誕生日によせて お誕生日おめでとう、KK。
まだまだそっちには行けないけど、特別な日だから、手紙だけ届けに来たよ。
大丈夫、すぐに帰るから心配しないで。絶対に坂の境界線は超えないから。
手紙の中身? 別に大したこと書いてないよ。美味しいものいっぱい食べてるの、とか、やっぱりたばこ吸ってるの、とか。あとは今年の夏は暑すぎたとか、栗ご飯が美味しかったとか、そんなくだらないこと。
……あとは、さ。そっちがどんなところか僕には分からないから、いつかその時が来たら、ここまで迎えに来てほしいな、って。あの夜に僕を導いてくれたみたいに、そっちを案内してよ。楽しみにしてるから。
ああ、もうすぐ夜明けだね。さっき眠ったばかりなのに早いな。
これは夢で、僕が持ってるこの手紙も夢の産物だけど、この言葉がちゃんとあんたに届くことを願ってる。
じゃあね、KK。僕がそっちに行くのを待っててね。僕もあんたを待ってるから。約束だよ。