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    NumanoSakana

    @NumanoSakana

    メギド MDZS グラブル
    R18作品に関しまして、18才以下を含め、18歳を迎えていても『学生』であれば閲覧を控えていただきますようお願い申し上げます。

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    NumanoSakana

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    映画だけみたヲタクが腐女子すごろくで語ってもらった熱をうけてみた幻覚
    恵が好きすぎてお人形にしちゃう雰囲気遊郭パロの五伏
    書きたいところだけ

    ##五伏

    恵がかわいそうな雰囲気遊郭パロの話太陽が沈み、月が出始める頃に花街は漸く目を覚ます。
    伏黒恵は花街の出口に程近い場所で茶屋を営む両親と姉に囲まれて育った。
    この茶屋、魔扈羅庵は花街に来た客たちの情報を交換する場として開かれている。
    主な内容としては、どこがぼったくりでどこがいいとか、初めてならあちらがいいとか、と思えばやれあそこの郭の可愛い娘がとうとう見世に出ただの、あちらの廓の遊女が駆け落ちして死んだだのと金子事情が厳しい男たちが安い酒を舐めながら噂話を交換するだけだ。
    そんな茶屋に一際浮いた男がいる。
    男は五条悟と言い、この花街最大の大店である五条屋の若き主人である。
    白の毛と6尺以上ある長身で、五条屋の容赦のない折檻が有名であるがゆえに街をぶらつくだけで五条の旦那が出たと妖怪扱いされている。
    そんな男は長身を黒の長し着で隠し格子窓から花街に繰り出す客を値踏みしている。
    「五条の旦那、酒を飲まないんだったら出ていっていただけませんか」
    恵の不躾な声色に怒ることもせずにこにこと嗤っている男は飄々と答える。
    「金だったら毎度過ぎるほど置いていってるだろ?どんな客がきているのかこの店は丁度なんだよ恵何度も言ったろう?」
    たしかにその台詞は何度も聞いた。耳にタコができるほどだ。
    「ええ知っています。ですがあんたがいることで他の客の酒が不味くなる。金だけじゃなく酒も頼んでください」
    ここは茶屋とはいえど夜の花街を利用する客向けに開かれているため売り上げの殆んどを酒に頼っている。
    この男が言うように確かに過ぎるほど置いていく。だがそれは場所代であって酒代ではない。
    五条悟が窓にいるだけでこちらにくる客は少なくなり、店にもともといた客もそそくさと退散する始末だ。
    そのため徐々に売り上げが下がっていて生活が苦しくなっていっているのだ。
    この男一度座ると二刻は居座る。せめて酒の一つでも頼んでもらわなければこちらの損するだけだ。花街で強力な権力を持っているとはいえ互いに商売をする人間同士なのだから理解してもらわなければ困る。
    「やれやれ、恵は癇癪を起こした娘みたいだ」
    仕方ないというそぶりでようやっと酒を頼む。
    甕ごと目の前に置いてやろうかと恵は思うが以前小振りな物でやって「頼んでもないのに置いたから」などと宣い金を支払わなかったことを思い出す。
    酒とつまみを持って行くと手を捕まれた。
    「なんですか?」
    手を離せという前に男は口を開く。
    「ここはさ、若者が二人もいるのに客とらないの?」
    あまりに突然で言っている意味がわからず数秒固まってしまう。
    恵は男の言っていることをゆっくりと理解した。
    若者二人というのは自分と姉のことだと理解する。
    次いで客をとる、というのをここで酒を啜る客を指しているのではないことを理解する。
    この五条悟という男は自分と姉に身体は売らないのかと聞いている。
    言葉の意味を理解した。
    かっとなって、てめえなにいっていやがる。罵詈雑言を吐くつもりだった。その前に父の大きな手が恵を男から引き剥がす。
    「五条の旦那、すいやせんがもう二度とこないでいただけませんか」
    乱暴に外された手を五条は見つめている。
    「いままではこの花街を取り仕切る大旦那だと思って目をつむってきましたが流石に限界だ」
    父は言葉を続けようとしたが五条が無言で立ち上がったことにより遮られる。それを見た母が慌てて奥からでてくる。
    「五条様、どうかお赦しを!」

    ☆☆☆
    「悟様」
    恵を囲った店から古巣へと様子を見に来れば戻ったことに気づいた若い番頭が耳打ちしてきた。
    「なにかあったか?」
    「いえ、此方は問題がないのですが、その……彼方のことで」
    「なにが聞きたい?」
    花街に生きるものは上を目指すものが大多数だ。この男も出世欲が強く番頭集の中でも特に強くそれを隠しもしていない。悟が一番嫌いな部類だ。
    「なぜ野薔薇なのです?此方には経験の豊富な番頭が数多くおりますし、何より女に店を与えるなど」
    「……野薔薇はその辺の男より腕っぷしも、口も達者だ。それに彼女はここにいる番頭の誰よりも金の扱いが巧い」
    お前であることは望外である。そんなこと聞くなぞ野暮だと言外に伝えれば男は苦虫を噛み潰して自らの席に戻った。
    たしかに当初は彼処を七海にでも任せようかと思ったが恵に懸想してもらっては困るしなにより此方の店がたち行かなくなる。
    伊地知であれば金は回せるだろうがしつこい客に押しきられてしまう可能性がある。そうなると危ないのは恵だ。
    他は論外だ。それに比べ野薔薇は禿であった頃から客の選び方や金の扱いが巧く姉役も頼りきりであった。今回の話も誰にしようか迷っていた時に姉役から持ちかけられたのだ。
    野薔薇は遊女にはむかないから店をあたえてみてくれないかと。
    野薔薇は女だから恵を抱くこともない。かといって恵は彼女の好みでないし、ましてや悟が執心しているとなれば抱かれようなどと考えることもない。
    悟の思惑を察することができ、男とも対等に張り合え、金の扱いは誰より巧い。単純に、野薔薇以外の選択肢が無かっただけだ。

