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    Meow_Atom_No_17

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    Meow_Atom_No_17

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    設定の整合性をとるのが面倒になったのでボツ いつかサルベージするかもしれない
    ※n年後に一緒に暮らしてる二人

    #ほゆ

    ナックルシティ郊外の子供たちの間で最近、街はずれの廃墟の館に肝試しに行くのが流行しているらしい。夜中にすすり泣くみたいな声が聞こえるんだそうで。
     ユウリはキバナとダンデにちょっとわがままを言って、そこそこの大きさのフラットでホップと一緒に暮らしているから、街の人に調査を頼まれるとなんとなく断りづらく。
     そういうことで日中に何度かその屋敷を見に行ったが、今にも崩れそうでとても危ないということしかわからなかった。ガラルの人間はは古い建物を直して住むのが趣味だと思っていたが、そうしない理由もよくわからなかった。

    「すごい昔からあるって聞いたぞ。あと瓦礫とかが危ないから入るなって」
    「ね、お化けの噂なんて今まで聞いたことなかったよね」
     廃墟の噂についてホップに聞いたところ、ユウリの認識と変わらない言葉が返ってきた。
    「で? 危ない場所って分かってて一人で行ったのか」
    「ごめんってば。昼だし、インテレオンもいたし」
     彼は廃墟よりもユウリの行動が気になったらしい。
    「バトルがちょっと強いからって油断してるんだぞ。危険ってポケモンだけじゃないんだからさ」

     恐る恐る明日の夜に一緒に廃墟に行ってほしいと切り出すと、難しい顔をしてホップが唸る。

    「ほんとにごめんね。巻き込んじゃって」
    「ううん。何か起こってからじゃ遅いからな」

    「それに、ごめんよりありがとうが聞きたい」
    「ホップ」
     ユウリが嬉しそうに名前を呼ぶと、みるみるうちに赤くなった彼が右手で顔を覆って俯いた。
    「いや、忘れてくれ。今のはなんか逆にダサかったぞ」
    「かわいい」
    「それ、ユウリはよく言うけど、ときどきちょっとうれしくない」

     閑話休題。そんなわけで二人は日が変わるころにこうして廃墟の前にやってきた。

    「見る限りでは、やっぱり人の気配もポケモンの気配もあんまりないんだよね」
    「よく考えたら変だな。むしろゴーストポケモンがたくさんいた方が普通じゃないか? ちょっと少なすぎるぞ」
    「……たしかに」

     警戒しながら二人で館へ入る。懐中電灯で照らしながら、かつては豪奢であっただろうエントランスを見渡すが、何もいない。
    「別れて見てくる?」
    「危ないからダメだぞ」

     もう一周してエントランスに戻ってきたが、本当に何もいない。その上、人やポケモンの痕跡も見つからない。逆に不自然ではあるが、ひとまず何もなさそうだ。ユウリが帰ろうよ、と口を開こうとしたときにホップがシーッと人差し指を口の前に立てた。
     耳をすますと、ユウリにもすすり泣きが聞こえた。これはすすり泣きというより、むしろ。
     注意深く音を聞いていたホップが大階段を上がって、突き当りにある何の絵だったのかもわからない大きな額縁を音を立てないように外す。
     隠し扉だ。鍵がかかっている様子はない。二人で目を合わせる。ユウリが声に出さずに口を動かすだけでカウントする。3、2、1。同時にボールを構えながら扉を押し開けた。
     ピタリと声は止まった。
     壊れた天井や壁から射す月光に照らされた部屋にうずくまっていたのは、ユウリが見たことがないポケモンだった。紫色で、帽子をかぶったドレスの女性のような姿をしている。
     そのポケモンはホップとユウリを認めると、身を固くして目を吊り上げたが、ずいぶんと弱っている様子で攻撃はしてこない。二人は安堵の息をついてボールをしまう。
    「お前、ケガしてるのか」
     刺激しないよう部屋には入らずにホップが優しく声をかけた。紫色のひらひらしたポケモンは怒っているように唸ったが、やはり覇気がない。
     攻撃できるほどの力が残っていないと判断して、二人でゆっくりと一歩ずつ近づく。手を伸ばせば届くほどの距離まで来ても、声を上げるだけで動くことすらしない。肩から掛けていたカバンをユウリに渡して、ホップがポケモンを抱えた。それは少しもがいたが、彼に噛みつくことはしなかった。
     ユウリはホップのカバンを開いてきずぐすりを探したが、診察するようにポケモンを見ていたホップが、きずぐすりじゃダメかも、と言った。外傷は見当たらないし、そういう弱り方ではないみたいだ、と。
     ここでできることには限りがある。ポケモンセンターに連れていこうと、紫色のポケモンを抱き上げて階段を駆け下りる。玄関の扉を開いて外に踏み出すと、ホップの腕の中でぐったりとしていたそれが急に声を上げて激しくもがいた。
    「おい、余計悪くなるって!」
     足を止めて抑え込むが、ポケモンは必死に廃墟の中へ手を伸ばす。誰かを呼ぶように。
    「ホップ、この子ここにいたいんだと思う」
    「でも、早く診てもらわないと」
    「きっと、大丈夫。ね、ここにいたいんでしょ?」
     そっと顔を撫でて声をかけるとじっとユウリを見つめた。
     持っていたひざ掛けですっかり大人しくなったポケモンを包んで、エントランスの大階段で並んで座った。ユウリがホップの膝の上にいるポケモンへモモンのみを差し出すと素直にちまちまと食べる。
    「ホップはこの子見たことある?」
    「たぶん、ムウマージ、だと思う」
    「ガラルにいない子だよね」
    「そうだな。誰かが連れてこないと」
     お前、誰と来たんだ。ホップがムウマージに話しかけながらそのひらひらした手を撫でたが、答えはない。

