【晶蛍】something blue 結婚式で青いものを身に着けた花嫁は幸せになれる。
と、晶は言っていたけれども実はほんの一部であり、正しくは「古いもの、新しいもの、借りたもの、青いもの」であったりする。
但し、この日の僕は悔しいことにそのどれもを満たしていた。
『やはり、この衣装こそ晴れの日にふさわしい!』
『今からずっと、誓いの証にするんだからね』
『オマエたちのことだ、どうせそんなことまで気が回っていなかったんだろう?』
試合の後。
新たな誓いを交換しあってから、周囲が囃し立てるなかでそっとベールをあげられる。紫の瞳は、相変わらず僕の表情を伺っているようだった。うん、とひとつ頷きあう。
そうしてふたりで、青い薔薇へと口づけた。