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    StarlightSzk

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    晶蛍の蛍くんとハグについての話(2021.03.26)

    ##晶蛍

    ただ人の胴に腕を回すだけの行為になんの意味があるのだろう――とは、さすがの僕も思わない。
    たとえば勝利の栄光を掴んだ仲間とその健闘を称え合うとき、ひとつの手段として用いられる。またたとえばどうにも力が入らないときに支えてもらう目的だってある。
    でもこれは、そのどちらでもない。
    相手がしたいからと言って抱きついてくる、これは。

    「相変わらず、晶は僕の理解の範囲を超えてくるね」
    「うん、そうかな? これは君でも理解ができると思っていたのだが」

    胴がくっつく。こんなの、暑苦しい以外になんの感情が沸くって言うんだ。そう思ったそばから離れがたいという思いが過ぎったものだから、ひとまず口許に笑みをたたえたそいつの脚を軽くこづいてやった。

    こんなことばっかりして、いつの日か僕が腕が寂しいと思うようになったらどうしてくれるんだ。
    僕がそんな風に言えば、きっと晶は自信満々にこう答えるんだろう。
    「俺を呼んでくれたまえ☆」とね。

    こんな晶だからなんだろう。
    僕が隣りにいると選んだのは、きっと……たぶん。
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    StarlightSzk

    DONE【晶蛍】ほしあかりのワルツ
    22.3.10 9章配信2周年「#星空の下のふたり」
    「おやすみ」
    「おやすみなさい」
     瞼を閉じても、そこにもう闇はない。
     
     晶が『エトワール・キャッスル』などと呼んだ僕たちの拠点。そこには最低限の屋根しかない。故に三人が並んで寝転ぶと誰か一人はその恩恵に預かれない。雨が降った場合は別としても、星の輝きが降り注ぐなんて素敵じゃないかと晶が言ったために屋根が拡張されることはなかった。何よりあのとき僕たちは拠点を作り続けてくたくただった。だからこれ以上屋根が広がることもなかった。それだけの話だ。
     ともあれ、その屋根がない位置で寝る係が今日は僕だった。
     寝返りは最低限しか打てないが、方向を間違うと晶と鉢合わせる。晶は左にいるから右を向いて眠るんだと身体を硬くしていたものの、人間たるもの眠気とともに力が抜ける。そのうちに仰向けになり、そうしてついに左へと寝返りを打ってしまってから、ハッと気がついた。目を開ければあの主張がうるさい――見た目は整った顔が間近に広がってしまう。それはなんだか心臓が落ち着かなくなりそうで嫌だった。嫌でも数日前に言われたあれこれを思い出してしまうから。ああ、けれども彼だって寝返りを打っているかもしれない。その場合それは彼の愛しのマイ・エンジェルに向けられていることだろう。ノエルも大変なことだ。先程も「君を危険から守るために抱きしめて眠るよ!」なんて言い出して足蹴にされていたというのに。
    2023