     ユウリがホップに寄り掛かってうとうととしていると廃墟の玄関が大きな音を立てて開いた。
    「ムウマ! どこにいるの?」
     年端もいかない少年だ。何かを探すように忙しなくエントランスを見回した。そしてそのまま歩き出そうとする。
    「この屋敷、散々見たけどムウマはいなかったぞ」
     ホップが声をかけると彼は驚いたように階段に座る二人を見た。そして、悲しそうに眉を下げた。
    「ムウマ、いないの?」
     ムウマージが声を出して手を伸ばす。ホップが思い出したように言う。
    「ムウマージはムウマから進化するんだ」
    「もしかして、僕のムウマ?」
     ムウマージっはよろよろとひざ掛けから出ると嬉しそうにくるりと回った。
    「ここにいたのに、気が付かなくってごめんね」
     少年はムウマージを抱きしめると、二人にお辞儀をした。
    「ありがとう、ムウマ……ムウマージのことずっと探してたんだ」
    「そうか、見つかってよかったな。弱ってるみたいだったから、ポケモンセンターとかに連れて行った方がいいかもしれないぞ」
    「わかった」
    「この時間に出歩くのは危ないから、やめた方がいいよ」
    「うん、ごめんなさい」

     じゃあね、本当にありがとう、と少年は笑うと明るい方に向かってムウマージと一緒に歩いていった。

    「うーん、ねむいぞ」
    「帰ろうか」

    ムウマージだったんだと言うと年配のおまわりさんが微妙な顔する
    ホップがポケモン捜索依頼を見るがここ一年の記録でムウマはない
    ユウリ ダンデに洋館の話をする
    →ああ、昔からのろいのせいで人も住めないし取り壊せないと有名な洋館だったって聞いた ずっと昔に引っ越してきて馴染めなかった子が自分のポケモンをつれて廃墟の度胸試しに行けば認めてもらえると思って中に入った
    →手すりが外れて落下、事故で死んでしまったんだ すごく古い話だから、俺の祖父母くらいの年齢の人じゃないと覚えてないんじゃないか どうせ嘘だろうし、本当に危ないからもう取り壊さないとなぁ 何もなかったんだろ?

    「ネットで調べても全然そんな話出てこなったんだよね。もともといわくつきだったなんて」
     ただどこかからうわさが再燃して、みんな入り込んでただけじゃない?
    「なあ、本で読んだんだけど、ムウマージって鳴き声で頭痛とか幻覚を引き起こすポケモンみたいだぞ」
    「え」
    「ムウマージはすごく弱ってた。だから、逆に人が入れるようになって話が広がったとしたら?」
    「じゃ、じゃあ、あの少年は?」
    「よく考えたら、あいつらの歩いて行った方って近くに誰も住んでないんだ」

    「え、えっと……。あの子たち『ずっと』探してた相手と会えてよかったね……?」
    「そ、そうだな」

    「今日寝るとき小さく電気つけててもいい?」
    「奇遇だな。俺も同じことユウリに聞こうと思ってたぞ」
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    Meow_Atom_No_17

