人の真似だろうか。この近くにあると声を潜め、囁かれた。こういうところだろうなと苦笑していると、しかもな、と前置きして彼が周囲の様子を伺う。
    「それなりに美味いコーヒーと買ったパンが楽しめるイートインスペースまである」
     上手い口説き文句に思わず深く頷いてしまった。やった、と天真爛漫に喜んだ彼に、情報のお礼にその店でコーヒー休憩を提案すると、お礼のお礼かと苦笑しながらも快く了承される。
    「いいのか?ジャックの話をし出したら何時間でも語れるぞ?」
    「それを言うならしるこさんの話ならいくらでも付き合える」
     猫舌の自分が飲みやすい温度にコーヒーが冷めるまで付き合ってくれそうだと思いながら、先導する彼の後を追った。
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    mitotte_kazu

    PASTナマコちゃんさん(@namakomesi )『うちよその片割れを「パートナーに愛されてる自信があるほど早く開く部屋」につっこんでどのくらいで部屋から出られるか聞きたい』やつの🦍の短いお話し
    解錠 重怠い頭を押さえて、ルガディンはゆっくり身体を起こす。無機質かつ生活感のない室内の床に転がされていたようだった。どことない既視感を覚える部屋の壁には「パートナーに愛されてる自信があるほど早く開く部屋」と書かれていた。無害そうな部屋で何よりだと思い、周囲を見渡す。当然ながら窓は見当たらず、厳重に鍵がかけられた扉のみが佇んでいた。念の為ドアノブに手をかけてみるも、扉は開かない。そうだろうなと苦笑して室内にぽつりと置かれた椅子に腰を下ろした。
     さて現実逃避はここまでにしておこう。自身を愛しているとされるパートナー、と言われれば、当然彼女のことになるだろう。世間一般的にはエターナルバンドもしており、周囲もそう認識してくれている人も少なくはない。しかし情はなくとも教会の門は広く開かれ、エターナルバンドは誰かれ問わずできるものではある。そう形容すると語弊が生じるが、彼女に情がないわけではない。というかむしろ自身が思っている以上に彼女には大きな感情を抱いている恐れがある。あれほど魅力的かつ素敵な女性が自分を選んだ、などというのは正直尊大すぎる。思い上がりも甚だしい。
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    mitotte_kazu

    PASTアルバートと🐇さんの香水ネタ
    無粋と香水 部屋に戻ってきたヴィエラが疲れたようにベッドに倒れこんだ。お疲れさん、と姿を現したアルバートに疲れたぁ、と布団に顔を埋めたままくぐもった声で返す。
    「罪食い多すぎ……」
    「仕方ないだろう」
     ぼやいた彼女に彼が短く返すとうー、と何かを訴えるように呻いた。ベッドに歩み寄り、腕を組んで彼女を見下ろす。
    「ほら、飯でも食え。腹が減ってはなんとやらだ」
     わかってるぅ、と呟いた彼女がのろのろと起き上がる。と、その首元にアルバートが顔を埋めた。形容し難い声を漏らして後ずさった彼女に彼は無邪気に尋ねる。
    「香水か?」
     花の匂いがする、と首を傾げたアルバートに一瞬の間を置いてヴィエラは頷く。
    「花だけじゃないけど……」
     指を折りながら彼女が香水に含まれている植物の名を挙げていくが、幾つかピンとこないようで彼は更に首を傾げた。その様子を見てゆっくりと立ち上がった彼女が室内のドレッサーに近付く。しばらくそこを探っていた彼女がこれこれ、と綺麗な小瓶を手に彼の元へ向かって歩み寄った。ゆらゆらと彼女の手の中で揺れる瓶をなるほど、と眺めていた彼の前で、彼女は自身の手首に数回香水を吹き付ける。強く広がった香りに一瞬顔をしかめた彼があぁ、と小さく呟いた。
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