    ☆☆☆
    かわいそうに

    与えられた店に囲われた恵を見て野薔薇が最初に抱いた感想は憐憫であった。

    あの店から姉役の薦めもあってここを与えられたのは野薔薇の少ない人生で良い出来事であった。
    両親とは仲は良かったが村の田畑は不作が続いていた。彼らの首はすでに回わっておらず村全員が餓死寸前だった。
    両親が苦渋の決断であったことは野薔薇にも伝わっていた。野薔薇としてもそれしか残されていないなと思っていたし、それで良いと思っていた。
    生きていればどうにかなる。
    母と父はそう言い残して最後まで涙をみせ、貰った少ない金子を大事そうに持っていった。

    この店は五条の若旦那が9年もの間懸想し続けた人形を隠すためのものだ。
    人形がほしいがために彼は手段を選んでいなかった。人形がいた店に借金をふっかけ、それを肩代わりする名目で人形を手にいれたのだ。
    その店の家族は直ぐにこの花街から追い出されて、五条が用意した家に住むことをよぎなくされているようだ。
    人形を取り戻したくてもこの花街の門をくぐることも難しいようにしたらしい。
    実に五条悟らしい外道さだ。たかが人形、されど人形。その人形が伏黒恵である。
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    NumanoSakana

    MEMO寂しさからの怒りでドラゴンになっちゃった江澄をつけねらう蜘蛛曦臣
    黒い狐の魏嬰と魏嬰が好きすぎて自分の毒に溺れて欲しい藍湛
    幼馴染みで、義兄で、師兄で、戦友で、敵になった夷陵老祖・魏無羨が江澄をおいて自ら操っていたはずの屍凶に八つ裂きにされて十余年。
    江澄の中で義兄は父のお気に入りで江澄が躊躇うことも簡単にやってのけ、英雄になりたがる、決して追いつけない憧れであった。だからこそ義兄を名乗る輩を捕らえて江澄の鬱憤を拷問で晴らしているうちに赤子であった金凌は生意気を言うほど大きくなった。だというのに義兄は一向に誰の身体も奪わず、金凌の顔を一度たりとも見にも来ず、江澄の不満を聞きに来てくれない。
    執務室で一人ため息をつけば机の上に音もなく鼬が登ってきた。江澄の使い魔であるこの鼬は彼が心配で顔を見にきたらしい。その使い魔の全身をありがとうと労うように撫でれば気持ち良さそうに寝転がる。その毛皮は滑らかで美しいきつね色をしていた。狐は義兄の獣だった。それは美しい黒狐で犬に似ているのに嘲るような顔が江澄はいつも気にくわなかった。突然キィと甲高い鳴き声がした。見れば穏やかに撫でていた江澄の手は薄く紫に輝く黒い鱗に覆われ指先にある蜥蜴のような鋭い爪が使い魔の柔い肉を突き破っていた。慌てて治療を施す手はすでに人のものに戻っており、この場面だけをみれば怪我をした獣を治療しているようにしか見えない。だが江澄はまたやってしまったとため息をつく。彼を心配そうに見る使い魔の視線が胸に刺さる。
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    takami180

    PROGRESSたぶん長編になる曦澄その2
    浮かれっぱなし兄上
     どうしてこうなった。
     江澄は頭を抱えたい気分だった。今、彼は舟に乗り、蓮花塢への帰途にあった。そして、向かいには藍家宗主が座っている。
     川の流れは穏やかで、川面は朝陽にきらめいている。豊かな黒髪を風になびかせながら、藍曦臣はまぶしそうに目を細めた。
    「江宗主、あちらにいるのは鷺でしょうか」
     江澄は答えずに疑いの目を向けた。
     これが本当に食事もろくに摂らず、叔父と弟を嘆かせていたとかいう人物と同一なのだろうか。
     昨日、あの後、雲深不知処は大騒ぎとなった。とはいえ、家訓によりざわめきはすぐにおさまったのだが、藍忘機と藍啓仁を筆頭に誰もが戸惑いを隠せずにいた。
    「叔父上、お許しください。私は蓮花塢に赴き、江宗主に助力したく存じます」
     いや、まだ、俺はいいとは言っていないのだが。
     藍啓仁を前にきっぱりと言い切る藍曦臣に、江澄ははっきりと困惑の表情を浮かべた。これは口を挟んでいいものか。
     そのとき、背後から肩をたたく者があった。
    「江澄、何があったんだ」
    「俺が知りたい」
     江澄は即座に答えた。魏無羨は肩をすくめて、顎をしゃくる。
    「沢蕪君が姿を見せたのは半年ぶり……、いやもっ 2059