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    NumanoSakana

    @NumanoSakana

    メギド MDZS グラブル
    R18作品に関しまして、18才以下を含め、18歳を迎えていても『学生』であれば閲覧を控えていただきますようお願い申し上げます。

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    POIPOI 11

    NumanoSakana

    MEMO寂しさからの怒りでドラゴンになっちゃった江澄をつけねらう蜘蛛曦臣
    黒い狐の魏嬰と魏嬰が好きすぎて自分の毒に溺れて欲しい藍湛
    幼馴染みで、義兄で、師兄で、戦友で、敵になった夷陵老祖・魏無羨が江澄をおいて自ら操っていたはずの屍凶に八つ裂きにされて十余年。
    江澄の中で義兄は父のお気に入りで江澄が躊躇うことも簡単にやってのけ、英雄になりたがる、決して追いつけない憧れであった。だからこそ義兄を名乗る輩を捕らえて江澄の鬱憤を拷問で晴らしているうちに赤子であった金凌は生意気を言うほど大きくなった。だというのに義兄は一向に誰の身体も奪わず、金凌の顔を一度たりとも見にも来ず、江澄の不満を聞きに来てくれない。
    執務室で一人ため息をつけば机の上に音もなく鼬が登ってきた。江澄の使い魔であるこの鼬は彼が心配で顔を見にきたらしい。その使い魔の全身をありがとうと労うように撫でれば気持ち良さそうに寝転がる。その毛皮は滑らかで美しいきつね色をしていた。狐は義兄の獣だった。それは美しい黒狐で犬に似ているのに嘲るような顔が江澄はいつも気にくわなかった。突然キィと甲高い鳴き声がした。見れば穏やかに撫でていた江澄の手は薄く紫に輝く黒い鱗に覆われ指先にある蜥蜴のような鋭い爪が使い魔の柔い肉を突き破っていた。慌てて治療を施す手はすでに人のものに戻っており、この場面だけをみれば怪我をした獣を治療しているようにしか見えない。だが江澄はまたやってしまったとため息をつく。彼を心配そうに見る使い魔の視線が胸に刺さる。
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    PROGRESS長編曦澄17
    兄上、頑丈(いったん終わり)
     江澄は目を剥いた。
     視線の先には牀榻に身を起こす、藍曦臣がいた。彼は背中を強打し、一昼夜寝たきりだったのに。
    「何をしている!」
     江澄は鋭い声を飛ばした。ずかずかと房室に入り、傍の小円卓に水差しを置いた。
    「晩吟……」
    「あなたは怪我人なんだぞ、勝手に動くな」
     かくいう江澄もまだ左手を吊ったままだ。負傷した者は他にもいたが、大怪我を負ったのは藍曦臣と江澄だけである。
     魏無羨と藍忘機は、二人を宿の二階から動かさないことを決めた。各世家の総意でもある。
     今も、江澄がただ水を取りに行っただけで、早く戻れと追い立てられた。
    「とりあえず、水を」
     藍曦臣の手が江澄の腕をつかんだ。なにごとかと振り返ると、藍曦臣は涙を浮かべていた。
    「ど、どうした」
    「怪我はありませんでしたか」
    「見ての通りだ。もう左腕も痛みはない」
     江澄は呆れた。どう見ても藍曦臣のほうがひどい怪我だというのに、真っ先に尋ねることがそれか。
    「よかった、あなたをお守りできて」
     藍曦臣は目を細めた。その拍子に目尻から涙が流れ落ちる。
     江澄は眉間にしわを寄せた。
    「おかげさまで、俺は無事だったが。しかし、あなたがそ 1337

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    PROGRESS恋綴3-2(旧続々長編曦澄)
    転んでもただでは起きない兄上
     その日は各々の牀榻で休んだ。
     締め切った帳子の向こう、衝立のさらに向こう側で藍曦臣は眠っている。
     暗闇の中で江澄は何度も寝返りを打った。
     いつかの夜も、藍曦臣が隣にいてくれればいいのに、と思った。せっかく同じ部屋に泊まっているのに、今晩も同じことを思う。
     けれど彼を拒否した身で、一緒に寝てくれと願うことはできなかった。
     もう、一時は経っただろうか。
     藍曦臣は眠っただろうか。
     江澄はそろりと帳子を引いた。
    「藍渙」
     小声で呼ぶが返事はない。この分なら大丈夫そうだ。
     牀榻を抜け出して、衝立を越え、藍曦臣の休んでいる牀榻の前に立つ。さすがに帳子を開けることはできずに、その場に座り込む。
     行儀は悪いが誰かが見ているわけではない。
     牀榻の支柱に頭を預けて耳をすませば、藍曦臣の気配を感じ取れた。
     明日別れれば、清談会が終わるまで会うことは叶わないだろう。藍宗主は多忙を極めるだろうし、そこまでとはいかずとも江宗主としての自分も、常よりは忙しくなる。
     江澄は己の肩を両手で抱きしめた。
     夏の夜だ。寒いわけではない。
     藍渙、と声を出さずに呼ぶ。抱きしめられた感触を思い出す。 3050

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    PROGRESS恋綴3-5(旧続々長編曦澄)
    月はまだ出ない夜
     一度、二度、三度と、触れ合うたびに口付けは深くなった。
     江澄は藍曦臣の衣の背を握りしめた。
     差し込まれた舌に、自分の舌をからませる。
     いつも翻弄されてばかりだが、今日はそれでは足りない。自然に体が動いていた。
     藍曦臣の腕に力がこもる。
     口を吸いあいながら、江澄は押されるままに後退った。
     とん、と背中に壁が触れた。そういえばここは戸口であった。
    「んんっ」
     気を削ぐな、とでも言うように舌を吸われた。
     全身で壁に押し付けられて動けない。
    「ら、藍渙」
    「江澄、あなたに触れたい」
     藍曦臣は返事を待たずに江澄の耳に唇をつけた。耳殻の溝にそって舌が這う。
     江澄が身をすくませても、衣を引っ張っても、彼はやめようとはしない。
     そのうちに舌は首筋を下りて、鎖骨に至る。
     江澄は「待ってくれ」の一言が言えずに歯を食いしばった。
     止めれば止まってくれるだろう。しかし、二度目だ。落胆させるに決まっている。しかし、止めなければ胸を開かれる。そうしたら傷が明らかになる。
     選べなかった。どちらにしても悪い結果にしかならない。
     ところが、藍曦臣は喉元に顔をうめたまま、そこで止まった。
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