Recent Search
    Sign in to register your favorite tags
    Sign Up, Sign In

    mitotte_kazu

    @mitotte_kazu

    自機ルガオスとエタバン相手のヴィエラとかよそよその話とかNPCよその話とか置いとく場所。
    リアクションとても嬉しいですありがとうございます

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 55

    mitotte_kazu

    ☆quiet follow

    料理する🦍と🐇

    ##ディンエラ

    ホットサンド お腹空いたな、と呟いたヴィエラを無視しながら広い荒野に横たわる冒険者をルガディンは蘇生していた。起き上がった冒険者と手を振り合っていた彼の背中に聞こえてる?と彼女が声をかける。
    「そろそろ戻るか?」
     結構な時間居たしな、と手にした戦果やクラスターを確認しながら返した彼に嬉しそうに彼女が頷く。ガンゴッシュに着いた瞬間彼女があ、でも、と彼の服を引く。
    「お腹空きすぎてもうどこも行く元気ないかも」
     悪戯っぽくねだるような上目遣いの彼女の顔を見つめ、少し考え込んだ彼が盛大に溜息を吐いた。

     作れと?と確認するルガディンに当然のようにヴィエラが頷き返す。周囲を見渡し歩いていく彼の後を追う。
    「そっちの方がレベルが高いだろうに」
    人気のない場所に荷物を下ろして呟き、彼女に食べたいものを尋ねた。うーん、と考え込む彼女になんでもいいのか?と再度尋ねる。
    「美味しかったらなんでも」
     頷いて返した彼女に肩を落として溜息を吐く。一番難題を吹っかけてくるなと苦笑しつつ、鞄の中を覗き込む。
    「なんでもいいんだな?」
     再確認しつついつもの如く味の保証はできんがと念を押される。いいよぉ、と柔和に彼女は微笑む。
    「今まで作ってくれたの全部、美味しかったもん」

     上手く言いくるめられている気がするルガディンが苦笑しながら調理を始める。適当なハムや野菜をパンに挟めるサイズに切り揃えている様子を見て、サンドイッチ?とヴィエラが首を傾げた。
    「半分正解だな」
     微かに口角を上げた彼は熱したフライパンにバターを落として溶けたところで置いた食パンにスライスしたチーズやハム、野菜を乗せていく。それを挟むように食パンを重ね、ひっくり返した彼が手を伸ばしてきた。
    「そっちのフライパンも貸してくれ」
     持ってるだろう、と差し出された彼の手に首を傾げたまま彼女は指示されたものを差し出す。
     じわじわと焼き上げられていくサンドイッチをひっくり返した上に調理用のシートを載せ、差し出されたヴィエラのフライパンを受け取る。そしてそれでシート越しに押し付けるようにサンドイッチをルガディンが圧迫していった。
    「ホットサンドかぁ!」
    「正確にはホットプレスサンドだがな」
     少し時間がかかるが冷たいものよりは温かい方がいいだろう。こともなげに呟いたルガディンに近付き、ヴィエラは焼けていくパンの香りや音を堪能する。食べ易い大きさに切り揃えてシートに包まれたホットサンドを一口齧り、彼女が小さく悶える。美味しい、と頬を緩める彼女にそれは何よりと返した彼の口元に香ばしく焼き上がったホットサンドが差し出される。
    「一緒に食べた方がもっと美味しいよ?」

    「空腹なんだろう?」
    こういうことを臆面もなくする、と呆れながらやんわりと断る。えー、と唇を尖らせた彼女が再度ホットサンドを差し出してきた。
    「足りなかったらまた作ってくれるでしょ?」
     ほらほら、と口元に差し出されたそれを齧る。特に凝った味付けや食材ではなかったはずだがいつもより美味しく感じるのは自分が単純だからだろう、と思いながら鞄に目をやる。
    「緩急をつけてスイーツ系でも作るか?」
     フルーツやチョコを用いたホットサンドのレシピを幾つか挙げると彼女が歓声を上げた。食べたい食べたい!と身を乗り出してきた彼女が目を輝かせる。この顔に弱いな、と苦笑しながら軽く濯いだナイフに手を伸ばした。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    mitotte_kazu

    PASTバレンタインなのでチョコ渡す🐇さんとチョコ食べる🦍の短い話
    片割 この海の街にもイベントの余波が来ているようで、浮ついた雰囲気が漂っていた。幸せそうな人を見るのは嫌いではないが、この空気の中独り歩くルガディンはどこか居た堪れなさを感じていた。
    それでもイベントのおかげで普段ならあまり手を出さないようなチョコレートが並んでいる店頭を眺めるのは楽しいものだった。買ったところで勿体なくて食べられないのは目に見えているし、貧相な自身の舌はどれを食べても美味しく感じるのだろう。折角だからと思いつつ平凡な板チョコレートを手に取る。と、掌からチョコレートが消えた。目線を掌から上げるとルガディンから取り上げたチョコレートを興味深そうに眺めるヴィエラがいた。

    「買うの?」
     握ったチョコレートをひらひら翳しながらヴィエラが首を傾げた。まぁ、とルガディンが頷くとふぅんと数回頷いた彼女がそれを棚に戻す。買うと言ってるのに、と棚のチョコレートに伸ばされた彼の手をヴィエラの手が掴んだ。ルガディンが何なんだと困惑している間に人気の少ない通りまで引っ張り出される。されるがままだったルガディンの離された掌にちょこんと小箱が載せられた。どこか見覚えのあるデザインの小箱をしばらく眺めてから、目の前のヴィエラに視線を向ける。にんまりと意味深に笑った彼女が覚えてる?と首を傾げた。ルガディンが数回頷いて開けても良いか了承を得ると、勿論、と微笑まれた。
    903

    mitotte_kazu

    PAST🐈🐇🐑🦍が美味しいものを食べるだけの話
    会食 立て続けの依頼を終え、ようやく一息つけるとヴィエラは適当に目についた店に入った。食事時から外れた時間帯もあって、まばらに空いた座席に腰を下ろす。そのまま倒れ込みそうなのを堪えてメニューを開いた。季節限定などのメニューも魅力的だったが定番で当たり外れのない、無難なものを選んで注文する。こんな疲れた時に、そういうメニューでハズレを引きたくないという打算だったが、他のテーブルに目を向けてみるとそうでもない気がしてきた。それでも穏やかな店員の対応に少し癒され、メニューを眺めながら頼んだ品が来るのを待つ。少しの時間を置いて、飲み物と共に運ばれてきたパンを齧る。さっくり焼き上げられた表面ともちもちした食感が楽しく、口の中に小麦の甘さとバターの風味が広がった。好きなやつ、と思いながらパンを頬張る。サラダとかスープも頼めばよかったかな、と思いつつ空腹も少し落ち着き、店内を見渡した。インテリアなどにも拘られており、居心地は良い。テーブルや椅子の高さも種族ごとの配慮もされていた。もしや割と良い出会いなのでは、と皿に載っているもう一つのパンを齧りつつ、頬を緩めた。
    5614

    recommended works