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    StarlightSzk

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    晶蛍/本音が口を滑ったら

    ##晶蛍

    何を言ってるの? 僕が君と離れても生活していけることは君だってわかっているでしょ。晶はまったく本当に僕がいないと何も出来ないんだから、ちゃんとひとりで自立してよね。大人になった後まで僕がずっと一緒にいられるとは限らないし君にだってずっと一緒にいたい誰かが現れるかもしれないでしょ? ああ、チームでって意味じゃない。 プライベートを君がどうしようと君の自由じゃないか。君がずっと結ばれたい相手と巡り合ったならそれはお祝いしなくちゃいけないからね。だから何度言わせるのかな? 僕にだって僕の人生があるように君にだって
    「もういいよ、蛍」
    なにがさ。
    「すべてはこの俺の願いなのだから君は何も考えなくていいというのに、相変わらず優しいな、蛍は」
    このどこをどうとったら、
    「君の人生のなかで、ここまで俺と友であることを選んでくれている。それが答えだろう?」
    晶……君って本当に
    「だからもう一度言うよ。君を支えたいんだ、蛍」
    本当に……バカだよね。
    こんな、いつすべてを失ってもおかしくない僕を支えるだなんて。
    けれども、どうしてかな。
    君と一緒にいる限り、いつでもすべてを手に入れに行ける気もするんだ。

    「それは、俺達が最強だからだろう?」

    もう。
    仕方ないから、そういうことにしておいてあげるよ。
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    StarlightSzk

    DONE【晶蛍】ほしあかりのワルツ
    22.3.10 9章配信2周年「#星空の下のふたり」
    「おやすみ」
    「おやすみなさい」
     瞼を閉じても、そこにもう闇はない。
     
     晶が『エトワール・キャッスル』などと呼んだ僕たちの拠点。そこには最低限の屋根しかない。故に三人が並んで寝転ぶと誰か一人はその恩恵に預かれない。雨が降った場合は別としても、星の輝きが降り注ぐなんて素敵じゃないかと晶が言ったために屋根が拡張されることはなかった。何よりあのとき僕たちは拠点を作り続けてくたくただった。だからこれ以上屋根が広がることもなかった。それだけの話だ。
     ともあれ、その屋根がない位置で寝る係が今日は僕だった。
     寝返りは最低限しか打てないが、方向を間違うと晶と鉢合わせる。晶は左にいるから右を向いて眠るんだと身体を硬くしていたものの、人間たるもの眠気とともに力が抜ける。そのうちに仰向けになり、そうしてついに左へと寝返りを打ってしまってから、ハッと気がついた。目を開ければあの主張がうるさい――見た目は整った顔が間近に広がってしまう。それはなんだか心臓が落ち着かなくなりそうで嫌だった。嫌でも数日前に言われたあれこれを思い出してしまうから。ああ、けれども彼だって寝返りを打っているかもしれない。その場合それは彼の愛しのマイ・エンジェルに向けられていることだろう。ノエルも大変なことだ。先程も「君を危険から守るために抱きしめて眠るよ!」なんて言い出して足蹴にされていたというのに。
    2023

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    StarlightSzk

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    「おやすみ」
    「おやすみなさい」
     瞼を閉じても、そこにもう闇はない。
     
     晶が『エトワール・キャッスル』などと呼んだ僕たちの拠点。そこには最低限の屋根しかない。故に三人が並んで寝転ぶと誰か一人はその恩恵に預かれない。雨が降った場合は別としても、星の輝きが降り注ぐなんて素敵じゃないかと晶が言ったために屋根が拡張されることはなかった。何よりあのとき僕たちは拠点を作り続けてくたくただった。だからこれ以上屋根が広がることもなかった。それだけの話だ。
     ともあれ、その屋根がない位置で寝る係が今日は僕だった。
     寝返りは最低限しか打てないが、方向を間違うと晶と鉢合わせる。晶は左にいるから右を向いて眠るんだと身体を硬くしていたものの、人間たるもの眠気とともに力が抜ける。そのうちに仰向けになり、そうしてついに左へと寝返りを打ってしまってから、ハッと気がついた。目を開ければあの主張がうるさい――見た目は整った顔が間近に広がってしまう。それはなんだか心臓が落ち着かなくなりそうで嫌だった。嫌でも数日前に言われたあれこれを思い出してしまうから。ああ、けれども彼だって寝返りを打っているかもしれない。その場合それは彼の愛しのマイ・エンジェルに向けられていることだろう。ノエルも大変なことだ。先程も「君を危険から守るために抱きしめて眠るよ!」なんて言い出して足蹴にされていたというのに。
    2023