いとしの黒猫ノースディンと恋仲になってから、罪深い感情をたくさん知った。
嫉妬もそのひとつだ。
他の吸血鬼と親しげに話す彼を見ると、もやもやする。
無理に飲み込んだ大きな食べ物が、胸につかえているような感覚。
私が彼と過ごした時間は、彼の古馴染みと比べればほんの僅かだ。
だから、仕方ない。
そうやって理屈で片付けようとしても、次から次に胸の苦しみが湧いてくる。それゆえに、嫉妬は人を罪へといざなう、7つの欲望に数えられるのだろう。
今日、ノースディンは旧知の吸血鬼たちとnoomをしている。
私の頭を膝にのせて。
屋敷に遊びに来ていた折、この時間だけは予定があると言った彼に、少し寂しいと思ったのを見抜かれたのだろう。
来なさい、と手を引かれ、あれよあれよという間に膝枕。
1951