    MOURNINGワンライ「アフタヌーンティ」のボツ
    本気でただのネタ状態

    ボツ理由:狂気の強い翻訳版児童書を参考にして考えたら、マジでやりとりが狂気にしかならなかった
    三月ウサギ 大人の姿→中身幼児 ソワソワとおちつきがない くっつきたい
    帽子屋 少年の姿→中身大人 ちょっと怒りっぽい ムッツリ
    眠りねずみ 幼児の姿→中身少年 うとうと だっこされてる
    ユウリ 十代後半~おとな
    ホップ ユウリの恋人

     目を覚ますと森の中 起きてうろうろと歩く 声のする方へ
    「ホップ、どこ?」
     標識に『ホップの家』とある なんだこれ 石垣の向こうへ コートに 大きな机とソファと椅子がいくつか
     ソファにぎゅうぎゅうづめで三人座ってる 全部ホップ は?
    「あ、ユウリ」
     大人の姿のホップが嬉しそうに笑う
    「席ならここだぞ」
     少年の姿のホップがカップを傾けて、二人の間を指さす そこ、出会ったころより幼いホップが座ってるのに?
    「他にもいっぱいあるじゃん」
    「でもここだぞ? 招待状にあるだろ?」
     大人のホップなんでエースバーンの耳? いつの間にか手に招待状 『席:ホップの隣』
     ぎゅうぎゅうに座ってる真ん中に座らせられる
    「なんでホップが三人もいるの?」
    「なんでって、三人いるから」
    「そうだな。三人いるから三人いるんだ」
     わけわからん 当たり前だろという顔をする 2174

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    「ね、お化けの噂なんて今まで聞いたことなかったよね」
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    「バトルがちょっと強いからって油断してるんだぞ。危険ってポケモンだけじゃないんだからさ」

     恐る恐る明日の夜に一緒に廃墟に 3347

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    MOURNING※たぶんハイティーンなほゆ

    バレンタインのボツ
    一人称で文章書くの下手過ぎて涙がちょちょぎれる
    ボツ理由:根拠が弱い。情報が出てない。前情報が必要なのはよくないと思った。文章のつながりも表現も拙い。そもネタが面白いかよくわからなくなった、云々

    オレガノ・ケント・ビューティはホップに似た見た目の花だそうです
    朝、スタジアムの自室に来たら、バレンタインカードと花束があった。もうファンレターの第一陣が来たのかと思ったけれど、まだほとんど誰も出勤していない時間だから、そんなわけがない。
     じゃあ、誰かが置いていった? ええ、なんかこわい。
     そんな気持ちで、上司で責任者であるダンデさんへ報告がてらメールしたら、「危険はないから安心してほしい。あと、差出人は絶対に俺ではない」との返信だった。明らかに何か知ってるのに、差出人を何度尋ねても同じことしか言わない。
     たぶん、自分で探せということなんだろう。でも、残念ながら差出人にはまったくもって心当たりがなかった。
     始めに、これが置けた人から考えてみる。関係者か試合の出場者しか入れない区域だから、きっとそのうちの一人。それだけじゃ全然絞れないから、聞き込みをしたかったけれど、大っぴらに聞いて、その人が差出人本人だったら困る。なんか、気まずいし。それとなく探し回ってみても、うすぼんやりとした話では何にも情報は集まらなかった。くそう。
     仕方がないので、次に、カードと花束にヒントがないかを調べてみる。
     普通のバレンタインカードだ。文面は印字された「親愛 2972

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    MOURNINGワンライ「アフタヌーンティ」のボツ
    本気でただのネタ状態

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    ユウリ 十代後半~おとな
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     目を覚ますと森の中 起きてうろうろと歩く 声のする方へ
    「ホップ、どこ?」
     標識に『ホップの家』とある なんだこれ 石垣の向こうへ コートに 大きな机とソファと椅子がいくつか
     ソファにぎゅうぎゅうづめで三人座ってる 全部ホップ は?
    「あ、ユウリ」
     大人の姿のホップが嬉しそうに笑う
    「席ならここだぞ」
     少年の姿のホップがカップを傾けて、二人の間を指さす そこ、出会ったころより幼いホップが座ってるのに?
    「他にもいっぱいあるじゃん」
    「でもここだぞ? 招待状にあるだろ?」
     大人のホップなんでエースバーンの耳? いつの間にか手に招待状 『席:ホップの隣』
     ぎゅうぎゅうに座ってる真ん中に座らせられる
    「なんでホップが三人もいるの?」
    「なんでって、三人いるから」
    「そうだな。三人いるから三人いるんだ」
     わけわからん 当たり前だろという顔をする 2174

