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    宇●田●●ル様の某歌を聞いておかしくなったのでアウトプット五夏。
    書きたいところはここじゃないのに、その手前で躓いている。誤字脱字すいません…。
    終わるかわからないので、途中の段階を投げて置きます。急に書きたいところだけ書いて終わるかもしれない。そんな中途半端な尻切れ。
    ※大学生現パロ、記憶なし。モブが出ています。何番煎じかわからない作風。

    #五夏
    GoGe

    君に夢中夏油との出会いは、それこそ半年ほど前だ。
    授業が終わり、次のコマが別棟で行われるため移動していたところ、女性同士が争う声が聞こえてきたのだ。
    誰でも座れるように置かれたよくあるベンチを前に、綺麗な女性がキンキン声で怒鳴り合っている。
    こういうものはじろじろ見るものではない、という意見が世間一般的だ。しかし、五条から言わせれば、見られたくないようなやり取りなら、大衆の前でやるなということらしい。なので、こういったあまり不躾に眺めるものではない出来事であったとしても、五条は遠慮なしに見る。
    ま、これだけキャンキャンやり合ってたら、見るなっつー方が難しいと思うけどね。
    野次馬根性がすごい、というわけではない人でも、思わず目を引いてしまうくらいには目立つ喧嘩だった。五条はそれを無遠慮に、おーやってんなぁと眺めていた。
    何で怒鳴り合っているかまでは聞き取れなかったのだが、女性二人の奥に設置してあるベンチを見て、何となく察した。
    ああ。修羅場ってやつか。
    ベンチには長い足を組んで、目の前で繰り広げられる騒動を我関せずといった感じで無視している男が一人、座っていた。
    何を考えているのか、携帯を触りながら退屈そうにしている男は、それこそ今流行りの塩顔といった感じで、切長で冷たい印象を与える目元に大きな体躯、お団子で雑に纏められた長い髪。なのに全体的に綺麗にまとまっているように見えるのは、顔面の出来の良さからくるのだろうか。
    しかし、その男の前髪だけはどうにもいただけなかった。
    それは不自然に一房だけ垂らされていて、五条は変なのと鼻白んだ。
    偏見極まりないけど、絶対あの男が原因で揉めてるでしょ、あの女子ら。だってあいつ、すげーケーハクそーだもん。面白そうならもう少し眺めててもいいかなと思ったのに。
    どの口が“ケーハク”と言うのか、呆れてしまう程の下卑た考えで、五条は興味が失せたと言わんばかりに視線を逸らして大股のまま別棟へ向かった。
    記憶に残っているのは、ベンチに座っていた大男…よりも喧嘩をしていた女性の方だった。
    だから、五条が初めて彼を夏油だと認識したのはその後の授業の際だ。
    教壇から一番遠い後ろの席に陣取っていた五条の隣にわざわざ座った男が、喧嘩を眺め飽きてようやく授業に参加した夏油だった。
    五条は容姿や家柄こそいいが、性格は万人受けしなくて、気難しい。気難しいというか…端的に言うと我儘で性悪だ。
    顔よし、家柄よしでモテないわけがないのだが、その性格の悪さで寄ってくる女性は悉く振り、友人面をしようとしてくる男共もまた、同じように手酷く突き放していた。
    そんなわけだから、入学当初は五条の周りには人が絶えなかったが、半年経った今ではめっきり減った。ほぼゼロと言ってもいい。五条が認めた人間しか、彼に声をかけることがなくなったのだ。
    そんな五条の隣にわざわざ夏油が座りに行った時は、教室中の…授業中の先生までもがその様子をハラハラと見守った。

    「ここいい?」
    「別に。っていうかもう座ってんじゃん」
    「ここだけやけに空いてたからね。よいしょ、っと」

    夏油の方を見もせずに返事をする五条。
    それに気を悪くするでもなく、夏油は悠々とクラッチバッグからタブレットと備え付けのキーボードを取り出して机の上に置いた。それから、さっきからそこにいましたと言わんばかりの顔で授業を聞き始めた。
    五条は相変わらず、夏油に視線さえ寄越さずつまらなさそうにノートに落書きをして遊んでる。
    暫くは二人ともおとなしく授業を眺めていたのだが、先生の話しに熱がこもり始めてきた頃、夏油が小声で五条へ話しかけた。

