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    mugen_kinoko03

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    mugen_kinoko03

    ☆quiet follow

    【シーン設定】
    性に嫌悪感を持つラスカルが自慰する。
    図らずも気持ちよくて怖くなった時にちょうどキースが来た。

    本編ボツシーン「よぉ」
    「っ……キース……!!」
     
     
    彼の顔を視認して、ラスカルはとにかく安堵した。
    安堵と勢いのままに彼の腰に抱きつけば、キースはびくっと腰を引く。
    それでもラスカルは離れなかったけれど。
     
     
    「どうした、何かあったか。ん?」
    「なんでもないよぉ……きみに会えて嬉しいだけ」
    「はいはいそれはどうも。それよりメシ作ってくれ。ベルトがキレそうだから」
    「それよりもキース。パンツ貸しておくれ」
    「パードゥン?」
    「パンツ。汚れちゃったんだ」
     

    何の冗談かと思ったキースだが、ラスカルは真面目に困った顔だった。
    旅人として世界を渡り歩いた彼でも、(腐っても女性に)下着を貸せとか言われた経験は無い。
     

    「アホか!!いやアホにアホかって疑いかけるのは失礼だな、お前はアホだ!」
    「うん、よく言われる」
    「お前自分の下着はどうした!」
    「トランクスがいくつかあるけど洗濯中」
    「何で女物じゃねぇんだよ!」
     

    叱れば、ラスカルがますます困った顔をする。


    「だって、そんなの許されないと思ったから。ぼくが女の体になったの、許さないと思うから」
    「あ?許されないって、誰に」
    「…………ルーク」
     
     
    呟かれた名前で、キースはだいたい察した。
    それから、また出たと呆れる。
    同僚といはいえ、こうも毎度同じ名前ばかり繰り返すのを聞いていると、正直辟易する。
    だが仕方ない、亡き友人こそがラスカルの神様なのだから。
     
     
    ーー考えたことはないかね、誰かの神様になってみたいと
     
     
    「……」

     
    ……神様。
    同僚たちの神様を、キースは知る限り思い出してみる。
    ラスカルの神様はルーク少年。
    カリンの神様は、死んだ妹。
    二ルの神様は、初恋の男だろう。
    ベルトは…………パティ、なのか微妙なところだが、そういう事にしておく。
     
    みんな、誰かしらの神様なのだ。
    キースは思う。
    自分も誰かの神様になり得るのだろうかと。
     

    「あらいぐま」
    「んん?」
    「……、……え、っと」
     

    視線を宙に迷わす。
    思っている事はひとつ。
    『お前は僕を神様にしてくれるか?』
    そのままラスカルに話そうか。話せばラスカルはどんな答えをくれるだろう。


    「どうしたの」
     

    ラスカルの顔に視線を戻してみた。
    潤んだ瞳。
    僅かに上気した頬。
    緩く微笑みつつも半端に開いた唇。
    キースの思い込みだと言えば終わりだが、彼にはラスカルが『女』の顔をしているように見えた。
    ……あぁ、違うな、こいつ。妙に失望感を味わった。

     
    「……なんでもない。それより早くメシ」
    「その前にパンツ」
    「貸さねぇよ?」
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