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    suicha0000

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    suicha0000

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    「けほっ、こほっ、、」
    またりくの苦手な時期。季節の変わり目は気温の変動が大きくてどうしても発作が出てしまう。ちゃんと手洗いうがいをして、早くに寝て、お薬も飲んで気をつけているのに。今日の発作は吸入をしても苦しいのが治らなくて、朝早くにお母さんに病院に連れてきてもらった。いつもの先生は朝早いからまだいなくて、いつもと違う先生に対応してもらった。慣れない先生だから少し緊張した。
    「ネブライザーで吸入と、点滴もしましょう。少し酸素をつけようか」
    先生が看護師さん達に準備してくれるように伝えると、ベッドのある部屋に移動する。お母さんはもう少し先生とお話しするみたい。りくのいないところでお話をするのはきっとよくないこと。入院しましょうって言われているのかもしれない。いやだなぁ。また天にぃと離れ離れだ。
    お鼻に酸素をつけて、ネブライザーで吸入をする。この機械、大きい音がするからあまり好きじゃない。でもお家でする吸入より息がしやすくなるのが早い気がする。10分くらい吸入しているとお薬が空になったみたいで白い煙が出なくなった。吸入が終わったら次は点滴をするみたい。看護師さんが点滴の準備を持ってきた。袖をまくられて、腕を看護師さんが触れていく。
    「陸くん、ちょっとちくってするよ」
    「うん、大丈夫」
    点滴を入れるために消毒される。ひやりとして少し身体に力が入る。点滴は何回もしたことあるから慣れているけど、どうしてもこの瞬間は緊張する。
    「えらかったね。ちゃんと点滴入ったよ」
    顔を背けて我慢していたら、点滴が入ったことを看護師さんが教えてくれた。看護師さんが点滴が入っているところを包帯でぐるぐると巻いていく。病院の売店とかで点滴をしている大人の人は包帯でぐるぐるされていない。りくも大人になったら包帯でぐるぐるされなくなるのかな。
    「陸」
    「あ、お母さん。けほっ、」
    お母さんの顔が少し硬い気がした。硬いけど優しい顔。
    「陸、今日なかなかお咳が止まらなかったでしょう?少し入院して、良くなったらお家に帰ろうね」
    「・・・うん」
    入院かもしれないって分かっていたから大丈夫。でも、嫌だなぁ。今日も天にぃと一緒に寝ようって約束したのになぁ。お部屋に着いたらお母さんが入院の準備をしてくるって言って一回家に帰ってしまった。寂しいけど大丈夫。大丈夫大丈夫って自分に言い聞かせるけど勝手に涙が出てくるからバレないように目を擦る。こんなことで泣いていたら格好悪い。

    「あ!陸くん!」

    声が聞こえた方を向くと前回の入院の時に同じ部屋で仲良くなった⚪︎⚪︎くん。一緒な病気で少しお兄さん。

    「僕も昨日入院になったんだ。今回もよろしくね」


    お母さんが帰って、ひとりぼっちだと思ったから、お友達がいて嬉しかった。
    「うん!よろしくね」
    「あら、もう二人仲良しさんなの?」
    お部屋に来た看護師さんに聞かれる。
    「そうなの。前の入院の時に仲良くなったんだ!」
    さっきまで寂しくて不安でいっぱいだったけど、今はもう大丈夫。お友達がいるから大丈夫。
    「陸くん、苦しくなったら教えてね」
    「うん。分かった」
    「ここ押すのよ」
    「知ってるよ!大丈夫!」
    ナースコールを持って看護師さんの呼び方を丁寧に教えてくれる。りく、何回も入院しているし、ナースコールも押したことあるから大丈夫だよ。お昼頃にお母さんがお着替えとか入院に必要なものを持ってきてくれた。りくの好きなゼリーのジュースもある。発作が起きた後だから、食べていると息が苦しくてあまり食べれなかった。
    「学校が終わったら天が来たいって」
    「天にぃ来てくれるの!」
    夕方が待ち遠しい。早く天にぃに会いたい。お母さんはお仕事があるから荷物を置いて少ししたら帰ってしまったけど、天にぃが来てくれるから大丈夫。りく、待てるよ。
    「陸くんなんか嬉しそうだね」
    「うん、嬉しい。天にぃが来てくれるから」
    「僕も天くんにも会えるの楽しみだな」
    前の入院でも天にぃは毎日面会に来てくれていたから、⚪︎⚪︎くんも天にぃのことを知っている。夕方に天にぃが来て一緒に沢山お喋りできるのが待ち遠しい。

    「けほっ、こほ、」
    もうすぐ天にぃが来てくれるくらいの時間なのに咳が出てきた。さっきまで大丈夫だったのに。今発作が起きてしまったら天にぃに会えないかもしれない。看護師さんに言うのは天にぃに会ってからがいい・・・。
    「こほっ、ぜぇ、、」
    「陸くん、苦しい?看護師さん呼ぶよ」
    「だめ、、てんに、きてから」
    「でも」
    「さんそ、してたら、だいじょ、ぶ」
    天にぃに会ったらちゃんと看護師さんを呼ぶから。もう少しだけ待って欲しい。少しでも息ができるようにゆっくり大きく息をするようにするけど、どんどん咳がひどくなる。ひゅーひゅーと嫌な音も聞こえてくる。なんでなんで。なんでいつも・・・。
    「陸くんごめんね」
    頑張って息をしていたら看護師さんがお部屋に入ってくる。看護師さんはりくの様子を見て慌てたようにナースコールを押す。
    「陸くんが発作!誰か来て」
    看護師さんがナースコールに向かって話すと、先生と他の看護師さんがすぐに入ってきた。

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