    「ねえ、この後暇?」

    五条はその問いかけを無視してノートに落書きを続けていた。夏油はめげもせずにねえねえと声をかけ続ける。
    それでも五条が無視を決め込んでいれば、何かが体に当たる感覚がし出した。
    その衝撃は大したことはない。でも、大したことがないからこそ、不規則に飛んできては何かがあたるその感触が不愉快極まりなく、五条はとうとう物が飛んでくる方に視線を寄越した。
    視線の先にはちょっとつまらなさそうな顔で何かを投げてきた直後の夏油がいて、ちょうど目が合ってしまった。目では追えない位の小さい何かが五条の体に着弾すると同時に、夏油は嬉しそうに表情を明るくした。
    何を投げているのかと手元をみれば、どうやら消しゴムを小さく千切って投げつけていたらしい。歪に欠けた消しゴムを手にして、夏油はやっとこっち見たと笑って、投げる手を止めた。

    「ぁにやってんだよ」
    「君が呼んでもこっち向かないから。気付いてくれてよかったよ。じゃないとこの消しゴムが千切り過ぎてなくなっちゃうところだった。はい、返すね」
    「あ?返すってなんで……って、これ俺の消しゴムじゃねーか!?」

    こそこそと手にしていた消しゴムを目の前に置かれ、不思議そうにそれを覗き込めば
    、それは五条が使用し始めたばかりの消しゴムだった。確かに、授業が始まってすぐに消しゴムを出して脇に置いた記憶がある。それが、こんな無残な姿に…。
    勝手にとって勝手に千切って投げてきて…。五条にしては珍しく正当な怒りに声を荒げて勢いよく立ち上がれば、先生は驚いて授業の手を止めた。ほかの生徒も思わず振り返るので、結果として全員の視線が五条に集まってしまった。

    「ど、どうしたのかな…?」

    先生はずり落ち気味の眼鏡を押し上げながら、恐る恐るそう五条に問いかけた。
    授業をめちゃくちゃにするような破天荒な振る舞いはもちろんしたことなんてないが、やりかねないぞこいつは、と思わせるような何かがある。
    その様子を見守る生徒も先生と同意見のようで、心なしか頭を低くして五条の返事を待った。

    「…………なんでもねぇ、です」

    意図せず全員の視線を集めてしまい、咄嗟に下手くそな敬語で取り繕いながら、五条はまた元の席に座りなおした。
    先生も生徒たちも内心大きく息を吐いて、張り詰めていた神経を一斉に緩めた。
    もう授業終了まであと少しなんだ。大人しくしててくれ…!
    先生は胃のあたりをさすりながら授業の続きに戻っていき、生徒達も触らぬ神に祟りなしと言わんばかりに、視線を前に戻した。
    その間も、夏油はくすくすと笑っていて、声が出てしまわないように肩を震わせている。
    五条はそれを見て、収まらない怒りに任せて乱暴に腰を下ろした。夏油はその様子を横目に、目尻りに溜まった涙を拭って、はーくるしいと呼吸を整えていた。

    「てめぇまじで後で覚えとけよ」
    「ごめんね、君がすごい真剣に落書きしてるから。まさかこんな簡単に掏れるとは思わず」
    「一言余計なんだよなぁ?!」
    「あはっ、そう、そうだね、ごめんごめん。あ、そうだ。ならさ、この後消しゴム弁償するからさ。一緒に遊ぼう」
    「遊ばねぇよばーか!」
    「そうかい?じゃあ五条君って呼んでもいい?」
    「くそっ馴れ馴れしいなこの前髪ゴリラが」
    「え?なに?聞こえない。いいとこのお坊ちゃんが消しゴム程度で怒るなよ。心の広さは庶民以下って?」
    「゛あ?」
    「あはっ、五条君顔こわ~い。ほら、前向いて。後で遊ぼうね」
    「だから遊ばねぇよばーか!」

