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    suicha0000

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    一織の不調「いおりん、これ、おまけでついてきたからあげる。ロップちゃん好きだろ?」
    どうせいつもみたいに好きなくせに好きじゃないふりしながら受け取るんだろうなと思っていた。
    「・・・ありがとうございます」
    予想に反していおりんが素直に受け取り、嬉しそうに幸せそうにロップちゃんを見つめている。あ、おかしい。そう思って額に触れる。
    「あっち!!いおりん、熱!!熱あるよ!!」
    「大丈夫ですよ」
    ロップちゃんを眺めながら淡々と話す。
    「大丈夫じゃねーよ!!やまさーーーん!みっきーーー!!そーーちゃーーーん!!!いおりん熱!熱出してる!!!!」
    ちょっとするとやまさんがちょっと慌てたようリビングに入ってきた。そういえばみっきーもそーちゃんも今は仕事だった。
    「何?イチ、熱?」
    「いおりん、めっちゃ笑う。あとめっちゃ熱い。あとなんか変」
    やまさんがいおりんに触れると、いつもはキリッとした顔で「勝手に触れないで下さい」とか言いそうなのに、ふにゃって笑って「くすぐったいです」って話す。やばい、おかしい。
    「なに?一織どうしたの?」
    ひょこっと現れるりっくんに驚く。
    「わーーー!!!りっくんだめ!!こっちくんな!風邪治ったばっかだろ!」
    「風邪治ったから大丈夫だよ」
    「違うって!そうじゃない!!りっくんいおりんの風邪うつったらどうすんだよ!」
    「えーじゃあマスクするよ?」
    「そうじゃない!!!」
    とにかく、今すぐにりっくんはこの場を離れてほしい。二週間前の風邪がつい最近やっと治ったのに、ここでいおりんの風邪がうつるとまたぐったりしてしまうかもしれない。りっくんが熱出したり発作起こしたり、苦しむ姿を見るのは怖くて嫌だ。
    「リク、タマの言う通り、ちょっと部屋に戻ってなさい。感染するものだったら困るだろ」
    「はぁい」
    やまさんの言うことを聞いて渋々部屋に戻る。次はここで真っ赤な顔でニコニコしているいおりんだ。
    「タマ、体温計取ってくんない?」
    やまさんに体温計を差し出すと、いおりんの脇に差し込む。ピピピと測り終わったと小さな音が響く。
    「うっわ、いおりんやっば」
    「あら〜これは病院だな〜。タマイチ運ぶのに一緒にきて」



     病院に到着した頃には、さっきまでほわほわと笑顔を見せてたイチも体力の限界が来たようでタマにぐったりと身体を預けていた。
    「いおりん、あっちぃ」
    「タマ重かったら変わるからな」
    「大丈夫」
    誰かが体調を崩した時体格のいいタマがよく運んでくれている。順番になり診察室へ呼ばれ、移動した。診察の結果は風邪と疲労。恐らく最近まで一番陸の世話をしていたから、それがうつったのだろう。熱が高すぎるから点滴をして帰ることになった。処置室のベッドで横になるイチは熱のせいで呼吸が浅く、苦しそうだ。看護師さんが点滴のセットを持って入ってきて、イチの腕に触れる。「和泉さん、ちょっとチクっとしますね」と声をかけられた時にポロッと涙がこぼれた。
    「イチ、しんどいな」
    「いおりん、大丈夫?」
    「・・・だい、じょぶです」
    そっと額にふれ、頭を撫でるとゆっくり目を開く。熱のせいで涙が勝手に溢れてくるのか、ポロポロと瞬きと共にこぼれていく。一時間ほど経ち、点滴が終了した。点滴が終わった頃には少し熱も下がったようでイチの意識ははっきりとし、呼吸も落ち着いていた。
    「ご迷惑をお掛けしました」
    申し訳無さそうに謝るイチ。
    「迷惑なんかじゃねーよ。いおりん、元気になってよかった」
    「イチ、お前さんがいつもリクに言ってるだろ。体調崩しても迷惑なんかじゃないって」
    「・・・ありがとうございます」



     病院を受診してから2日ほど経っても身体がとても怠かった。動くと関節が痛むし、立ち上がるとふわふわして気持ち悪い。まともに動けないためロフトベッドは無理だろうと兄さんの部屋で寝かせてもらっていた。
    「一織、お粥食べれるか?」
    兄さんがお粥を運んできてくれたが、食欲は全くない。でもせっかく作ってくれたから・・・と食べようとはするが3口目で限界が来た。多分これ以上食べると多分吐く。スプーンを持ったまま固まっていると無理しなくてもいいからなと、笑顔で頭を撫でられお粥は回収された。
    「一織、体調崩したら一気に熱跳ね上がるし、食欲もなくなっちゃうもんな〜」
    「・・・すみません」
    「謝ることじゃないって。早く治るといいな。今薬と水持ってくるから」
    そう言って兄さんが私が残したお粥を持って部屋を出ていき、薬と水を持って戻ってくる。私が薬を飲み、そのあと眠るまでそばで話をしてくれ、心地よい兄の声で安心できた。
    次に目が覚めたとき、目の前に赤い髪が見えた。・・・赤?と思い、意識が完全に覚醒する。
    「あなた、バカなんですか?!」
    「寝起き早々人のことバカって・・・?!」
    「私、今風邪引いてるんですよ!自分にうつったらどうなるか考えて下さい!!!」
    「大丈夫だって!多分それオレの風邪うつっちゃったんだろ?」
    七瀬さんが申し訳なさそうに話す。
    「関係ありません!!今すぐ出ていって下さい!」
    「なんで!俺も看病出来るから!・・・一織、そういえば元気になったね」
    七瀬さんにそう言われ、自分の体調が回復していることに気づく。身体の怠さも、ふわふわする感じも、関節の痛みも無くなっていた。
    「元気になっても油断したらだめだよ。ちゃんと寝てないと!」
    「あなたにだけは言われたくありません」
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