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    kinakoron_prsk

    @kinakoron_prsk

    可哀想な推しが好き

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    kinakoron_prsk

    MOURNINGお人形になりたい🌟くんのお話
    恐らく続きを書くことはないであろう🌟誕予定だったお話を供養させてください。🎈🌟です。
    お人形になりたい🌟くんのお話 司くんの部屋には綺麗なお人形が飾ってある。
     一見するとどこにでもあるような普通の人形なのに、彼の部屋で見たそれは何故か特別なもののように感じた。そう、例えばセカイに突然現れた僕のドローンたちのような。

    「今飲み物を取ってくる。適当にくつろいでいてくれ」

     初めて司くんの家にお邪魔した時のこと、僕を自室に案内したあとに彼はそう言って部屋を出ていった。適当にくつろいでくれ、という彼の言葉を都合よく受け取った僕は司くんの部屋を観察することにした。
     プライバシーという言葉を知らないのか、と突っ込みたくなるほどに開けた吹き抜けに、大きな窓。壁際に置かれた特大の姿見の前で司くんはショーやかっこいいポーズの練習をするのだろう。脚本を考えるのは勉強机かはたまたソファとセットのように置かれた丸テーブルか、どちらにせよ彼が頭をひねりながらノートを埋めていく姿を想像するのは容易い。自然と弧を描く口元に手を当てて、ガラス窓のはめられたクローゼットをちらりと覗き見た。なかにはトロフィーやら賞状やらが規則正しく並べられている。そのどれもがピアノのコンテストや発表会のものらしく、そういえば彼の特技はピアノだったか、と思い出した。次のショーの演出に使えないだろうか、と思考をめぐらせながら振り返ると一際目を引く物を見つけた。
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