    そんな剣幕になりつつも、なんとか授業は乗り越えた。
    結局授業が終わった後も、夏油は五条の後について回って、珍しく根負けした五条が嫌そうに夏油と店を周る羽目になったし、その後も、何度も夏油の押しの強さに負けて会った。
    はじめは夏油から誘って。その後は、五条から。夏油の姿を見かければ、照れくさそうにしていた挨拶もここ最近は慣れきってしまって、気心が知れた短いやり取りに変わった。
    もう誰がどう見ても、五条と夏油は確実に友人になっていた。

    「最近、夏油のやつめっきり女遊びしなくなったよな」
    「あーそうかも。夏油絡みで喧嘩してる女みかけなくなったわ。ってか、夏油って男女関係なくいっつも誰かと揉めてるイメージない?」
    「それは…あるな。ってか、男?はどうせあれでしょ、その女に実は彼氏がいたとかそんなんでバトッてんだろ?」
    「いやー実はそうじゃないらしいよ。マジで男女関係なく誑かしてるって、先輩からきいたんだけど」
    「嘘乙……え、まじ?それ俺知らないんだけど。詳しく」
    「いや、俺も詳しくは知らねぇって」
    「でもさ、今まであんだけ夏油の周りで喧嘩が絶えなかったのにこんだけ落ち着いてるってことはさ、ついに意中の人でもみっけたんじゃないの?」
    「え~なにそれ!女?まさか男?」
    「どっちだと思う~?賭ける?」
    「ぎゃはは、サイテー。でも夏油が誰かと付き合いだしたなら俺らにもワンチャンあるかも?」
    「お~!」

    廊下ですれ違う名前も知らない男達が下世話な話に話を咲かせながら五条の横を通り過ぎて行く。
    「今の話マジ?」喉元まで出かかった言葉を咄嗟に飲み込んだ。
    それでも体はその男たちが気になって仕方がないようで、前に進もうとせずにその場に縫い付けられたように動かなかった。
    女…だけじゃなくて男も?彼女じゃなくて彼氏?あいつ男と付き合ってんの?付き合ってたの?今は?今も?え、どっち?
    男たちはそんな五条に気が付かないまま、どんどん歩いて行ってしまい、もう話し声さえ聞こえなくなっていた。今更振り返ったところで、あの二人はもう視界に入れることさえかなわないだろう。
    そうわかっているのに、耳だけが行ってしまった男たちの会話の続きを探ろうと過敏に周囲の音を拾い上げている気がした。
    前からも後ろからも人が良く通る、校舎と校舎を繋ぐ一階の渡り廊下は、外に面していて屋根があるだけの開けた道だ。そのためとにかく人の行き来が多い。
    そんなところで立ち止まれば、聞こえてくる声は先程の下世話な会話なんかではなく、戸惑うような溜息やイラついた舌打ちだ。
    五条は不自然に止まってしまった足を無理やり前に進めながら、しっちゃかめっちゃかになった脳内を整理すべく高速で頭を回転させた。
    確かに?知り合ってしばらくは何度か知らない奴に夏油絡みで乱入されるシーンがあった。でもそれは全部女で、それこそあの日見たような、女の言い分を夏油が流し聞いて、「それは君の勘違いみたいだ。じゃあね」と手酷く振る。ただそれだけのやり取りだったはず。
    まさか…それが女だけじゃない…?男?しかも女の彼氏って意味じゃなくて、夏油と付き合ってる?のが男?
    考えれば考えるほど混乱は増すばかりで、思考の整理なんて到底出来そうになかった。
    何よりも自分が「夏油傑に彼氏がいる(いたかもしれない)」ことにこんなに動揺するとは思わなかった。今の自分の状態を受け止めるとして、何故動揺するのかがわからない。何故胸が焼けるように熱くなるのかわからない。……いやわかる、心当たりはない、こともない。
    それでも、もう訳が分からなくなってふと顔を上げれば、いつかの女二人が大喧嘩していたベンチの前まで移動してきてしまったことに気が付いた。
    ここは日陰でじめじめするから、あんまり人が通らなくて、私は気に入ってるよ。彼女たちは…知らないな。座ってたら勝手に集まって喧嘩しだしたんだ。
    日が当たらないベンチを見て、思わず夏油のあの日の言い分を思い出した。
    なんであんな女が喧嘩してるところで座ってたの?……当時した質問に対しての夏油のずれた回答は何度思い返しても、なんか変じゃね?以外の感想はなく、少しだけ笑えた気がした。
    いやもうマジ、あの最低前髪男が誰とどうなってようが俺とは関係なくね?馬鹿みてぇ。
    笑えたかもしれないけど、結局あいつのことを考えていて。ここには居もしないやつのことで振り回されるのはまっぴらごめんだ。
    五条は疲れた頭を休めたくて、ふらふらとベンチに歩み寄ってどっかりと腰を下ろした。
    ちょうど良いタイミングで冷えた風が五条の頬を撫ぜた。考えすぎた頭を冷やすにはとても効果があったが、何故か胸の内にわだかまる違和感だけは消えなかった。
    悪態をつきながら頭をかいて、足を遠慮なく前に放り出し、頭をベンチに預けて空に視線を向けた。

