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    ことざき

    @KotozakiKaname

    GW:TのK暁に今は夢中。
    Xと支部に生息しています。

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    ことざき

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    2024年11月16日、短いですが、KKのお誕生日SSです。

    誕生日によせて お誕生日おめでとう、KK。
     まだまだそっちには行けないけど、特別な日だから、手紙だけ届けに来たよ。
     大丈夫、すぐに帰るから心配しないで。絶対に坂の境界線は超えないから。
     手紙の中身? 別に大したこと書いてないよ。美味しいものいっぱい食べてるの、とか、やっぱりたばこ吸ってるの、とか。あとは今年の夏は暑すぎたとか、栗ご飯が美味しかったとか、そんなくだらないこと。
     ……あとは、さ。そっちがどんなところか僕には分からないから、いつかその時が来たら、ここまで迎えに来てほしいな、って。あの夜に僕を導いてくれたみたいに、そっちを案内してよ。楽しみにしてるから。

     ああ、もうすぐ夜明けだね。さっき眠ったばかりなのに早いな。
     これは夢で、僕が持ってるこの手紙も夢の産物だけど、この言葉がちゃんとあんたに届くことを願ってる。
     じゃあね、KK。僕がそっちに行くのを待っててね。僕もあんたを待ってるから。約束だよ。
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    ことざき

    DONEこぼれ落ちてゆくもの。K暁。薄暗い。

    診断メーカー【あなたに書いて欲しい物語(ID:801664)】さんの【「ぱちりと目が合った」で始まり、「君は否定も肯定もしなかった」で終わる物語を書いて欲しいです。できれば3ツイート(420字程度)でお願いします。】から。
    忘れじの行く末に ぱちりと目が合った。それで分かった。これは夢なのだと。
     僕が右手を伸ばすと、彼もまた右手を差しだしてきた。重ねた指先は突きぬけなかった。筋張ってゴツゴツとした手の甲、かさついた皮膚の感触。やや低い、じんわりとした体温。握りこめば、同じだけの力で握りかえされた。
     彼がいる。今ここに、僕の目の前に。確かな身体を持って。夢でもかまわない。だって、彼がここにいるのだ。
     心臓を鋭い痛みが貫いた。喉が締めつけられ、押し戻された空気で顔中が熱くなった。気づいた時には、目の前のすべてが歪んでいた。
     波立つ水面のように揺らめく視界では、彼の姿を脳裏に焼きつけられない。しゃくりあげながら顔を拭おうとした僕より早く、彼の手の平が頬をおおった。そのまま親指の腹で目元をこすられる。とても優しい仕草なのに、硬いささくれが皮膚に刺さって痛い。思わず息を呑むと、覚えのある苦い香りが鼻先を掠めた。
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