双方向の熱量差について王宮では宴が催されている。
来客は世界中の王族や貴族である。
サミット前のレセプション、いわば歓迎と自己紹介、そして各国のPRの場である。
毎年持ち回りでの開催となって、今回の主催国はパプニカ王国だ。3度目のホスト役となる女王のレオナは多くの各国の王侯貴族官僚から挨拶を受けていた。
若く美しき女王はその見た目だけで多くの男性を惹きつける。いまだ独身と聞いて、その王配に候補として名乗りをあげたいと考えるものも少なくはなかった。
「陛下もそろそろ婿をお迎えにならないと」
皆がこぞってそう言われるのに飽きてはきているが、外交を考えると邪険に扱うわけにもいかず、見合いの話や口説いてくる男たちの相手をする話術はとうの昔に身につけていた。
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