    「あー、あいつのこと考えると頭疲れる……いや考えてねーし…でも疲れる」

    空は晴れているんだろうが、わずかな日の光さえ逃すまいと隙間なく広がる葉のおかげで、空の青さを捉えることは叶わなかった。それでも風に揺れて、わさわさと鳴る葉の音は心地よくてせめてもの慰めになるかと目を閉じてみた。
    目を閉じてしばらくは風の心地よさに気が紛れていたが、目を閉じてしまったせいで意識が内に向いて、また名付けがたい感情がむくむくと首をもたげてくるのを感じた。
    いやだからなんだよ、このムカムカは。今日の昼何食べたっけ…?ああ、学食だ。学食の中でも比較的ましな味のオムライス。ケチャップの味がこう、うまいんだよな…あいつは蕎麦食べてたっけ。今日は山菜蕎麦。爺臭くてさ、でもなんかあいつはおいしそうに食べてて……あー。
    このムカムカは胃もたれかもしれない、なんて。気を紛らわすために自分の今日食べたお昼ご飯を思い出し始めた途端に、これだ。
    気が付けば当たり前のように五条の隣を陣取ってくるあいつ。
    どれだけ考えまいと遠ざけても、勝手に記憶の中にまで居座っている図々しさにどこまでも腹が立って、また頭を掻きむしった。
    んがぁあ!人が考えないようにしてんのにさぁ!なんで当たり前のように頭ン中にまでいるんだよ、ムカつくなぁ!大体男ってなんなの?いやどうでもいいよ男とか女とか、誰が誰と付き合ってるとかさぁ!でも、じゃあ俺のこと見てくるあの目は何なの!?
    頭をぐしゃぐしゃと掻き回した手のまま、目元を覆って唸った。
    気が付けば側に居るようになった夏油だが、それは五条としても楽しいし悪い気はしないので一向にかまわないのだ。敵わないのは夏油の目だった。
    勝手に五条について回るようになって、いつからか、気付けば五条を見る目が非常に喧しくなったのだ。
    喧しい……表現に困るのだがそうとしか言いようがない。そりゃ口うるさいことは多々ある。提出物はちゃんとしろとか、食い物は好き嫌いするなとか一人称はせめて「僕」にしろとか。でも、そうじゃないのだ。こちらを見る目が、あの目がとてもうるさいのだ。何をしてても、視線を感じる。その視線が五条くん♡五条くん♡って。
    いや、最初は俺も勘違いかなって思ったよ。でも、なんかやったらこっち見てくんだよ。それでなに?って聞けばかっこいいね、ってテキトーなこと言いやがってさぁ。そんな冗談しか言わねぇくせに、あいつの目が、ずっと俺の事呼んでる気がするんだよ…。
    夏油がなんのつもりでそんな目で五条を見ているのかわからない。そのくせ、あいつには彼氏も彼女もきっといて。
    だから、五条の中にもこんなもやもやとした灰色がかったよくわからない感情が芽生えるのだろう。
    きっとそうだ。
    五条は、今ならここで言い争ってた女共の気落ちがわかるな、と大きな溜息を吐いた。
    思わせぶりで。きっとあの調子なら女…男だって喜ぶような歯の浮くようなセリフを言うんだろう。それこそ顔色一つ変えずに。勘違いさせるようなことを、まるで呼吸するみたいに。相手が喜ぶようなことを言ってその気にさせて、遊ぶんだろう。
    ……あれ?それってつまり俺が今遊ばれてるってこと?

