かみさまのまえのまえ何年も何年も待ってようやく会えた。
抱きしめられたときのぬくもりとやさしい匂い。
涙声で聴こえた「おかえり」そして返した「ただいま」
大好きなみんなに歓迎されて地上に再び戻ることができた。
それから少ししてやっと普段の日常がやってきて、島に帰ったり、パプニカやカール、魔界を行ったりきたりしている。パプニカには好きなときに使っていいと一室を与えられた。
レオナは相変わらず忙しそうで、同じ城にいてもなかなか顔を合わせることはできない。なんでも復興や世界の国とのつながりを維持していくためにはいろいろな「リガイカンケイ」の調整も必要で・・・とかアポロさんが言ってたっけ。
ほんの少しの時間、会えるときはお茶をしたり、どこかへルーラで連れ出したりすることはできた。
それでちょっと変わったことがある。
レオナに会うとドキドキする。相変わらずキレイでかわいい、笑い顔も怒った顔もいたずら好きでくるくる変わる表情も見てて楽しい。ずっと前からドキドキはしていて、会えると嬉しいけど、なんかそれに加えて触れたい、って気持ちがどんどん増していく。
あと、もうひとつ変わったことがある。
レオナはおれがどこかへ出かけるとなると、少し不安そうな顔をする。
やっぱりあのときの爆発でおれがいなくなったことが原因だろう。何年も待たせて、他のみんなもそうだけどとてもとても悲しませた。
だから、旅に出るときは必ず帰ってくる、そういえば微笑んでくれるんだ。
でもやっぱりおれがいなくなった不安な気持ちは消えない、そんなことを本人も、アポロさんもマリンさんも言っていた。おれがレオナに植え付けてしまったトラウマというやつらしい。
だからおれは考えている。必ず帰ってくるっていうなにかの証明ができないかなって。
おれはレオナが大好きだ。
いつかおれのお嫁さんになってほしい。
ケッコンってずっと番になることみたいだから、結論、それができればいいのかなって思う。
でも色々おれたちには難しい問題がある。簡単にはいかない。
でもおれはそれを誓いたい。必ず帰るって約束を証明したい。
「神様の前で誓うことですよ、まあ私は誓わ【され】ましたけど、アハハ」
アバン先生は苦笑いしながらそう言った。
フローラ様に半ば強制的に、らしいがまんざらでもない感じだ。
「そうすれば、レオナも安心してくれるかな」
おれの問いにアバン先生はこんどはすごく幸せそうな顔で笑った。
「きっとそうだと思いますよ」
そうしよう、次のレオナの休みのときだ、二人になったときに誓おう、おれは決心した。