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    MOURNINGワンライ「ポッキー」「秘密基地」のボツ
    理由:ちょっと前にも酒飲みネタやったでしょおじいちゃん
    「エール三つと……今日はミックスナッツ? じゃあ──」

    「……ネズさん、ここカード使える……?」
    「安心しな。見た目は高そうだけど、ここバーってわけじゃないんで。金額はいつものパブに毛が生えたくらいです。お前の手持ちで足りますよ」
    「ま、今日は俺たちがおごるから気にしなくていい」
    「それはそれで申し訳ないんだぞ……」

    「そういや俺とナックルで飲むとき二番目にはいつもここ来るけど、他に店知らねーんですか」
    「行きつけって言えよ……ここいいだろ。なんか『秘密基地』ぽくって好きなんだよ。静かだし」
    「静かでいいのは俺も思いますけど……お前、将来ジジイになったらツーリングにハマった後、最終的に陶芸始めそうなタイプですよね、案外」
    「喧嘩ならバトルで買うぞネズ」

    「ホップ、今なに考えてるか当ててやろうか」
    「……え? あ、ごめん。ぼーっとしてて、」
    「『今度ユウリ連れてきたいなぁ』」

    「ほんとわかりやすくノイジーな野郎ですね」
    「まだ何も言ってないぞ!?」
    「そのノイジーな顔に出てる」
    「どういう意味か分からないぞ……」

    「ったくもー『秘密基地』っつったろ。百歩譲ってオトモダチのあのピ 749

    Meow_Atom_No_17

    MOURNINGだいぶ前のワンライお題「海」のプロトタイプと言う名のボツここ数日夢を見る。

     厚い雲で薄暗い波打ち際にユウリが一人で立っている。黒いワンピースを着て、水平線の向こうを見つめて。声をかけると振り返って俺の名前を呼ぶ。
     ユウリに手を引かれて海に入ると生暖かい黒い水がまとわりつくように絡まって、バランスを崩す。浅瀬のはずだった海は急に深くなって、そのまま二人でどこまでもどこまでも沈んでゆくんだ。
     怖いはずなのにちっとも怖くなくて、笑いがこみあげてくる。ユウリも俺の両手を握ったまま嬉しそうに微笑む。どんどん視界も暗くなって、ユウリの白い顔と腕しか見えなくなって。
     で、気が付いたら朝。

    「いや、それ大丈夫なのホップ。だいぶ拗らせてない?」
    「俺もそう思うぞ……」

     言いづらそうに伝えられた、ここ数日のホップの色濃いくまの理由にソニアは優しく彼の肩を叩いた。ホップの気持ちは知っているが、いささかよろしくない願望でもあるのだろうかこの助手は。しかしそれも無理もないかと考え直す。相手は今をときめくチャンピオンユウリで、引く手あまたなのだから。

    「夢を見てるってことはまあまあ眠れてはいるんだろうけどなぁ。でもポケモンが何かしてることも否定できな 2016

    Meow_Atom_No_17

    MEMO弊社msrの話
    続くかもしれないけれど、視点を変える予定なのでこの内容は使わない
    随分と簡略化された入国審査は、僕がポケモンを所持していないから余計に早く終わった。ガラガラと機内持ち込み可能なスーツケースを引きずり、到着ロビーを目指してのろのろと歩く。

     今回の出張は、再来週に引っ越すための部屋探しを兼ねている。その話に異常に食いついたユウリが、空港まで迎えにくるという話にもなっていた。
     僕らの両親とは違って、僕とユウリはそんなに親しいわけでもない。だから、「ガラルには何度か来ているし、迎えとかいらないんだけど」と何度か断った。そうすると、今度は僕の両親を篭絡したらしく、彼らから「ガラルの住宅事情は割とシビアみたいだから、せめて部屋探しは手伝ってもらいなさい」と押し通されてしまった。
     僕はユウリのそういうところが昔から苦手なんだ。向こうも似たようなことを思ってるに違いないけれど。今回迎えに来るのも、いやがらせ以外の何物でもないと思う。
     しかし、土壇場で出迎えが別人になったらしい。機内のWi-Fiにパソコンを繋いで仕事していたら、ユウリからそんなメッセージが届いていた。「すごーく信頼できるけど、絶対仲良くしないで」との文面と共に、彼の名が記載されている。
     い 1031

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