    「うわ、でっかい溜息。どうしたの?こんなとこで」

    五条はびっくりしすぎて声も出ないまま、肩を激しくびくつかせて目を覆っていた手をどかして、声がした方向──頭上を見やった。変な前髪が垂れて、不思議そうにこちらを見下ろす夏油の顔がすぐに視界に入ってきた。
    五条は何でもないようにベンチに座りなおして、自然と一人分腰かけられるようスペースを開けた。
    夏油はそこに当たり前の顔で座って、再度何してたの?と目だけで訴えかけていた。
    なんとなく先程の噂話とか五条自身が悩んでいることのせいで、夏油の目をまともに見れない。
    日よけ用の濃い目の色のサングラスを胸元のポケットから取り出してかけてみる。
    どう考えても、今急にこのタイミングで掛けるのは不自然だった。

    「なんでサングラス?」
    「あ、えー…眩しいから」
    「日陰なのに?」
    「馬鹿野郎。俺の目は色素が薄いから、こういう日陰でも眩しく感じるの」
    「そうなんだ?日陰でつけてるの初めて見たけど」

    やけくそで言い訳をすれば、すごい速さでやんわりと嘘を指摘された。細かい男は嫌われるぞと五条が唇を尖らせると、細かな変化にも気付いてあげた方が相手は喜ぶよ、なんてベタベタな切り返しをされて、五条はオエーッと舌を突き出して見せた。
    夏油はそれを見てやめなさいと眉を顰めるばかりで、うまく話しを逸らす事ができたか危ういところだ。

    「……まぁ、言いたくないならいいんだけど」
    「……今日俺、お前と遊ぶ気分じゃないから」
    「ふーん……」

    何とか誤魔化せたらしい。しかも、やんわりとだが、一人になりたいアピールも成功した。
    五条は安堵の溜息を漏らして、再度ベンチに頭を預けた。
    今度はサングラスをしたままなので、視界は先程よりも暗い。これはこれで隣の夏油の気配を探るのにちょうどいいのかもしれない。
    全身で夏油が離れていく気配を待っていたが、夏油が席を立つ様子は一向に感じられない。それどころか、肩掛けの小さなカバンから小説でも取り出したらしく、紙を捲る音までし出した。

    「……え、ここいんの?」
    「え、だめなの?」


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    b_g0e

    DONEはっぴばすで、ななみ!
    「好きな人に気持ちを伝えないまま友達ポジでいたら、普通に他人に結婚されてしまう」シチュ?が大好き侍でして。
    ここから見てわかる通り、灰七だけど灰が知らないモブ女とくっつきます。地雷な人は避けてください。(ふんわり現パロ)
    今ではないかもしれないのですが、私は今書きたいと思いました。
    幸福の味灰原雄が好きだと気が付くまで、馬鹿みたいに時間がかかった。
    出会ったのは、大学生の頃。四年生の大学で、自分と灰原の学科は違うが、時々被る必修科目があった。
    黒い髪に快活な性格。誰にでも優しく愛嬌があって、人のいいところを探すのがうまかった。
    こんな不愛想で退屈な私に何度も笑いかけ、根気よく友人を続けていてくれた。
    灰原の笑顔を見ると、まるで太陽を直視しようとしているみたいで、思わず目が細まってしまう。それがずっと不愉快だったのに、いつからかそれでもその笑顔に手を伸ばそうとしている自分に気が付いた。
    七海、七海。
    灰原に名前を呼ばれる毎に、自分の頬の強張りが少しずつ柔らかくなっていくのを感じた。
    どれだけ疑って否定しても、自分が灰原雄に恋をしているのだという結論に何度も何度も行きついた。
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