【百獣チャンネル・特別編】謎のレスラー"X"とその恋人へ突撃インタビュー‼︎①　年末恒例、百獣レスリング年越し大決戦、伝説——もとい『珍騒動』——の一夜から、月もまだ跨がないうちのこと。
　ドレークとホーキンスの元へ、キングからある連絡が届いた。
「おれたちをメインで動画の制作を？」
　予想もしていなかった内容に二人は驚きを隠せなかった。
「ああ、あの後の反響が予想よりも大きくてな。ドレークが元々短期間しかいなかったこともあって、あることないこと情報が飛び交っている状態なんだ」
　端末のカメラの向こうでキングが説明を続ける。
「放置してるとエスカレートして百獣全体のイメージにも関わってくる恐れがある。
　だが、ホーキンスは関係者とはいえ一般人。悪く言う奴がいても『百獣とは関係ないだろ』と言われてしまえばうちも手出しできない。

梅雨の音】【梅雨の音】

中里介山は帝国図書館に転生した文豪の中では背が高い方に入る。
いつの間にやら彼は図書館で利用客が理不尽なクレームを入れてきたとき、対処をする係となっていた。
トラブルが起きそうになったらなかざとを立てておくと彼の見た目や性質で穏便に収まることが多いのだ。

「嫌なら断っても良かったんだぞ」

「事件に巻き込まれたのだ。解決をするためには力を貸そう」

雨の中、吉井勇と共に介山は外に出ていた。
帝国図書館のトラブル解決人となっては来ているが、介山としては手が貸せるところは貸したいとは思っている。
断る権利もあるので、断るところは断ってはいるのだが。
今回は出ることにした。知らせを持ってきたのは正宗白鳥で、買出しに出かけた島田清次郎が事件に巻き込まれたという。

【二次創作】マカロンを食べる話（春クリ）「マカロンを食べに行きましょう」

放課後、クリスが春に提案する。なんでも、クラスメイトと食べたマカロンがおいしかったのだそうで、お店を聞いたから一緒に食べに行こうとのことだった。

「いいですね、行きましょうか」
「ありがとうございます！」

クリスが嬉しそうに言う。その笑顔はまぶしく、春の心も自然と明るくなる。

***

「このお店なんです」

レンガ造りのレトロな店の前で、クリスが言う。

「おしゃれなお店ですね」
「そうなんです。お菓子もとてもおいしいんですよ」

クリスが扉を引く。チリリン、と鈴の音が鳴って、店員の穏やかな声が耳に届く。

「いらっしゃいませ」

店内は明るく、BGMも可愛らしい。

「あれがマカロンですね」

春がショーケースのお菓子を見てつぶやく。クッキーやフィナンシェ、マドレーヌなどのメジャーなお菓子に混じって、箱に入ったマカロンや、可愛らしい缶に入ったカラフルなチョコレートなど、色々なお菓子が置いてある。