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    romitomi2

    雑多な落書きや作文用。シティーハンターとダイの大冒険がメイン。絵はアナログ派で色鉛筆で風景画を描いてます。
    主人公とヒロインのCPやコンビが大体好き。あとブロマンス派。

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    POIPOI 16

    romitomi2

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    ポップは大体被害者です。

    #ダイレオ
    dileo

    Knockin' on your Door大魔導士ポップはパプニカのレオナ女王に呼び出されることは日常茶飯事で、王宮の一室を与えられている。
    だが、勇者ダイが見つかっても正式に王家に仕えることはせず、自由気ままな身分のままでいたいと告げた。
    「あんたの部下にはなりたくねえよ」
    「キミらしいわね」
    そう微笑んで、引き留めることもしなかったが
    「でも用事があるときは呼びつけるわよ」
    「へえへえ。そのほうが気楽でいいや。あと、ときどきダイも借りるぜ」
    ダイもまたパプニカを拠点として魔界や世界を飛び回っている。
    「ええ、どうぞ。ダイ君はみんなのダイ君なんだから」
    「本当は独り占めしたいんじゃないのか」
    「変なからかいはやめてよね。別になにもないわよ私たちには」
    手をひらひらと振る。
    「ふん、何かあるようになるのは時間の問題だと思うがな」
    そんなやりとりをしたのはいつだったか。

    今日も朝に来いとポップは随分と前からレオナに予定を入れられていた。
    意外にも時間は守るほうで、朝からルーラで王宮に飛んできた。
    玉座の間に通されたが、いっこうに呼び出した主は現れない。レオナもまた時間は守るほうなのに。
    「珍しいこともあるもんじゃな」
    バダックが首をかしげる。
    「見てきましょうか。昨夜は遅くまで会議でしたし、お疲れなのかも」
    共に待っていたマリンが言う。
    「あ、じゃあおれが見てきますよ。寝てたら鼻でもつまんでやるかな」
    「そ、それは止めてください!」
    「じょーだんすよ、さすがに女王様にそんなことはできないや」
    大げさに手を振る。
    「じゃあ外からノックして呼んでみてくれるかしら」
    「へーい、了解しました!」
    ポップは廊下を歩いて奥にあるレオナの私室へ向かう。
    部屋の前に立ち止まり、ノックをしようとした瞬間だった。
    ドアの向こうからレオナのよく通る声が響いた。
    「やだっ!」
    その声に思わず何ごとかとポップはドアを開けた。
    ・・・
    残念ながら、いや残念ではないか、ポップは扉を開けたことを激しく後悔した。
    見てはいけないものを見てしまったからだ。

    「・・・え?」

    レオナの部屋にはダイがいた。
    そしてダイがレオナに服を着せていたのだ。
    「・・・ポップ(君)!!!」
    二人は声をそろえてその親友かつ悪友の名を呼んだ。こんなときまで気を合わせなくていいのに・・・!
    あああああ。
    「お取込み中、し、し、失礼しました!」
    ポップはやっと出てきたその言葉を言い捨て、慌ててドアを閉め、脱兎のごとく引き返した。おい、ダイが来ていたなんて全然聞いてねえぞー
    そしてこのシチュエーションを理解した。
    なんてタイミングだ!
    何かあるとかないとかじゃねえ。いつの間にあいつら・・・。
    ポップはもやもやと二人のあれやこれやをつい想像してしまった。

    「どうじゃった姫様は?」
    「えっ?」
    バダックに声を掛けられようやく我に返った。
    「ああ、起きてたよ、もうすぐ来ると思う」
    「そう、やはりお疲れだったのね」
    「・・・別の意味で疲れてたんじゃないのか・・・」
    ぼそりとつぶやく。
    「え?なんですって?」
    マリンはそれを聞き逃さなかった。
    ポップはしまったと思ったが、正直に今見たことを伝えた。
    「・・・ダイがいた」
    「ええっ?」
    バダックとマリンは大きな声を出した。
    この驚きようからすると、ダイは誰にも気づかれないよう、こっそり夜中にやってきたのだろう。レオナとの逢瀬のために。

    ポップはものすごくバツが悪い。
    レオナに時間の問題だと言った。
    だが流石にその現場に踏み込んでしまうのは・・・。
    ノックを先にするべきだったと後悔した。
    よく思い返せば危険の迫るような声ではなかった。

    このあと、ふたりとどう話をするべきか。からかうべきか、謝るべきか、さて。
    まあ、それはレオナもダイも同じだ。

    まあ、遅かれ早かれ、だ。
    ポップが少しだけ肩の荷が下りたような気持ちに気づくのはもう少しあと。
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