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    mitotte_kazu

    @mitotte_kazu

    自機ルガオスとエタバン相手のヴィエラとかよそよその話とかNPCよその話とか置いとく場所。
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    mitotte_kazu

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    🦍の眼鏡の話

    ##ディンエラ

    眼鏡「それって伊達なの?」
     不意に投げかけられてきたヴィエラの言葉にルガディンは首を傾げる。主語が曖昧だが恐らく眼鏡のことだろうと推測し、まぁ、と頷いて返した。ふぅん、と歩み寄ってきた彼女がこちらに両手を伸ばしてくる。眼鏡を取りたいのだろうなと思い、ルガディンは自室の隅に適当に配置されたベッドに腰掛けた。彼女と目線が合う。予想通りに眼鏡を手に取った彼女はふむ、とひとりごちてありふれたそれを興味深そうに観察していた。

     何故か彼の眼鏡をかけた彼女が、なんで?と不思議そうに首を傾げた。サイズが合っていないため、ずれた眼鏡を両手で挟むように整えた彼女は彼の返答を待っている。何故俺の眼鏡を身に付けているのかこっちが聞きたいと思いつつ、ルガディンが口を開く。
    「……印象が誤魔化せるだろう?」
     目付き、人相の悪さや眼光の鋭さが眼鏡を着用するだけで和らぐ気がしていただけだと返して彼女の顔に手を伸ばした。彼の手から逃げるように身体を微かにのけぞらせて彼女はそっかぁ、と小さく頷く。眼鏡を取り返すのを諦めたように手を下ろした彼が下を向く。俯き前髪で隠れた彼の顔に彼女がずい、と近付いた。すらりとしたヴィエラの指が額を撫でるようにルガディンの前髪をかきあげる。急に開けた視界とそこの大半を占める彼女の真剣な表情に気圧されるように彼は目を瞬かせた。ふむ、と眼鏡越しに真剣な眼差しの彼女が口を開く。
    「確かに」
     そこは否定しないのか、と彼が苦笑しているとでも邪魔じゃない?とまたずれた眼鏡を整えた彼女が尋ねてきた。伊達眼鏡なのでそういう場面では外せばいいだろうと返そうとした瞬間、唇に柔らかいものが触れる。
    「……こういう時とか」
     先程まで当てられていた彼女の唇が離れ、揶揄うような声色で言われた。にんまりと微笑んでルガディンに眼鏡を返す。それが言いたかっただけでは、と思いつつルガディンが眼鏡をかけようとすると、彼女から強い視線を感じた。据え膳、とでも言いたいのだろうか。小さく溜息をついた彼はベッドの横に置かれたテーブルに眼鏡を置き、目の前の彼女の腕を引き寄せベッドにそのまま倒れ込んだ。
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    mitotte_kazu

    PASTバレンタインなのでチョコ渡す🐇さんとチョコ食べる🦍の短い話
    片割 この海の街にもイベントの余波が来ているようで、浮ついた雰囲気が漂っていた。幸せそうな人を見るのは嫌いではないが、この空気の中独り歩くルガディンはどこか居た堪れなさを感じていた。
    それでもイベントのおかげで普段ならあまり手を出さないようなチョコレートが並んでいる店頭を眺めるのは楽しいものだった。買ったところで勿体なくて食べられないのは目に見えているし、貧相な自身の舌はどれを食べても美味しく感じるのだろう。折角だからと思いつつ平凡な板チョコレートを手に取る。と、掌からチョコレートが消えた。目線を掌から上げるとルガディンから取り上げたチョコレートを興味深そうに眺めるヴィエラがいた。

    「買うの?」
     握ったチョコレートをひらひら翳しながらヴィエラが首を傾げた。まぁ、とルガディンが頷くとふぅんと数回頷いた彼女がそれを棚に戻す。買うと言ってるのに、と棚のチョコレートに伸ばされた彼の手をヴィエラの手が掴んだ。ルガディンが何なんだと困惑している間に人気の少ない通りまで引っ張り出される。されるがままだったルガディンの離された掌にちょこんと小箱が載せられた。どこか見覚えのあるデザインの小箱をしばらく眺めてから、目の前のヴィエラに視線を向ける。にんまりと意味深に笑った彼女が覚えてる?と首を傾げた。ルガディンが数回頷いて開けても良いか了承を得ると、勿論、と微笑まれた。
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    mitotte_kazu

    PAST🐈🐇🐑🦍が美味しいものを食べるだけの話
    会食 立て続けの依頼を終え、ようやく一息つけるとヴィエラは適当に目についた店に入った。食事時から外れた時間帯もあって、まばらに空いた座席に腰を下ろす。そのまま倒れ込みそうなのを堪えてメニューを開いた。季節限定などのメニューも魅力的だったが定番で当たり外れのない、無難なものを選んで注文する。こんな疲れた時に、そういうメニューでハズレを引きたくないという打算だったが、他のテーブルに目を向けてみるとそうでもない気がしてきた。それでも穏やかな店員の対応に少し癒され、メニューを眺めながら頼んだ品が来るのを待つ。少しの時間を置いて、飲み物と共に運ばれてきたパンを齧る。さっくり焼き上げられた表面ともちもちした食感が楽しく、口の中に小麦の甘さとバターの風味が広がった。好きなやつ、と思いながらパンを頬張る。サラダとかスープも頼めばよかったかな、と思いつつ空腹も少し落ち着き、店内を見渡した。インテリアなどにも拘られており、居心地は良い。テーブルや椅子の高さも種族ごとの配慮もされていた。もしや割と良い出会いなのでは、と皿に載っているもう一つのパンを齧りつつ、頬を緩めた。
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